CONTENTS
- 1. 交通事故処理特例法訴訟、詳しい経緯

- - 交通事故処理特例法関連訴訟、関連法令
- 2. 交通事故処理特例法訴訟、下級審裁判所の判断

- 3. 交通事故処理特例法訴訟、大法院の判断

- 4. 交通事故処理特例法訴訟、大倫の戦略

1. 交通事故処理特例法訴訟、詳しい経緯
本件の被告人は、交通事故処理特例法違反の疑いで裁判に付されたA氏でした。
A氏は2021年、片側4車線の道路の第1車線を走行中、白色実線を越えて第2車線へ移ろうとしました。
しかし、当時第2車線を走行していた個人タクシーがA氏の車両との衝突を避けるため急停止し、その過程でタクシーの乗客が負傷しました。
検察は、A氏が越えた白色実線は「通行禁止の表示」に該当し、これにより発生させた事故は刑事処罰が可能な12大重大過失に該当すると判断しました。
その上で、A氏に交通事故処理特例法違反の容疑を適用しました。
交通事故処理特例法関連訴訟、関連法令
一般に、運転者が交通事故を起こして人を負傷させた場合、被害者が処罰を望まないか、自動車総合保険に加入していれば、処罰を免れることができます。
しかし、以下で紹介する「12大重大過失交通事故」に該当する場合、被害者の意思にかかわらず処罰されることになります。
そのため、交通事故に巻き込まれたときは、「12大重大過失」に含まれるかどうかが最も重要な争点であるといえます。
どのような類型の事故が12大重大過失に該当するのか、関連法令を確認します。
■ 交通事故処理特例法第3条(処罰の特例)
② 車両の交通により第1項の罪のうち業務上過失致傷罪又は重過失致傷罪及び「道路交通法」第151条の罪を犯した運転者については、被害者の明示的な意思に反して公訴を提起することができない。ただし、車両の運転者が第1項の罪のうち業務上過失致傷罪又は重過失致傷罪を犯したにもかかわらず、被害者を救護するなど「道路交通法」第54条第1項に基づく措置を講じずに逃走し、又は被害者を事故現場から移動させて遺棄した後に逃走した場合、同罪を犯し、「道路交通法」第44条第2項に違反して飲酒測定の要求に応じなかった場合、及び次の各号のいずれかに該当する行為により同罪を犯した場合は、この限りでない。
1. 「道路交通法」第5条に基づき信号機が表示する信号若しくは交通整理を行う警察公務員等の信号に違反し、又は通行禁止若しくは一時停止を内容とする安全標識が表示する指示に違反して運転した場合
2. 「道路交通法」第13条第3項に違反して中央線を越え、又は同法第62条に違反して横断、Uターン若しくは後進した場合
3. 「道路交通法」第17条第1項又は第2項に基づく制限速度を時速20キロメートル超えて運転した場合
4. 「道路交通法」第21条第1項、第22条、第23条に基づく追越しの方法・禁止時期・禁止場所若しくは割込みの禁止に違反し、又は同法第60条第2項に基づく高速道路での追越し方法に違反して運転した場合
5. 「道路交通法」第24条に基づく踏切の通過方法に違反して運転した場合
6. 「道路交通法」第27条第1項に基づく横断歩道での歩行者保護義務に違反して運転した場合
7. 「道路交通法」第43条、「建設機械管理法」第26条又は「道路交通法」第96条に違反し、運転免許若しくは建設機械操縦士免許を受けず、又は国際運転免許証を所持せずに運転した場合。この場合、運転免許若しくは建設機械操縦士免許の効力が停止中であり、又は運転が禁止されているときは、運転免許若しくは建設機械操縦士免許を受けず、又は国際運転免許証を所持していないものとみなす。
8. 「道路交通法」第44条第1項に違反して酒に酔った状態で運転し、又は同法第45条に違反して薬物の影響により正常に運転できないおそれがある状態で運転した場合
9. 「道路交通法」第13条第1項に違反して歩道(步道)が設置された道路の歩道に進入し、又は同法第13条第2項に基づく歩道の横断方法に違反して運転した場合
