CONTENTS
- 1. 薬事法 | 事件の概要及び争点

- 2. 薬事法 | 第一審の判断

- - 控訴審の判断
- 3. 薬事法 | 大法院の判断

- - 法理構造及び判断理由
- - 本判決の意義
- 4. 薬事法 | 法務法人大倫の戦略

1. 薬事法 | 事件の概要及び争点
薬事法に関する本件の核心は、既存薬局が近隣に新設された薬局の開設登録処分の取消しを争うことができるかにありました。
すなわち、薬事法第20条第5項が禁止する医療機関との場所的関連性(施設・敷地・通路など)が問題となった事案において、既存薬局が自らに直接的な経済的不利益が生じると主張できるか否かが争点でした。
本件の原告ら(当該医療機関の近隣で従前から薬局を運営していた薬剤師ら)は、当該薬局開設登録が薬事法第20条第5項各号に違反し、医療機関と事実上の談合構造を形成するおそれがあり、自らの調剤機会が不当に侵害されると主張しました。
これを受けて、新規薬局開設登録を受けた薬剤師を被告補助参加人とし、管轄の保健所長を被告とする訴訟を提起しました。
2. 薬事法 | 第一審の判断
第一審裁判部は、原告らの主張を受け入れませんでした。
その理由は、原告らの薬局売上のうち当該医療機関の処方箋に基づく割合が低く、新規薬局の開設による売上減少や調剤機会の喪失が統計的に有意ではないというものでした。
すなわち、「実際の損害が立証されていない」という理由で原告適格を否定したものです。
控訴審の判断
控訴審裁判部であるソウル高等法院もまた、第一審の判断を維持する判決を下しました。
控訴審裁判部は、薬局開設登録の取消しを求めるためには「調剤機会の侵害が現実的かつ直接的」でなければならないと判示しました。
続いて、 原告薬局が当該医療機関の処方箋を一定部分調剤した事実はあるものの、売上比重や実質的な減少幅が大きくないため、法律上保護される利益とみることは難しいとしました。
したがって、原告らは行政訴訟法第12条の「法律上の利益がある者」に該当しないと述べました。
結果として、控訴審裁判部もまた第一審判決と同様に、原告らの原告適格を認めませんでした。
3. 薬事法 | 大法院の判断

大法院は原審の判断を覆し、原告適格を積極的に認めました。
法理構造及び判断理由
行政訴訟法第12条は「取消訴訟は、処分の取消しを求める法律上の利益がある者が提起することができる」と規定しています。
この場合の「法律上保護される利益」とは、単なる経済的利益を超えて、処分の根拠法規及び関連法規により個別的・直接的・具体的に保護される利益を意味します(大法院2006두330全員合議体判決参照)。
したがって大法院は、行政処分の直接の相手方でない第三者であっても、その処分により自らの法律上の保護利益が侵害されれば原告適格が認められると判示しました。
② 薬事法体系と保護利益の認定
大法院は、薬事法第20条第5項第2~4号が医療機関と薬局との間の公正競争及び独立性保障のための規定であることを強調しました。
薬事法第20条第5項は、医療機関と同一の施設・敷地・通路を共有する薬局の開設を禁止する条項であり、これは薬事法第23条(調剤の独立性)、第24条(談合禁止)、第26条(処方箋確認義務)などと併せて読むべきものであり、医薬分業の本質である「相互牽制と透明な処方体系」を実現するためのものであると述べました。
したがって、大法院は既存薬局が医療機関の近隣で独立して調剤業務を遂行できる環境を維持することもまた、薬事法が保護する利益に含まれると判示しました。
③ 医薬分業制度の目的と薬剤師の独立性
大法院は、医薬分業の導入趣旨を具体的に再確認しました。
大法院は、医薬分業は医師の処方と薬剤師の調剤機能を分離することにより、不要な投薬を防止し、薬剤師に調剤の自律性及び専門的な点検権限を付与するための制度であるとみました。
したがって、医療機関と特定の薬局が結託して処方箋が特定の薬局に集中する場合、近隣薬局の調剤機会が不当に制限され、医薬分業の目的が損なわれると判示しました。
結局、医療機関の近隣薬局の公正な調剤機会は、単なる営業上の利益ではなく、薬事法が保障する法律上の保護利益として評価されるということです。
④ 判断基準の提示
大法院は、今後の類似事件において原告適格を判断する基準を次のように提示しました。
「新規薬局開設登録処分により、医療機関の処方薬の調剤機会を公正に配分される既存薬局の利益が侵害されるおそれがあるかを判断する際には医療機関の位置及び規模、既存薬局と新規薬局との距離、アクセス性、両薬局の調剤実績、近隣薬局の分布と患者の移動動線などを総合的に考慮しなければならない。」
特に大法院は、既存薬局の主たる売上が当該医療機関の処方箋に基づくものでなければ原告適格が認められないわけではないとし、実際の調剤実績が一部でも存在すれば原告適格を肯定できるという幅広い基準を提示しました。
⑤ 本件への適用
原告薬局らは当該医療機関の近隣に位置しており、新規薬局開設登録処分の前後にわたり当該医療機関が発行した処方箋に基づく調剤実績が数回存在しました。
したがって、大法院は「原告らは当該処分により調剤機会を一部でも喪失するおそれが十分にある」と判断し、原告適格を認めました。
結局、原審の判断は「法律上保護される利益」の概念を過度に狭く解釈した違法があるとして、破棄差戻ししました。
本判決の意義
1. 原告適格法理の拡張
大法院は「直接的な被害が現実化していなくても、法律が保護する公正競争利益が侵害されるおそれがあれば原告適格がある」と判示することで、薬事法の領域における第三者の原告適格の幅を広げました。
2. 薬局開設の行政実務に重大な基準を提示
保健所などの行政庁が薬局開設登録を検討する際、距離基準のみをみるのではなく、医療機関との構造的関連性、競争構図、患者のアクセス性まで併せて考慮しなければならないという点を明確にしました。
3. 既存薬局の権利保護の強化
近隣の新規薬局により調剤売上が一部でも侵害される可能性があれば、既存薬局も行政訴訟を提起する権限を有するという先例を確立しました。
4. 薬事法 | 法務法人大倫の戦略
薬事法など本件と類似する状況において、法務法人大倫は次のような戦略で対応します。
▶行政訴訟段階の戦略
当該医療機関の処方箋の調剤内訳、調剤実績、患者のアクセス経路などを客観的資料として提出
新規薬局の開設以降の調剤件数の変化、処方箋発行統計などを対比分析
· 場所的関連性の立証
建物の平面図、廊下・エレベーター・通路などの施設構造を写真・図面で提示し、薬事法違反事項を具体的に証明
▶行政庁対応の戦略
· 医療機関と同一建物内に入居する薬局の登録申請時に、談合・経済的従属の可能性を評価する基準表を整備
▶薬剤師及び薬局運営者への助言
既存薬局は調剤実績及び処方箋の流入経路を定期的に記録・保存し、今後の訴訟時に原告適格の根拠として活用できるよう管理
本判例は、薬局間の営業権紛争を超えて、薬事法の公正取引的側面を強化した判決とみることができます。
今後、行政庁の薬局開設登録処分の際には、医療機関と薬局の独立性の確保の有無が重要な判断基準として作用する見通しです。
法務法人大倫は、薬剤師資格を保有する医療専門弁護士、行政訴訟の経験が豊富な行政専門弁護士、公正取引専門弁護士、証拠調査センター、デジタルフォレンジックセンターなど関連する法律専門家が協業し、事件に合わせた法律サービスを提供します。
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