CONTENTS
- 1. 起訴猶予処分取消の憲法訴願、詳しい経緯は?

- 2. 起訴猶予処分取消の憲法訴願、関連法令および判例は?

- - 関連法令
- - 関連判例
- 3. 起訴猶予処分取消の憲法訴願、Aさんの主張は?

- 4. 起訴猶予処分取消の憲法訴願、憲法裁判所の判断は?

- 5. 起訴猶予処分取消の憲法訴願、大倫の戦略は?

1. 起訴猶予処分取消の憲法訴願、詳しい経緯は?

起訴猶予処分取消の憲法訴願を提起したのは、PCバンの従業員として働いていたAさんでした。
Aさんは2022年、ゲーム産業法違反の疑いで検察から「起訴猶予」処分を受けました。
当時の事件の経緯は次のとおりです。
Aさんが働いていたPCバンは、24時間営業システムを維持していました。
深夜0時から昼の時間帯までは無人で、昼以降から0時直前までは従業員を雇用して運営していました。
Aさんは夜間の勤務を担当し、0時前まで店に残った後に退勤していました。
問題のその事件は、Aさんが退勤した直後に発生しました。
青少年6名が早朝の時間帯に当該PCバンを訪れ、1時間ほどコンピューターを使用したのです。
現行法は青少年がPCバンに出入りできる時間を午前9時から夜10時までと規定しています。
出入時間に違反して青少年を出入りさせた者は、1年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金に処される可能性があります。
これに対し検察は、Aさんが法に違反して青少年を出入りさせた疑いが認められるとしながらも、犯罪の程度が重くないため起訴を猶予すると明らかにしました。
Aさんは、検察のこのような処分が自身の平等権と幸福追求権を侵害したとして、憲法裁判所に起訴猶予処分の取消しを求める訴えを提起しました。
2. 起訴猶予処分取消の憲法訴願、関連法令および判例は?
起訴猶予処分取消の憲法訴願で言及された関連法令および判例をご紹介します。
関連法令
ゲーム産業振興に関する法律第28条(ゲーム物関連事業者の遵守事項)
ゲーム物関連事業者は、次の各号の事項を遵守しなければならない。
7. 大統領令で定める営業時間および青少年の出入時間を遵守すること
ゲーム産業振興に関する法律施行令第16条(営業時間および青少年出入時間の制限等)
法第28条第7号による営業時間および青少年の出入時間は、次の各号のとおりである。
2. 青少年の出入時間
イ 青少年ゲーム提供業者、複合流通ゲーム提供業者(「青少年保護法施行令」第5条第1項第2号但書により青少年の出入りが許容される場合のみ該当する)、インターネットコンピューターゲーム施設提供業者の青少年出入時間は午前9時から午後10時までとする。ただし、青少年が親権者・後見人・教師または職場の監督者その他当該青少年を保護・監督するに足る実質的な地位にある者を同伴した場合には、青少年出入時間外の時間にも青少年を出入りさせることができる。
ゲーム産業振興に関する法律第47条(両罰規定)
法人の代表者や法人または個人の代理人・使用人その他の従業員が、その法人または個人の業務に関して違反行為をした場合には、行為者を罰するほか、その法人または個人に対しても各該当条の罰金刑を科する。ただし、法人または個人がその違反行為を防止するため、当該業務に関して相当の注意と監督を怠らなかった場合には、この限りでない。
関連判例
「旧ゲーム産業法第28条第7号は『ゲーム物関連事業者は大統領令が定める青少年の出入時間を遵守しなければならない』と規定しており、同法第46条第2号は上記のような義務を強制するため第28条第7号に違反した者を処罰するよう定めているところ、旧ゲーム産業法第46条第2号により処罰対象となる者は『ゲーム物関連事業者』でなければならない。そして『ゲーム物関連事業者』とは、インターネットコンピューターゲーム施設提供業などを営むことによる権利義務の帰属主体となる者を意味するため、営業者の職員や補助者の場合にはこれに含まれない。」(大法院2008年3月27日宣告2008도89判決、大法院2011年11月10日宣告2010도11631判決参照)
