刑事 05Criminal Mediation & Settlement (Suspect)
刑事調停・示談の手続
自分が被疑者であるときに被害者と示談する方法と、公訴庁の刑事調停委員会を通じて示談する手続をまとめました。裁判所は拘束するかどうかを決める際、被害者に危害が及ぶおそれを考慮します。そのため、連絡方法は慎重に選びます。
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手続の流れ図
ボックスをクリックすると、下に説明が表示されます。
- 基本段階
- 追加措置・選択
- 棄却・異議
- 手続終了
示談の可否・示談金の算定
親告罪・反意思不罰罪かどうかによって示談の効果が異なるため、まず罪名を確認し、実際の損害・慰謝料と支払能力を検討して示談金の範囲を決めます。
次へ: 示談の提案説明
まず、自分の事件が示談で終わりうる罪かどうかを確認します。単純暴行・脅迫のような反意思不罰罪(被害者が処罰を望まなければ処罰できない罪)と、侮辱のような親告罪(告訴がなければ処罰されない罪)がこれにあたり、それ以外の罪は示談しても処罰が続きます。罪の種類によって示談の効果が異なるからです。次に、被害者の治療費と損害、似た事件の示談金の水準、自分が実際に支払えるお金を検討して示談金の範囲を決めます。
- 所要期間
- 示談交渉と刑事調停にかかる期間は事件によって異なります
- 費用
- 刑事調停の当事者が支払う費用は法令に定められていません。示談金と、弁護人を選任すれば選任費用がかかります
手続の進行案内
最初から順番にお読みください。赤い文字は法律で定められた期限です。
- 1
まず、自分の事件がどの種類かを確認します。親告罪(被害者の告訴がなければ処罰されない罪)や反意思不罰罪(被害者が処罰を望まなければ処罰できない罪)なのか、それ以外の犯罪なのかによって、示談の効果が異なります。次に、被害者の治療費・修理費などの実際の損害、精神的被害、似た事件の示談の水準、自分が支払える金額を検討して示談金の範囲を決めます。
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告訴状などを閲覧・謄写しても、被害者の連絡先などの個人情報は除かれます(捜査準則第69条第3項)。弁護人を通じるか、担当の捜査官・検事室に示談したいという意思を伝えてもらうよう頼みます。被害者には応じる義務がないため、謝罪文と示談の条件は書面にまとめて伝えます。裁判所は拘束するかどうかを決める際に被害者に危害が及ぶおそれを考慮するため(刑事訴訟法第70条第2項)、被害者を直接訪ねたり、繰り返し連絡したりしません。
- 3
事件が検事に送られた(送致)後、担当の検事室に刑事調停申立書を提出するか、取調べのときに調停を希望すると伝えます。公訴庁の検事(従来の検察)が被害回復が可能だと判断すれば、刑事調停委員会に回付します(犯罪被害者保護法第41条)。被害者が同意しなければ調停は開かれないため、起訴された後は刑事供託もあわせて検討します。刑事調停は、検事が公訴を提起するかどうかを決める前に回付する手続です。
- 4
刑事調停委員会が調停期日(調停が開かれる日)と場所を知らせます。その前に、支払える示談金、支払いの方法と時期、謝罪の方法を整理し、示談書の草案を準備します。検事は刑事調停の結果を考慮して事件を処理できるため(犯罪被害者保護法第45条第4項)、守れる条件だけを決めます。
- 5
調停期日に出席し、調停委員の前で謝罪して示談の条件を述べます。弁護人が同席できるか、被害者と別々に進められるかは、刑事調停委員会に前もって確認します。調停期日は開かれるたびに通知されます(施行令第51条)。調停が成立しなかったことを検事が不利に考慮することはできませんが(犯罪被害者保護法第45条第4項)、法令には調停での発言を証拠として使えないようにする規定がなく、調停の過程は書面にまとめられて検事に送られるため、発言には慎重である必要があります(第45条第1項・第3項)。
- 6
示談が成立したら、調停調書または示談書に、示談金、支払時期、処罰を望まないかどうか、民事でこれ以上請求しない範囲を書きます。示談金を口座振込で送った後、処罰不願書(処罰を望まないという書面)を受け取ります。親告罪・反意思不罰罪は、第1審判決の宣告前までに処罰不願書が提出されれば事件が終わります(刑事訴訟法第232条)。示談が成立しないか、被害者が最後まで拒否すれば、起訴された後に刑事供託(供託法第5条の2)を検討します。
現在の段階 - 7
示談書・処罰不願書を、捜査段階であれば担当の検事室に、起訴された後であれば裁判部に提出します。検事は犯行後の情状などを参酌して公訴を提起しないことができ(刑事訴訟法第247条)、裁判部は刑を決める際にこれを参酌します(刑法第51条)。約束した支払いは必ず守ります。
これから守るべき期限
この手続には法定期限がありません。
準備・確認事項
- 示談の効果が変わるため、自分の事件が親告罪・反意思不罰罪かどうかを確認します。
- 守れる約束だけをするよう、被害の規模と自分が支払える示談金の範囲を検討します。
- 弁護人や捜査官を通じて伝える示談の提案書と謝罪文を準備します。
- 刑事調停は検事が回付する手続のため、送致された後に担当の検事室に刑事調停を申し立てます。
- 調停期日の通知書の日付・場所を確認して出席します。
