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呼気検査拒否(飲酒検知拒否) | 飲酒運転事故を起こしたものの、警察の証拠収集手続が違法であれば無罪

飲酒運転事故を起こしたものの、呼気検査の過程が適法に行われていなければ無罪であるとした韓国の地方裁判所の判決を分析します。

CONTENTS
  • 1. 呼気検査拒否(飲酒検知拒否)、詳しい経緯は?
    • - 呼気検査拒否(飲酒検知拒否)、関連法令は?
  • 2. 呼気検査拒否(飲酒検知拒否)、裁判所の判断は?
  • 3. 呼気検査拒否(飲酒検知拒否)、大倫の戦略は?

1. 呼気検査拒否(飲酒検知拒否)、詳しい経緯は?

A氏は光州のある飲食店前の道路から自宅まで約1kmを血中アルコール濃度0.128%の泥酔状態で運転し、事故を起こしました。路上に止めてあった二輪車に追突し、A氏は二輪車の所有者の知人に連絡先を伝えて、そのまま帰宅しました。

同日夜、警察に「駐車中の二輪車に追突した車両が逃走した。運転者から酒のにおいがした」との通報が寄せられ、警察は車両番号の照会によってA氏の自宅住所を特定し、訪ねました。

警察官らはマンションの共用玄関からインターホンでA氏の住戸に対し、呼気検査のためにドアを開けるよう求めましたが、インターホンに応答したA氏の妻はドアを開けませんでした。

その後、警察官らは別の居住者に続いて共用玄関に入り、A氏が住む住戸の玄関前まで向かいました。

今度はA氏の妻がドアを開け、A氏が寝ていた部屋まで警察官らを案内しました。この時から警察官らとA氏との押し問答が始まりました。

目を覚ましたA氏は「どうやって来たのか。通報者を信用できない」と述べて呼気検査を拒否し、「出て行ってほしい」と警察官らに退去を求めました

警察官らが「呼気検査拒否の容疑を適用し、現行犯逮捕することも可能だ」と警告したにもかかわらず、A氏は「むしろ呼気検査拒否として処理してほしい」と対抗しました。結局、A氏は呼気検査を受け、泥酔していた事実が確認されました。

A氏は裁判で、「警察官らは明示的な退去要求に応じず、違法に呼気検査を行った」と主張しました。

呼気検査拒否(飲酒検知拒否)、関連法令は?

🔗呼気検査拒否罪は、単に飲酒後に運転し、警察による呼気検査の要求に応じなかったからといって、直ちに成立するものではありません。

検査要求時に運転者が血中アルコール濃度0.03%以上の状態にあると認めるに足りる相当な理由が必要であり、これは運転者の外見、態度、運転状況、酒の種類や量などの客観的事情を総合して判断します。

呼気検査を拒否した場合、飲酒運転に対する処罰に加え、韓国刑法上の公務執行妨害罪が成立する可能性もあるため、注意が必要です。

韓国道路交通法第44条(酒に酔った状態での運転の禁止)

① 何人も酒に酔った状態で自動車等、路面電車又は自転車を運転してはならない。

② 警察公務員は、交通の安全と危険防止のために必要と認める場合、又は第1項に違反して酒に酔った状態で自動車等、路面電車若しくは自転車を運転したと認めるに足りる相当な理由がある場合には、運転者が酒に酔っているかを呼気検査によって測定することができる。この場合、運転者は警察公務員の検査に応じなければならない。

✔ 酒に酔った状態、又はそのような状態にあると認めるに足りる相当な理由があるにもかかわらず応じなかった場合
▶ 1年以上5年以下の懲役又は2,000万ウォン以下の罰金

✔ 10年以内に罰金刑以上の同種前科がある場合
▶ 1年以上6年以下の懲役又は500万ウォン以上3,000万ウォン以下の罰金

2. 呼気検査拒否(飲酒検知拒否)、裁判所の判断は?

呼気検査拒否に関するA氏の刑事裁判を審理した裁判部は、A氏の主張を受け入れました。警察がA氏の自宅内まで立ち入って呼気検査を試みた行為は、任意捜査に該当し、違法であると判断したのです。

裁判部は「呼気検査は、すでに発生した飲酒運転という犯罪行為の証拠を収集するための捜査手続である」とした上で、「呼気検査を求めるために被告人の自宅へ立ち入るには、韓国刑事訴訟法上の手続に従わなければならず、原則として令状が必要である。A氏が韓国刑事訴訟法に定める『現行犯人』又は『準現行犯人』*に該当するとみることも難しい」と指摘しました。

さらに、「適法な手続に反する捜査によって得られた『飲酒運転取締事実結果照会』などの証拠は、違法収集証拠に該当する」とし、「排除された証拠を除く残りの証拠だけでは、A氏が飲酒運転をしたと認めるには不十分である」と判示しました。

適法な手続に従わずに収集された証拠は、有罪認定の証拠として用いることができないという韓国刑事訴訟法の大原則を確認した事例でした。


* 韓国刑事訴訟法では、現行犯人とは、犯罪を実行中の者又は実行を終えた直後の者と定めている。準現行犯人とは、犯人として呼ばれながら追跡されている者、盗品若しくは犯罪に使用されたと認めるに足りる凶器その他の物を所持している者、身体又は皮膚に明らかな犯罪の痕跡がある者、何者かと問われて逃走しようとする者と定めている。

準現行犯人は現行犯人と同様に、誰でも令状なしに逮捕することができる。(韓国刑事訴訟法第211条、第212条参照)

関連する韓国大法院の判断

上記判決と同様に、呼気検査による証拠収集が適法でなければ無罪であるとした韓国大法院の判決も併せてご紹介します。

B氏が飲食店で酒を飲んだ後、約300m運転して近くのマッサージ店に入る様子をCCTVで確認した統合管制センターの職員が、警察に通報しました。

警察は店舗に到着し、B氏に3回にわたって呼気検査を求めましたが、B氏はこれを拒否し、呼気検査拒否及び無免許運転の容疑で裁判に付されました。

第1審と第2審は、B氏の無免許運転の容疑については有罪と認定しましたが、呼気検査を拒否した行為については無罪と判断しました。警察官らが店舗所有者の同意を得ずに立ち入り、B氏に呼気検査を求めた行為は、違法な捜索行為に該当すると判断したものです。

裁判部は、「呼気検査の必要性があるとしても、警察が他人の建物に無断で立ち入り、呼気検査を求める行為は違法行為に該当する」と判示しました。

3. 呼気検査拒否(飲酒検知拒否)、大倫の戦略は?

飲酒運転をしていたとしても、呼気検査の過程が適法に行われていなければ、有罪認定の証拠として用いることはできないとした韓国の地方裁判所の判決を分析しました。

呼気検査は、道路の安全を確保し、飲酒運転事故を防止するために不可欠な手続です。

そのため、正当な理由なく呼気検査を拒否すると重い処罰につながる可能性があるため、飲酒運転をしていたとしても警察の要求に従うことが、捜査の進行に役立ちます。

呼気検査拒否罪が成立し、処罰を受けるおそれがある場合には、捜査の初期段階から防御戦略を立てるため、専門弁護士に法的助言を求めることをお勧めします。

法務法人(有限)大倫の🔗飲酒・交通事故対応グループは、🔗呼気検査拒否の容疑を受けたものの、執行猶予となるよう防御した事例を多数有しています。関連して支援が必要な場合は、いつでも法律相談をご依頼ください。

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