民事 03Payment Order
支払命令の手続
支払命令(裁判所が書類だけを見て、借金を返すよう命じるもの)を受ける手続です。裁判を開かず、書類だけで「お金を返しなさい」という裁判所の命令を受けます。裁判所は債務者を呼ばず、申立書だけを見て判断します。印紙代(裁判所の手数料)も、同じ金額で訴訟を起こす場合の10分の1です。
手続の流れ図
ボックスをクリックすると、下に説明が表示されます。
- 基本段階
- 追加措置・選択
- 棄却・異議
- 手続終了
支払命令の申立て
根拠: 民事訴訟等印紙法第7条第2項、第16条第2項
債権の内容と金額、立証資料を添付した申立書を、債務者の住所地の裁判所など管轄裁判所に提出します(民事訴訟法第463条)。
次へ: 書面審査説明
「この人が私にいくら返さなければならない」という内容を申立書に書きます。そこに証拠(借用書、口座の記録など)を添えて、相手方の住所地の裁判所に出します。裁判所はこの書類だけを見て判断するので、資料を漏れなく添えます。
- 所要期間
- 申立てから確定までにかかる期間は、送達状況など事件ごとに異なるため、進行状況は事件を担当する裁判所に確認します
- 費用
- 印紙代(訴訟の1/10)・送達料
手続の進行案内
最初から順番にお読みください。赤い文字は法律で定められた期限です。
- 1
まず、借用書・契約書・取引明細書・入金記録など、お金を受け取る権利を示す資料を集めます。この資料を添えて支払命令申立書を作成し、債務者の住所地の裁判所に出します。印紙代(裁判所の手数料)は同じ金額で訴訟を起こす場合の10分の1で、電子訴訟でも受付できます。
現在の段階 - 2
裁判所は債務者を呼ばず、申立書だけで要件を審査します。要件を満たしていれば支払命令を出し、債務者に正本を郵便で送ります。債務者の住所がはっきりせず届かない場合は、「住所を正しなさい」という住所補正命令が来ます。最後まで届けられなければ、事件は訴訟に切り替わります。
- 3
債務者は支払命令の正本を送達された日から2週間以内に異議を申し立てることができます(民事訴訟法第470条、第472条)。異議が出ると支払命令は効力を失い、事件は通常の民事訴訟に移ります。このとき申立人は、訴訟の印紙代との差額を追加で納めます。
- 4
2週間以内に異議がなければ、支払命令は確定し、確定判決と同じ効力を持ちます。確定した支払命令の消滅時効(権利を行使できる期間)は10年に延びます。
- 5
確定した支払命令は債務名義(強制執行ができる文書)になります。この文書で、債務者の預金・給与・不動産に差押えなどの強制執行を申し立てます。債務者の財産が分からなければ、財産明示・財産照会の申立てを先に進めます。
- 6
支払命令を受け取った債務者の立場なら、受け取った日付をすぐに確認してください。2週間が過ぎると、金額を争う機会を失います。その後は、請求異議の訴えという別の訴訟でしか争えません。
これから守るべき期限
- 2週間第4段階 異議申立期間
準備・確認事項
- 借用書・契約書・取引明細書・入金記録などの債権の証拠資料を確保します。裁判所は書類だけで審査するからです。
- 債務者の正確な住所を、住民登録抄本や法人登記簿で確認します。間違っていると書類が届きません。
- 債務者が争う可能性が高ければ、最初から訴訟を起こすか検討します。異議が来れば結局は訴訟になります。
- 支払命令を受け取った側なら、送達された日から2週間となる日付を確認します。過ぎると、金額が違っていても確定します。
- 確定後の強制執行に備えて、債務者の財産(預金・給与・不動産)を把握します。分からなければ財産照会(機関に財産を照会する手続)から申し立てます。
弁護士が必要なとき
次のような場合は、すぐに弁護士の助けが必要です。 債務者が異議を申し立てて訴訟に移った場合です。 債務者の住所が分からず書類が届かない場合も同じです。
支払命令を受け取り、2週間の期限が目前に迫っている場合も同様です。 こうした場合は、手続が訴訟に変わったり、争う機会がすぐに失われたりするからです。

現在の位置(1/6)
第1段階 · 支払命令の申立て
今すべきこと
「この人が私にいくら返さなければならない」という内容を申立書に書きます。 そこに証拠(借用書、口座の記録など)を添えて、相手方の住所地の裁判所に出します。
