CONTENTS
- 1. 民法訴訟、詳しい経緯は?

- - 民法訴訟、関連法令及び判例
- 2. 民法訴訟、下級審の判断は?

- 3. 民法訴訟、韓国大法院の判断は?

- 4. 民法訴訟、大倫の戦略は?

1. 民法訴訟、詳しい経緯は?
民法に関する訴訟を提起した原告は、ある社会福祉法人の寄付者A氏でした。
A氏は2017年から2020年まで、毎月5万ウォンずつ当該社会福祉法人に寄付金を納めていました。
当該社会福祉法人は、慰安婦被害者の女性たちが暮らす施設を運営し、関連する社会活動を行っていました。
ウェブサイトにも、女性たちに「生活の場」を提供し、過去の歴史をめぐる問題の解決に向けた活動を率先して行うとの紹介文が掲載されていました。
A氏はこの紹介文を見て深い感銘を受け、寄付を決意しました。
しかし、寄付を続けていたある日、A氏は当該法人をめぐる「寄付金流用疑惑」の報道を知りました。
法人に集まった数十億ウォンの寄付金の大半が法人内に留保され、実際に被害者のために使われた金額はごくわずかだと報じられたのです。
そこでA氏は、寄付金の返還を求める訴訟を提起しました。
民法訴訟、関連法令及び判例
◈ 関連法令
韓国民法第109条(錯誤による意思表示)
①意思表示は、法律行為の内容の重要部分に錯誤があるときは、取り消すことができる。ただし、その錯誤が表意者の重大な過失によるときは、取り消すことができない。
◈ 関連判例
「民法第109条に基づき意思表示に錯誤があるというためには、法律行為をした当時、実際には存在しない事実を存在するものと誤認し、又は実際に存在する事実を存在しないものと誤認した場合のように、意思表示者の認識と当該事実とが食い違う場合でなければならない。意思表示者が行為当時、将来生じる何らかの事項の発生を予測したにすぎない場合は、意思表示者の心理状態における認識と対照事実との不一致があるとはいえず、これを錯誤として扱うことはできない(韓国大法院2020年5月14日宣告2016다12175判決参照)。ただし、ある認識が将来生じる何らかの事項に対する単なる予測又は期待にとどまらず、その予測又は期待の根拠となる現在の事情に対する認識を含み、その認識が実際に存在する事実と一致しない場合は、これを錯誤として扱うことができる。」
2. 民法訴訟、下級審の判断は?
第1審及び第2審の裁判所は、A氏を含む原告23人の請求を認めませんでした。
第1審の裁判所はまず、当該法人が寄付金の使途を明確に告知していなかった事実を認め、これは不適切であると指摘しました。
その一方で、このような不明確な告知は故意によるものではないと判断しました。
また、当該法人の寄付金は目的が明確に定められていない「使途を指定しない寄付金」に該当するため、その使途も幅広く解釈できると説明しました。
さらに、当該法人が留保した寄付金を、必要なときにはいつでも被害者のために使用する計画を明らかにしていた点も考慮したと付け加えました。
これに反発したA氏らは控訴しましたが、控訴審の裁判所も第1審と同じ判断を示しました。
相次ぐ敗訴を受け、共同原告となっていた23人のうち22人は全員上告を断念し、A氏だけが訴訟を続けました。
3. 民法訴訟、韓国大法院の判断は?
韓国大法院の判断は、第1審及び第2審とは異なりました。原判決を破棄し、事件を原審裁判所に差し戻したのです。
韓国大法院は、「民法第109条」を根拠として示しました。
上記でも紹介したとおり、民法第109条は、「重要部分に錯誤があるときは契約を取り消すことができる」と定めています。
韓国大法院はまず、本件寄付契約の目的が慰安婦被害者への支援に関するものであることは明らかだと判断しました。
この目的はA氏が寄付を決意した主要な動機となったため、契約内容の重要部分に該当すると判断しました。
また、当該法人はウェブサイトなどの紹介文に、寄付金が慰安婦被害者に関連する活動に使われると記載していましたが、韓国大法院は、これは単なる意思の表明にとどまらず、募金当時も寄付金を当該目的に使用しているという事実も含むと指摘しました。
したがって、A氏はこの案内に基づき、寄付金が慰安婦被害者に関連する活動に使用されてきたか、現在も使用されており、今後も使用されると認識せざるを得なかったと述べました。
担当する地方自治体の会計調査結果によると、当該法人が寄付金全体のうち被害者のために使用したのは約2.3%にすぎず、これは法人自らが明らかにした寄付の目的及びA氏の認識と一致しないと付け加えました。
裁判の過程で、当該法人は、被害者の人数に比べて寄付金があまりにも多く集まったため、法人の口座に保管せざるを得なかったとも主張しました。
第1審及び第2審の裁判所はこの主張を受け入れましたが、韓国大法院は認めませんでした。
寄付金を法人内に留保せざるを得ない事情があったのであれば、その事情まで考慮した適切な案内を行い、寄付者が正確な情報に基づいて意思決定できるようにすべきだったということです。
したがって、A氏の錯誤が重大な過失に基づくものであることが証明されない限り、A氏は錯誤を理由として本件寄付契約を取り消すことができると解すべきであると判示しました。
4. 民法訴訟、大倫の戦略は?
民法訴訟に関し、当初記載していた内容とは異なる目的に寄付金を使用した場合、当該契約を取り消すことができるとした韓国大法院の判決を分析しました。
近年、「寄付文化」が広がり、特定の団体に定期的な寄付を行う方が増えています。
本事例のように、自分が納めた寄付金が別の用途に使用される場合があります。
韓国大法院は、寄付契約の「重要部分」については、契約を締結する者が正しい判断を下せるよう、正確な情報を提供しなければならないと判断しました。
今回の韓国大法院判決は、寄付金をめぐる法的紛争を抱える他の事例にも大きな影響を及ぼすものとみられます。
法務法人(有限)大倫では、民事訴訟の豊富な経験を有する専門性の高い弁護士チームが、依頼者に合わせた支援を行います。
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