解決事例
窃盗罪での告訴への対応事例 | 捨てられた物と誤認した窃盗事件、不送致
窃盗罪で告訴された依頼者は、マンションの分別回収場所付近に捨てられていたように見えた大型掃除機を持ち帰ったところ、窃盗罪で告訴され、被疑者としての取調べを控えている状況でした。
1. 窃盗罪で告訴された依頼者
窃盗罪で告訴された依頼者の事例です。
窃盗事件の背景
依頼者は農業用の水タンクを入手するためにマンションの分別回収場所を訪れた際、ごみ袋や廃家電などが混在する場所で大型掃除機を発見しました。
周囲にはステッカーの表示や管理上の案内文もなく、普段からその場所には不要になった家電や家具を、必要な住民が持ち帰れるように置いておく慣行があったため、捨てられた物だと誤解してもおかしくない環境でした。
そこで依頼者は、掃除機は故障した廃棄物だと考え、運送用トラックに積んで自宅へ持ち帰りました。
しかし翌日、警察派出所から「所有者が貸すために一時的に外へ置いていた物」であると聞き、直ちに被害者のもとを訪れて謝罪し、返却しました。
その後、依頼者は窃盗の疑いで取調べを受けることになり、刑事専門弁護士に支援を求めました。

事件の争点整理
法律相談後、刑事専門弁護士は窃盗罪の成立要件を分析し、この事件が処罰の対象に当たるかを確認しました。
窃盗罪における最も重要な判断基準は、依頼者が物を持ち去った当時、不法領得の意思(他人の物を自分の物にする意思)があったかという点です。
そこで刑事専門弁護士は、この事件における争点を次の2点に整理しました。
②物を持ち去る過程に、隠匿・逃走・処分行為など「窃盗の故意」を推認させる事情があったか?
刑事専門弁護士はこの2点を中心に事件を分析した後、事実関係と法理を組み合わせて警察に疎明する戦略を立てました。
2. 窃盗罪での告訴に対応するための支援過程

窃盗罪での告訴への対応を担当した刑事専門弁護士は、次のように主張し、依頼者の無念を晴らせるよう支援しました。
窃盗罪の処罰に対する防御戦略① | 現場の配置と「誤認可能性」の精密な立証
刑事専門弁護士は、まず事件が発生したマンションの分別回収場所周辺を直接確認し、現場を撮影・整理して警察に提出しました。
∙ 当該マンション団地では家電製品・家具などがたびたび置かれていたという慣行についての事実確認書を確保した点
∙ 掃除機が従量制ステッカーなしで放置されており、「廃棄物」と誤認する可能性が高い配置であった点
また、次の判例を引用し、「捨てられた物だと認識し得る客観的状況」であったことを強調し、依頼者による誤認の正当性を立証しました。
水原地方裁判所2022年4月20日宣告、2022고정192判決
…
などを総合すると、検察官が提出した証拠だけでは、被告人に窃盗の故意があったと認めるには不十分である。
窃盗罪の処罰に対する防御戦略② | 窃盗の故意がなかったことを立証する供述および意見書の提出
窃盗罪の成立要件の中で最も重要なのは「不法領得の意思」であり、これを否定するため、刑事専門弁護士は依頼者の供述方針を整理し、次の内容を中心に意見書を作成しました。
∙ 修理して使用するか、必要に応じて廃棄物として活用する目的であり、掃除機を「財産的価値のある物として取得」する意思はなかった点
∙ 警察派出所から連絡を受けた直後、直ちに自発的に返却した点は、領得意思がなかったことを強く裏付ける点
特に、自発的に返却した事情は極めて重要である点に着目し、刑事専門弁護士は、依頼者に窃盗罪の故意があったとは認め難いことを体系的に疎明しました。
窃盗罪の処罰に対する防御戦略③ | 被害者の処罰を望まない意思の確認
依頼者はすでに掃除機の所有者から処罰を望まない旨の意思を確認しており、刑事専門弁護士はこれを正式に取りまとめて警察に提出しました。
また、依頼者には過去に同種犯罪で起訴猶予となった前歴があり、警察から「再犯」と判断されるおそれがありました。
これを防ぐため、刑事専門弁護士は次のような補足的な論拠を加えました。
∙ 今回の事件は誤認する可能性が極めて高い状況から生じたものであり、反復性・悪意がまったくない点
これにより、依頼者が犯意をもって物を欲したのではなく、日常的・慣行的な行動の中で生じた誤解にすぎないことを強調しました。
3. 窃盗罪での告訴への対応結果、「不送致」

窃盗罪での告訴に対応するために刑事専門弁護士が行った支援の結果、警察は依頼者の窃盗罪について「不送致」の決定を下しました。
これは、依頼者が廃棄物だと誤認してもおかしくない客観的環境にあり、窃盗の故意を推認させる事情が存在しなかったことが明確に疎明されたためでした。
また、現場の配置と慣行に関する立証、依頼者の行動に至った経緯、自発的な返却、意見書の提出などが有機的に作用し、「犯罪の故意が認められ難い」との判断を得ることができました。
窃盗罪の成立と処罰水準
窃盗罪は他人の財物を窃取した場合に成立し、「他人の財物を不法に領得する意思」が必要です。
つまり、一時的に使用して返す意図で持ち去った場合には、窃盗罪は成立しません。
窃盗罪では未遂犯も処罰され、常習犯の場合は、その刑の2分の1まで加重して処罰されることがあります。
処罰水準
韓国刑法第329条(窃盗) | 処罰水準 |
他人の財物を窃取した者 | 6年以下の懲役または1,000万ウォン以下の罰金 |
窃盗罪で告訴された場合
法務法人大倫には、窃盗罪をはじめ、さまざまな刑事事件を経験した刑事専門弁護士が多数在籍しています。
相談担当弁護士が事件の争点を迅速に把握し、事件類型に適した専任弁護士を直ちに配置して、事件に対する体系的な支援を提供します。
供述方針および注意事項の案内から、警察の取調べへの同行、故意を推認されることを防ぐための戦略策定および証拠収集、捜査機関へ提出する意見書の作成まで、多角的に支援しています。
刑事告訴を受けてお困りの場合は、いつでも🔗法律相談予約を通じて事件をご依頼ください。
窃盗罪に関するFAQ
Q. 被害者にすぐ返却すれば、窃盗罪での告訴による処罰を免れられますか?
A. 直ちに返却したことは、故意がなかったことを示す強力な根拠となります。
ただし、それだけで嫌疑を免れられるわけではないため、返却の過程と占有した意図を明確に整理し、警察に提出する必要があります。
Q. 過去に前歴がありますが、再び窃盗罪で告訴されました。不送致となる可能性はありますか?
A. 同種の前歴があっても、事件の経緯と動機がまったく異なり、誤認する可能性が高かった場合には、再犯のおそれがないとして不送致となった事例が複数あります。
ただし、窃盗の故意がなかったことを明確に疎明する必要があります。

本コンテンツは法務法人(有限)大倫の実際の業務事例をもとに一部脚色して作成されたものであり、著作権は当社に帰属します。
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