CONTENTS
- 1. 横領処罰事件の関係者と経緯

- - 横領処罰事件に関する原審判決「追徴命令」
- 2. 横領処罰事件に関する大法院判決とは

- 3. 横領処罰に関する法令及び判例とは

- - 横領処罰、大倫の戦略
1. 横領処罰事件の関係者と経緯
■ 被告人A
:海外不動産・ホテル開発事業を目的とする会社の代表取締役
■ 事件の経緯
1> 被告人Aは実業家で、海外不動産開発関連会社(以下「会社1」)と海外ホテル事業関連会社(以下「会社2」)の代表取締役をそれぞれ務めていました。
2> Aは会社2のホテル開発事業用地を約2,400万ドルで売却した後、まず個人投資家らに精算金を支払いました。その後、残った920万ドルは、会社1との事業精算や会社1に対する減資代金の支払いなどのために保管することを決めました。
3> しかし、Aは会社1にこの金銭を精算して支払うと、会社1の債権者らによって差し押さえられると考え、その場合、自分がこの金銭を使用できなくなることを懸念しました。
4> そこで最終的に、Aはこの金銭を会社1に送金せず、自身の妻名義で取得して任意に使用することを決意しました。
5> 会社2と自身の妻がホテル開発事業に関するコンサルティング業務契約を締結したかのように虚偽の契約書を作成し、600万ドルを妻に支払いました。その後、Aは会社2の法人資金を横領した疑いなどで起訴されました。
横領処罰事件に関する原審判決「追徴命令」
1> 原審は、特定経済犯罪加重処罰法上の横領・背任の容疑について有罪と判断しました。ただし、強制執行免脱と預金者保護法違反の容疑については犯罪の証明がないとして、無罪判決を言い渡しました。
2> ただし、第1審とは異なる点がありました。原審は、横領額である600万ドルの追徴まで命じました。Aは会社2名義の口座に600万ドルを再び入金していましたが、Aが依然として自身の地位を利用して当該財産に対する処分権限を行使できる限り、会社2の被害が回復されたとはいえないことが理由でした。
2. 横領処罰事件に関する大法院判決とは
まず、大法院は、特定経済犯罪加重処罰法上の横領・背任の容疑に関する有罪判断と、強制執行免脱・預金者保護法違反の容疑に関する無罪判断には誤りがないとして、原審判決をそのまま維持しました。
ただし、原審の「横領額の追徴」については異議を示しました。 「横領被害の回復」をめぐり、原審とは異なる判断を示したのです。
大法院は、Aが会社2名義の口座に600万ドルを入金した以上、会社2が過去に被った財産上の被害はすでに回復されたものとみるべきだと指摘しました。
また、検察官の主張どおり、仮にAが会社2の口座に入金された600万ドルを任意に引き出して使用すれば、それも「新たな横領罪」となりますが、Aがこのような犯行を新たに行う可能性があると主張するには、まず明確な立証が必要だと説明しました。
つまり、検察官が客観的な証拠によってこれを証明しない限り、抽象的な可能性のみを前提として没収・追徴を命じることは不当だということです。
3. 横領処罰に関する法令及び判例とは
第6条(犯罪被害財産の特例) ① 第3条の財産が犯罪被害者財産であり、犯罪被害者がその財産について犯人に対する財産返還請求権又は損害賠償請求権などを行使できないなど、被害回復が著しく困難であると認められる場合には、没収・追徴することができる。
横領処罰、大倫の戦略
裁判所の「没収・追徴」命令は、被害者が特定の犯罪行為によって被った財産上の被害を回復させるための制度です。
先に関連法令及び判例で言及したように、追徴は「刑罰的性格」を有するため、より厳格に解釈されなければなりません。
特に罪刑法定主義が適用される刑事裁判では、拡張・類推解釈が禁止されているため、没収や追徴を命じる際には「被害回復が著しく困難であると認められる場合」について、より客観的に分析する必要があるでしょう。
今回の大法院判決が、今後、腐敗財産をめぐる没収・追徴手続にどのような変化をもたらすのかが注目されます。
法務法人(有限)大倫の企業法務グループは、裁判所の没収・追徴に関連して、企業に課され得るリスクを最小限に抑える戦略を策定し、関連するリーガルアドバイスを提供します。
また、企業が刑事事件に巻き込まれた場合には、必要な証拠を収集し、専門的な防御戦略を立てるなど、企業の利益保護に率先して取り組んでいます。
当該事項に関するお問い合わせがございましたら、いつでも法務法人大倫にご相談ください。









