学校暴力 03Criminal Complaint for School Violence
刑事告訴の手続き
学校暴力が暴行・脅迫・侮辱・性暴力などの犯罪に当たるときに、警察に告訴して刑事責任を問う手続きです。学暴委とは別の手続きなので、2つの手続きの事実関係を同じにそろえます。
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手続の流れ図
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- 基本段階
- 追加措置・選択
- 棄却・異議
- 手続終了
犯罪に当たるかどうかの検討
暴行・傷害・脅迫・侮辱・名誉毀損・性暴力・サイバーいじめ(情報通信網法)など、どの犯罪に当たるかと、加害生徒の年齢(10歳未満・10〜13歳・14歳以上)を確認します。
次へ: 告訴状の作成・提出説明
暴行、傷害、脅迫、侮辱、名誉毀損、性暴力、サイバーいじめ(グループチャットでのいじめなど)のうち、どれに当たるかを検討します。加害生徒の年齢(10歳未満・10〜13歳・14歳以上)も確認します。年齢によって、刑事処罰を受けるのか、少年部に進むのかがまったく異なるからです。
- 所要期間
- 捜査・少年部の審理の期間は事件ごとに異なる(不送致の場合は7日以内に通知、異議申立ては通知を受け取った日から3か月以内)
- 費用
- 告訴費用なし(弁護士の選任費用は別途)
手続の進行案内
最初から順番にお読みください。赤い文字は法律で定められた期限です。
- 1
暴行・傷害・脅迫・侮辱・名誉毀損・性暴力・サイバーいじめ(情報通信網法)のうち、どの犯罪に当たるかを検討し、加害生徒の年齢(10歳未満・10〜13歳・14歳以上)も確認します。10〜13歳は刑事処罰の代わりに少年部に進み、14歳以上は少年部への送致または刑事裁判につながります。
- 2
被害の事実を時間順に書き、診断書・チャットのスクリーンショット・目撃者の陳述などの証拠を添付して、警察署(学校専担警察官)に告訴状を提出します。侮辱罪のような親告罪(被害者の告訴がなければ処罰されない犯罪)は、犯人を知った日から6か月以内に告訴しなければなりません(刑事訴訟法§230)。事実と違う内容や誇張した内容で告訴すると、誣告罪の問題が生じることがあります。
- 3
警察が告訴人(被害生徒)を取り調べます。保護者や信頼関係者(子どもが信頼し頼りにしている大人)が一緒にいることができます。19歳未満の性暴力被害者の供述は録画することになっています(性暴力処罰法§30(1))。
現在の段階 - 4
警察が加害生徒を取り調べ、加害生徒側も保護者の同席を申し出ることができます(刑事訴訟法§244の5)。対質(向かい合って座り、供述を照らし合わせる取調べ)は、捜査に必要なときに行うものです(§245)。加害生徒と顔を合わせることを望まない場合は、その意思を事前に伝えておきます。
- 5
加害生徒が14歳以上で嫌疑が認められれば、警察が事件を公訴庁の検事(以前の検察)に送致し、10〜13歳の触法少年は警察署長が家庭法院少年部に直接送致します(刑事訴訟法§245の6、§245の7 · 少年法§4)。嫌疑がないと判断すれば不送致とし、7日以内に告訴人に知らせます。
- 6
公訴庁の検事が、少年部への送致、起訴(正式裁判または略式命令の請求)、不起訴(起訴猶予を含む)のいずれかに決定します(少年法§49 · 公訴庁法§57 · 刑事訴訟法§260)。加害側から示談を求められたら、示談金と処罰を望まない意思表示が処分にどのような影響を与えるかを弁護士と相談してから決めるのがよいでしょう。処罰を望まない意思は、一度示すと取り消すのが困難だからです。
- 7
事件が少年部に送られると、非公開の審理で被害者が意見を述べることができ、保護処分が決定されます。刑事裁判であれば、公判で被害者が意見を述べることができ、賠償命令(刑事裁判であわせて賠償を命じる決定)も申し立てることができます。少年保護裁判では、被害者やその法定代理人・弁護人・家族が少年部の裁判官に意見陳述を申し出ることができ、裁判官は、すでに十分に陳述した場合や手続きが大きく遅れるおそれがある場合でない限り、審理期日に陳述の機会を与えなければなりません(少年法§25の2)。法律で定められた申出の期限はないので、少年部への送致の知らせを聞いたらすぐに申し出ます。
これから守るべき期限
- 6か月(親告罪)第2段階 告訴状の作成・提出
- 通知7日第5段階 送致・不送致の決定
準備・確認事項
- 加害生徒の年齢と、該当する犯罪(暴行・傷害・侮辱・性暴力など)を確認します。
- 侮辱罪のような親告罪は、犯人を知った日から6か月以内に告訴します。過ぎると告訴できません。
- 診断書・チャットのスクリーンショット・目撃者の陳述を告訴状に添付します。
- 被害者の取調べに、保護者・信頼関係者の同席を求めます。
- 不送致(検事に送らずに終えること)の通知(7日以内)を受け取ったら、異議申立てなどの対応を検討します。
