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判例分析 / 法律最新情報

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勤労基準法|低業績者に対する解雇を正当と認めた韓国大法院判決の分析

勤労基準法に明記された「正当な解雇理由」をどのような基準に基づいて判断すべきか、関連内容を示した韓国大法院判決を分析します。

CONTENTS
  • 1. 勤労基準法訴訟、詳しい経緯
    • - 勤労基準法訴訟、関連法令および概念
  • 2. 勤労基準法訴訟、下級審の判断
  • 3. 勤労基準法訴訟、韓国大法院の判断
  • 4. 勤労基準法訴訟、大倫の戦略とは

1. 勤労基準法訴訟、詳しい経緯

この訴訟は、韓国国内の大企業が「低業績」を理由に労働者A氏を解雇したことから始まりました。

A氏は同社に入社し、20年を超えて勤務してきました。

幹部に昇進した後、10年間にわたり継続して社内の人事評価で下位等級を受けていました。

同社は、3年間の累積人事評価の結果を総合し、下位1%未満に該当する幹部社員を対象に教育プログラムを実施してきました。

A氏は、このプログラムが設けられて以降、8年間に7回も対象者に選定されています。

また、勤務成績および勤務態度が不良であることを理由に、停職に相当する懲戒処分を3回受けたこともあります。

そこで同社は、A氏に対する通常解雇を決議しました。

社内の幹部社員就業規則には、「社会通念上、労務の提供を継続できないと判断される者」を解雇(通常解雇)できるとの内容が定められていました。

また、同じ規則の別の条項には、「勤務態度または勤務成績が不良で、改善の余地がないと判断される者」「懲戒解雇」できるとの内容も含まれていました。

A氏は直ちに反発しました。

正当な理由なく解雇されたとして韓国の地方労働委員会に救済を申し立て、この申立ては認容されました。

地方労働委員会は、「原告(大企業)が通常解雇を選択したのは、その正当性を立証することが難しい懲戒解雇を回避するためであるとみられ、労働者の勤務態度および成績にも改善の余地があるとみられる」と説明しました。

同社は、事実関係を改めて検討するよう求めて再審を申し立てましたが棄却されたため、再審判定の取消しを求める訴訟を提起しました。

勤労基準法訴訟、関連法令および概念

まず、本件に関連する法令および判例を紹介する前に、確認しておくべき事項があります。

それは、「解雇」の種類と、それぞれの特徴です。

一般に、解雇は通常解雇」「懲戒解雇」「整理解雇」の3つに大きく分類されます。

通常解雇とは、労働者個人の一身上の理由による解雇を意味します。

懲戒解雇とは、労働者の行為を理由に労働関係を終了させることを意味し、ここでいう「行為上の理由」は通常、就業規則や労働協約によって定められます。

最後に、整理解雇とは、その言葉のとおり、緊迫した経営上の必要性により行われる解雇を指します。

現行法は、正当な理由なく労働者を解雇できないと定めています。

勤労基準法第23条(解雇等の制限)

:使用者は、労働者に正当な理由なく、解雇、休職、停職、配置転換、減給その他の懲罰をしてはならない。

韓国大法院も「解雇理由」に関する判例を示しています。その内容は次のとおりです。

「一般に、使用者が、勤務成績または勤務能力が不良で職務を遂行できない場合には解雇できると定めた就業規則等に基づいて労働者を解雇した場合、使用者が労働者の勤務成績または勤務能力を不良と判断する根拠となった評価が、公正かつ客観的な基準に基づいて行われたものでなければならないだけでなく、労働者の勤務成績または勤務能力が他の労働者と比べて相対的に低いという程度を超え、相当な期間にわたり一般に期待される最低限の水準にも達しておらず、今後も改善の可能性を認めることが難しいなど、社会通念上、雇用関係を継続できない程度に至っている場合に限り、解雇の正当性が認められる。このとき、社会通念上、雇用関係を継続できない程度に至っているか否かは、労働者の地位および担当業務の内容、それに応じて求められる成果または専門性の程度、労働者の勤務成績または勤務能力が不振である程度および期間、使用者が教育や配置転換など勤務成績または勤務能力を改善する機会を与えたか否か、改善の機会が与えられた後に労働者の勤務成績または勤務能力が改善したか否か、労働者の態度、事業所の状況など、さまざまな事情を総合的に考慮して合理的に判断しなければならない」(韓国大法院2021年2月25日宣告2018ダ253680判決参照)

2. 勤労基準法訴訟、下級審の判断

第1審および第2審の裁判所は、同社による解雇の決定は違法であると判断しました。

その理由は、就業規則に明記された「社会通念上、労務の提供を継続できないと判断される者」の解釈を厳格に行う必要があるというものでした。

単に勤務態度または勤務成績が不良である場合ではなく、労働者が労働契約上の労務提供義務を履行することが客観的に不可能もしくは著しく困難である場合、または働く意思が明らかにない場合に限り、解雇を検討できるということです。

また、下級審の裁判所は「原告は就業規則第32条に基づいてA氏を通常解雇する際、『勤務態度・成績が不良で、改善の余地がないと判断される』ことを理由としたが、これは同規則第42条に定める『懲戒解雇』の理由に該当するため、原告が懲戒解雇理由の立証責任を回避するために通常解雇を行ったとする再審判定が誤りであると断定することは難しい」と説明しました。

3. 勤労基準法訴訟、韓国大法院の判断

第1審および第2審とは異なり、韓国大法院は企業側の主張を認めました。

まず、労働委員会が同社について「懲戒解雇理由の立証責任を回避するために通常解雇を行った」と判断した内容を、下級審がそのまま受け入れた点を指摘しました。

韓国大法院は、懲戒解雇理由が通常解雇理由にも該当する場合、懲戒解雇処分としての規定上の根拠や形式を取らず、労働者に有利な通常解雇処分を選択することは「使用者の裁量」に属すると判断しました。

懲戒解雇処分は、企業秩序に重大に違反する非違行為があった場合に科される懲罰的な性質を有するため、労働者にとって相対的に不利にならざるを得ず、そのため労働者にとってやや有利な通常解雇を選択することは適法であるということです。

また、韓国大法院は、A氏の解雇にも正当な理由があると判断しました。

A氏は10年を超えて幹部職に就いており、その職責および経歴に応じた成果と専門性が求められていたにもかかわらず、その能力を備えていなかったと判断したのです。

また、A氏は長期間にわたり、関係部署およびチームメンバーとの意思疎通が円滑でないとの評価を受けており、自らも自己評価で低い等級を付けていました。会社はA氏に7回にわたり職務再教育の機会を提供しましたが、状況が全く改善されなかったことも指摘しました。

韓国大法院は、これらの事実に基づき、A氏は社会通念上、雇用関係を継続できない程度に至っているとみられるため、解雇の正当性は認められると説明しました。

そして、解雇を不当と判断した原審判決を破棄し、事件を原審裁判所に差し戻しました。

4. 勤労基準法訴訟、大倫の戦略とは

「正当な解雇理由」をめぐる労使間の紛争は、長年にわたり絶えることなく続いています。

韓国大法院は今回の判決で、使用者が労働者の雇用維持または解雇回避のために最善を尽くして初めて解雇の正当性が認められるとした原審の判断は、「誤った前提」に基づくものであると明らかにしました。

また、長期間にわたり人事評価で下位等級を受け、改善の余地もない労働者に対する解雇は正当なものとみるべきであるとも判断しました。

これは、企業と労働者の双方に多くの示唆を与える判決であるといえます。

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