- 支払いの記録が残るよう示談金を口座振込した後、処罰不願書を受け取って提出します。
弁護士が必要なとき
次のような場合は、示談を持ちかける前に弁護士の助けが必要です。 被害者の連絡先がわからない場合、示談金をいくらにすべきか決めにくい場合です。
示談書・処罰不願書の文言を確認する必要がある場合も同様です。
裁判所は拘束するかどうかを決める際、被害者に危害が及ぶおそれを考慮します。 そのため、連絡は弁護人を通じて行います。

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第6段階 · 示談書・処罰不願書の受領
今すべきこと
示談が成立したら、示談金、支払日、処罰を望まないかどうか、民事でこれ以上請求しないかどうかを書いた示談書を作成します。
お金を口座に送って記録を残した後、「処罰を望まない」という書類(処罰不願書)を受け取ります。 単純暴行のような反意思不罰罪は第1審判決の前にこの書類が提出されれば、侮辱のような親告罪は第1審判決の前に告訴を取り消せば、事件が終わります。
- 支払いの記録が残るよう示談金を口座振込した後、処罰不願書を受け取って提出します。
次に起こること
第7段階 · 処分・量刑への反映
示談書と処罰不願書を、捜査中であれば検事室に、裁判中であれば裁判部に提出します。 検事は犯行後の情状などを参酌して起訴しないことができます。
裁判官は刑を決める際にこれを参酌します。 支払いは約束どおりに守ります。
これから守るべき期限
以降の段階に法定期限はありません。
弁護士に依頼すべきとき
次のような場合は、示談を持ちかける前に弁護士の助けが必要です。 被害者の連絡先がわからない場合、示談金をいくらにすべきか決めにくい場合です。
示談書・処罰不願書の文言を確認する必要がある場合も同様です。
裁判所は拘束するかどうかを決める際、被害者に危害が及ぶおそれを考慮します。 そのため、連絡は弁護人を通じて行います。
よくある質問
この手続ですぐに気になる実務上の質問です。
- Q被害者の連絡先を知らないのですが、どうやって示談を持ちかければよいですか?
- 捜査機関を通じて意思を伝えます。捜査機関は被害者の連絡先を教えないからです。担当の捜査官や検事室に示談したいという意思を伝えてもらうよう頼むか、弁護人から被害者側に連絡してもらいます。被害者が応じなければ刑事調停を申し立てるか、起訴された後は刑事供託を検討します。
- Q刑事調停はどこで開かれ、費用はかかりますか?
- 事件を担当する地方公訴庁または支庁に置かれた刑事調停委員会で開かれます。刑事調停委員は、法的知識などの専門性と人望を備えた人の中から、地方公訴庁長・支庁長があらかじめ委嘱します。委員会は2名以上の委員で構成されます。当事者が支払う費用は法令に定められていません。調停の場所と時間は期日の通知で知らされます。そのため、日程を調整する必要があれば前もって連絡します。
- Q刑事調停はどのように申し立てますか?
- 担当の検事室に刑事調停申立書を提出するか、取調べのときに口頭で調停を希望すると伝えればよいです。被害者が同意しなければ開かれません。刑事調停は、検事が公訴を提起するかどうかを決める前に回付する手続です。そのため、事件が検事に送られた(送致)後に申し立てます。被害者が同意しないときは、起訴された後の刑事供託もあわせて検討します。
- Q示談金はいくらが適正ですか?
- 決まった基準はありません。被害者の治療費・修理費などの実際の損害、働けなかった期間の収入、慰謝料(精神的被害に対する賠償)を合算します。そして、似た事件の示談の水準を参考にして決めます。検事は刑事調停の結果を考慮して事件を処理できます。そのため、実際に支払える範囲で決めます。
- Q調停で話したことが、後で裁判で不利に使われますか?
- 調停が成立しなかったこと自体を、被疑者に不利に考慮することはできません。ただし、法令には調停の過程で話したことを証拠として使えないようにする規定がありません。刑事調停委員会は調停の過程を書面にまとめて検事に送ります。そのため、嫌疑を争う事件であれば、調停での発言も慎重にする必要があります。
- Q示談書と処罰不願書(処罰を望まない旨の書面)はどこに出しますか?
- 捜査中であれば担当の捜査官または検事室に、起訴された後であれば裁判部に提出します。事件番号、双方の氏名、示談金と支払日、処罰を望まないという意思を書き、被害者が署名します。一緒に提出する書類は提出先に確認します。示談金は口座振込で送り、記録を残します。
弁護士が必要なとき
- 被害者の連絡先を知るために、知人を通じて接触しないでください。裁判所は拘束するかどうかを決める際に被害者に危害が及ぶおそれを考慮するため(刑事訴訟法第70条第2項)、連絡は弁護人または捜査機関を通じてのみ行います。
- 示談金は口座振込で支払って記録を残し、処罰不願書は支払った後すぐに受け取っておきます。犯罪被害者保護法には、刑事調停の結果に民事上の執行力(お金を強制的に回収できる効力)を与える規定がないため、支払時期を明確に書きます。
- 検事は刑事調停の結果を考慮して事件を処理できます(犯罪被害者保護法第45条第4項)。そのため、示談金は実際に支払える範囲で決めます。
関連法令
- 犯罪被害者保護法第41条〜第46条(刑事調停)
- 刑事訴訟法第232条(告訴の取消し・処罰不願)
- 供託法第5条の2(刑事供託)