- 示談を求められたら、処罰を望まない意思表示の効果を相談してから決めます。取り消すのは困難です。
弁護士が必要なとき
告訴状を書く前と決定の直後に、弁護士の助けが必要な場合があります。 傷害・性暴力のように重い犯罪の場合や、どの罪名で告訴すべきか判断が難しい場合です。
加害側から示談を求められた場合や、警察が不送致(公訴庁の検事に送らないこと)の決定をした場合も同様です。 罪名や示談の有無によって、処分の結果が変わることがあるからです。

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第3段階 · 被害者の取調べ
今すべきこと
警察が被害生徒を取り調べます。 親や信頼できる大人がそばに一緒にいることができます。 19歳未満の性暴力被害者の供述は、録画することになっています(望まない場合は録画しません)。
- 被害者の取調べに、保護者・信頼関係者の同席を求めます。
次に起こること
第4段階 · 加害生徒の取調べ
警察が加害生徒を取り調べ、加害生徒側も親の同席を申し出ることができます。 2人の生徒を向かい合わせて座らせる取調べ(対質)は捜査に必要なときに行うものなので、顔を合わせたくないという意思は前もって伝えておくことができます。
これから守るべき期限
- 通知7日第5段階 送致・不送致の決定
根拠: 刑事訴訟法§245の6、§245の7 · 少年法§4
弁護士に依頼すべきとき
告訴状を書く前と決定の直後に、弁護士の助けが必要な場合があります。 傷害・性暴力のように重い犯罪の場合や、どの罪名で告訴すべきか判断が難しい場合です。
加害側から示談を求められた場合や、警察が不送致(公訴庁の検事に送らないこと)の決定をした場合も同様です。 罪名や示談の有無によって、処分の結果が変わることがあるからです。
よくある質問
この手続ですぐに気になる実務上の質問です。
- Q告訴状はどこに、どのような様式で提出しますか?手数料はかかりますか?
- 手数料はかかりません。告訴は、書面または口頭で司法警察官に行うことができます。受け付ける警察署は、近くの警察署の民願室や学校専担警察官に確認します。書面で提出する場合は、被害の事実を時間順に書き、証拠の目録を添付します。
- Q加害生徒が14歳未満でも、告訴する意味はありますか?
- はい、意味があります。10〜13歳は刑事処罰を受けませんが、警察が家庭法院少年部に送り、保護処分を受けさせることができます。ただし、10歳未満であれば少年部への送致(事件を送ること)もされないので、学暴委の措置と民事の損害賠償だけで対応します。
- Q被害者の取調べに弁護士が一緒に行くことはできますか?
- 19歳未満の性暴力被害者に弁護士がいない場合、検事が国選弁護士を選定しなければなりません。その他の事件でも、保護者や信頼関係者が同席できます。弁護士の同席の可否は、担当の捜査官に事前に確認します。19歳未満の性暴力被害者の供述は録画します。
- Q不送致の通知を受け取ったら、どうすればよいですか?
- まず、通知書に書かれた理由を確認します。通知した警察官が所属する警察署の長に、異議申立てができます。そうすると、警察は事件を公訴庁の検事(以前の検察)に送り、処理結果とその理由を知らせます。異議申立ては、通知を受け取った日から3か月以内にしなければなりません。この期限は、2026年10月2日以降に受け取った通知から適用されます。そのため、通知を受け取ったらすぐに相談するのがよいでしょう。
- Q告訴すると、学暴委の手続きは止まりますか?
- いいえ。学暴委と刑事手続きは別々に並行して進みます。学暴委の意見書と告訴状の事実関係が互いに違うと、供述が信じがたいと見られることがあるので、同じ内容で整理する必要があります。
- Q加害側から示談を求められたら、必ず応じなければなりませんか?
- いいえ。示談は任意です。ただし、応じることにした場合は注意点があります。処罰不願書は、親告罪・反意思不罰罪では事件を終わらせる効果があり、一度提出すると再び告訴することはできません。示談金と民事上の請求を放棄するかどうかを弁護士と決めたうえで、書面で行います。
弁護士が必要なとき
- 事実と違う内容や誇張した内容で告訴すると、誣告罪の問題が生じることがあります。事実と証拠を正確に整理する必要があります。
- 加害生徒側から示談を求められたら、示談金と処罰を望まない意思表示が処分にどのような影響を与えるかを弁護士と相談してから決めるのがよいでしょう。
- 少年保護裁判では、被害者とその法定代理人・弁護人・配偶者・直系親族・兄弟姉妹が意見陳述を申し出ることができます。裁判官は、例外事由がなければ審理期日に陳述の機会を与えなければなりません(少年法§25の2)。法律で定められた申出の期限はないので、審理期日の前に前もって申し出ます。
関連法令
- 刑事訴訟法第245条の6(不送致の通知)・第245条の7(異議申立て)
- 少年法第4条・第49条
- 刑法
- 情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律