「ただし、旧ゲーム産業法第47条本文は「法人の代表者や法人または個人の代理人・使用人その他の従業員が、その法人または個人の業務に関して第44条ないし第46条の規定による違反行為をした場合には、行為者を罰するほか、その法人または個人に対しても各該当条の罰金刑を科する。」と定めている。この規定の趣旨は、上記第46条などの罰則規定が適用されるゲーム物関連事業者ではないが、そのような業務を実際に執行する者がいる場合に、罰則規定の実効性を確保するため、適用対象者を当該業務を実際に執行する者にまで拡張し、その行為者も併せて処罰しようとする点にある。したがって、このような両罰規定は、当該業務を実際に執行する者に対する処罰の根拠規定となる。」(大法院2017年11月14日宣告2017도7492判決など参照)
3. 起訴猶予処分取消の憲法訴願、Aさんの主張は?
起訴猶予処分取消の憲法訴願に関連して、Aさんは自身に落ち度がないという立場を明確にしました。
当時Aさんが働いていたPCバンの出入口には、住民登録証などで身分を確認した後に出入口を開けられるようにする無人機が設置されていました。
早朝の時間にPCバンを訪れた青少年たちは、当時無人機が作動していなかったと述べました。
Aさんもまた、PCバンの経営者から青少年の出入りに関する内容を伝えられたり、無人機の使用方法などについて何らの教育も受けていませんでした。
PCバンの経営者も、当初は「最後の時間帯に勤務する者が無人機を作動させて退勤するようにしている」と供述していましたが、その後「無人機が頻繁に故障して利用客の不満が多く、利用料の支払いも難しくなったため、これを使用していなかった」と供述を変えたことがありました。
Aさんは、こうした点を踏まえて自身に責任がないことを強調しました。
4. 起訴猶予処分取消の憲法訴願、憲法裁判所の判断は?
起訴猶予処分取消に関する憲法訴願を審理した憲法裁判所は、Aさんの主張を認めました。
Aさんに対する起訴猶予処分が、Aさんの平等権と幸福追求権を侵害したため、これを取り消すべきだというものです。
まず、憲法裁判所はゲーム産業法に記載された「ゲーム物関連事業者」という用語に注目しました。
憲法裁判所は、PCバンの従業員にすぎないAさんをゲーム物関連事業者とみなすことは難しいと判断しました。
ただし、ゲーム産業法は、従業員であっても関連業務を委任されて実際に業務を執行する者の場合には処罰できるよう、両罰規定を設けています。
憲法裁判所はAさんが PCバンの出入りに関する業務を委任されて執行したとはいえず、青少年の出入時間を遵守する義務を負っているともいえないと明らかにしました。
PCバンの事業主もAさんに無人機の作動に関する指示をしたことがなく、Aさんも捜査の過程で一貫して関連する指示を受けたことがないと供述したことが、その理由でした。
そのうえで憲法裁判所は、捜査記録に表れた事情だけでは、Aさんが無人機の作動義務について知っていたとはみなしがたいと付け加えました。
しかし検察は被疑事実が認められることを前提に処分を下したため、重大な法理誤解ないし捜査不十分の誤りがあり、恣意的な検察権の行使とみなすことができると指摘しました。
5. 起訴猶予処分取消の憲法訴願、大倫の戦略は?
「起訴猶予」は、犯罪の疑いは認められるものの、検事が被疑者の年齢や環境などを考慮して起訴しないことを意味します。
裁判に付されるわけではありませんが、犯罪自体は認められるという点で、嫌疑なし(無罪)とは区別されるといえます。
自身の疑いを全面的に否認する被疑者の立場からすれば、「起訴猶予」処分もまた非常に無念なものとならざるを得ません。
しかし、告訴・告発人ではない処分の当事者には、抗告できる権限がありません。
唯一問題を提起できる方法が、まさに「憲法訴願審判請求」です。
統計によると、本事例のAさんのように起訴猶予処分の取消しを求めた人の10名中2名は、憲法裁判所から認容の判決を受けるといいます。
法務法人(有限)大倫は、起訴猶予処分取消に関する憲法訴願で認容の経験がある弁護士が、依頼者に合わせた支援を行います。
関連するお問い合わせがございましたら、いつでも法務法人(有限)大倫にお問い合わせください。