10. 「道路交通法」第39条第3項に基づく乗客の転落防止義務に違反して運転した場合
11. 「道路交通法」第12条第3項に基づく子ども保護区域において、同条第1項に基づく措置を遵守し、子どもの安全に留意して運転すべき義務に違反し、子どもの身体に傷害を負わせた場合
12. 「道路交通法」第39条第4項に違反し、自動車の積載物が落下しないよう必要な措置を講じずに運転した場合
2. 交通事故処理特例法訴訟、下級審裁判所の判断
まず、第1審裁判所は「公訴棄却」判決を言い渡しました。
交通事故処理特例法に記載された安全標識の場合、その適用範囲は「通行禁止又は一時停止」に明確に限定されるというものです。
つまり、白色実線は単に進路変更を禁止する標示にすぎず、通行を禁止する標示ではないため、白色実線を「通行禁止を内容とする安全標識」と解釈した検察官の主張は受け入れられないというのが裁判所の説明です。
これを受けて検察側は控訴しましたが、第2審裁判所も第1審と同じ判断を示しました。
しかし、検察側が直ちに上告したため、事件は大法院に持ち込まれることになりました。
3. 交通事故処理特例法訴訟、大法院の判断
大法院も下級審裁判所の判断に問題はないとして、検察官の上告を棄却しました。
上告審でも、「白色実線」を「通行禁止標識」とみなすことができるかどうかが中心的な争点となりました。
大法院も第1審及び第2審裁判所と同様に、白色実線を越える行為を通行禁止違反とみなすことはできないと判断しました。
特に大法院は、道路交通法が通行禁止と進路変更禁止を区別して規律し、異なる処罰体系を設けている点に注目しました。
道路交通法第6条第1項は、「道路上の危険を防止し、交通の安全と円滑な通行を確保するために必要があると認められるとき」に、区間を定めて通行を禁止し、又は制限できると規定しています。
このような通行禁止に違反した場合は、同法第156条第2号に基づき処罰されます。
一方、進路変更禁止の根拠となる法律は異なります。
道路交通法第14条第5項を見ると、安全標識が設置され、特に進路変更が禁止された場所では、車馬の進路を変更できないと規定されています。
また、進路変更禁止に違反した場合は、同法第156条第1号に基づき処罰されます。
このように「通行禁止」と「進路変更禁止」については、それぞれ異なる禁止規範が定められているため、通行禁止と進路変更禁止を同列に解釈して12大重大過失を適用したことは、文言の客観的な意味を逸脱し、被告人に不利な解釈をするものであると指摘しました。
4. 交通事故処理特例法訴訟、大倫の戦略
2004年、大法院は白色実線を越えて発生した交通事故について、反意思不罰罪規定や総合保険加入に関する特例規定は適用されないとする趣旨の判決を言い渡したことがあります。
今回は、「白色実線」は安全標識に該当しないため、これを越えて事故を発生させた運転者に反意思不罰罪規定を適用できるとの判決を言い渡し、従来の判例を変更しました。
大法院はこの判決について、立法趣旨に反して刑事処罰の範囲が不当に拡大されないよう、「通行禁止」の意味を厳格に解釈したものであると説明しました。
白色実線に関する大法院判例が約20年ぶりに変更されたことで、交通事故の現場でも多くの変化が生じるものとみられます。
ただし、今回の判決を見て、すべての道路で白色実線を越えることが認められたと断定してはいけません。
被害者と示談し、総合保険に加入している場合に12大重大過失が適用されないというだけで、「白色実線を越える行為」は依然として反則金の賦課対象となる行為です。
また、橋梁やトンネル内で白色実線を越えて追越しをした場合は、別途の規定に基づき刑事処罰を受けることがあります。
法務法人(有限)大倫では、交通事故に関する専門家がチームを組み、依頼者に合わせたサポートを提供します。
交通事故に関する訴訟に巻き込まれ、専門家のサポートが必要な場合は、いつでも法務法人(有限)大倫にご相談ください。