裁判所はこの書類だけを見て判断するので、資料を漏れなく添えます。
- 借用書・契約書・取引明細書・入金記録などの債権の証拠資料を確保します。裁判所は書類だけで審査するからです。
- 債務者の正確な住所を、住民登録抄本や法人登記簿で確認します。間違っていると書類が届きません。
- 債務者が争う可能性が高ければ、最初から訴訟を起こすか検討します。異議が来れば結局は訴訟になります。
次に起こること
第2段階 · 書面審査
裁判所は相手方を呼ばず、申立書だけを見て要件を満たしているか確認します。 そのため、書類審査で手続が進みます。
これから守るべき期限
- 2週間第4段階 異議申立期間
根拠: 民事訴訟法第470条、第472条、民事訴訟法第469条第2項
弁護士に依頼すべきとき
次のような場合は、すぐに弁護士の助けが必要です。 債務者が異議を申し立てて訴訟に移った場合です。 債務者の住所が分からず書類が届かない場合も同じです。
支払命令を受け取り、2週間の期限が目前に迫っている場合も同様です。 こうした場合は、手続が訴訟に変わったり、争う機会がすぐに失われたりするからです。
よくある質問
この手続ですぐに気になる実務上の質問です。
- Qどの裁判所に出しますか?電子訴訟でもできますか?
- 債務者(お金を返すべき人)の住所地を管轄する裁判所(地方法院・支院・市郡法院)に出すのが基本です。債務者の勤務地や義務履行地(お金を返すと約束した場所)などを管轄する裁判所にも出せます。電子訴訟も利用できます。電子訴訟サイトで「支払命令申立て」を選べば、自宅から受付できます。この場合、印紙代は10分の9だけ納めます。
- Q費用はどれくらいかかりますか?
- 印紙代は同じ金額で訴訟を起こす場合の10分の1で、送達料は当事者1人につき6回分です。たとえば10,000,000ウォンを請求すると印紙代は5,000ウォン(訴訟の印紙代50,000ウォンの10分の1)で、訴訟よりずっと安く済みます。債務者が異議を出して訴訟に移ると、訴訟の印紙代との差額を追加で納めます。
- Q債務者の住所が分からなくても申し立てられますか?
- 難しいです。支払命令は債務者に実際に届いて初めて効力が生じます。公示送達(裁判所の掲示板への公告で代える送達)は原則として認められません。住所が分からないと、裁判所から住所補正命令(住所を直して出すようにという命令)が出ます。その場合、住民センターで債務者の住民登録抄本を取り、住所を正します。最後まで届かなければ、訴訟に切り替えるか、最初から訴訟を起こさなければなりません。
- Q支払命令を受け取りましたが、金額が違います。どうすればよいですか?
- 受け取った日から2週間以内に、その裁判所に異議申立書を出せば足ります。法律に異議の理由を書くよう求める規定はないため、「異議がある」という趣旨だけを書いても構いません。具体的な反論は、訴訟に移った後、裁判所の案内に従って答弁書で出します。異議を出すと支払命令は効力を失い、通常の訴訟に移ります。2週間が過ぎると確定し、請求異議の訴え(執行を止めるために起こす訴訟)という別の訴訟でしか争えなくなります。ですから、異議を出すか迷っている間も、まず期限を守ってください。
- Q確定すればすぐにお金が入りますか?
- いいえ。確定した支払命令は「受け取る権利を公式に確認した文書」にすぎません。債務者が自分から払わなければ、その正本で預金・給与の差押えなどの強制執行を別途申し立てる必要があります。確定した支払命令は、執行文(執行を許す証明)なしに支払命令の正本で執行できます。強制執行を申し立てるときに一緒に出す証明書は、申し立てる執行裁判所に確認してください。
- Q弁護士なしで一人でできますか?
- はい、できます。裁判所は債務者を呼ばずに書類で判断するので、裁判所に出向く必要はありません。ただし、債務者が争う可能性が高い場合は、異議の後に訴訟へ移ります。そのため、最初から訴訟と弁護士の選任を検討するほうがよいでしょう。
弁護士が必要なとき
- 債務者が争う可能性が高い債権は、最初から訴訟を起こすほうがかえって時間の節約になることがあります。
- 確定した支払命令の消滅時効は10年に延びます。
関連法令
- 民事訴訟法第462条~第474条

