民事 05Objecting to a Payment Order or Recommendation of Performance
支払命令・履行勧告決定を受け取った場合の手続
裁判所から「お金を返しなさい」という支払命令や履行勧告決定書を受け取ったときにたどる手続です。2週間以内に異議を出し、裁判で争う流れを説明します。この期限を過ぎると、金額が違っていてもそのまま確定するので、受け取った日から急ぐ必要があります。
今、どの段階ですか?
現在の段階を選ぶと、その段階の内容が下に表示されます。
手続の流れ図
ボックスをクリックすると、下に説明が表示されます。
- 基本段階
- 追加措置・選択
- 棄却・異議
- 手続終了
正本・決定書の受領
裁判所から支払命令の正本または履行勧告決定書の謄本を郵便で受け取ります。受け取った日付が2週間の期限の基準なので受領日を記録し、書類に書かれた債権者・請求金額・請求の原因を確認します。支払命令と履行勧告決定は、公示送達では送達できません(民事訴訟法第466条第2項、少額事件審判法第5条の3第3項)。
次へ: 認めるかどうかの決定説明
裁判所から「いくら支払いなさい」という命令書や決定書が郵便で届きます。受け取った日付を書き留め、誰がいくらを、なぜ求めているのかを確認します。受け取った日が異議の期限の基準になるからです。支払命令と履行勧告決定は、裁判所の掲示板に掲示する方式(公示送達)では送れません。
- 所要期間
- 異議申立て後、訴訟への移行と判決までにかかる期間は事件ごとに異なるため、進行状況は事件を担当する裁判所に確認します
- 費用
- 異議申立て自体は無料。訴訟への移行時の印紙代の差額は債権者負担。答弁書・出席の費用と弁護士報酬
手続の進行案内
最初から順番にお読みください。赤い文字は法律で定められた期限です。
- 1
裁判所から支払命令の正本、または少額事件の履行勧告決定書の謄本を受け取ります。受け取った日が2週間の期限の基準なので、受け取った日付を書き留め、債権者・請求金額・請求の原因を確認します。支払命令と履行勧告決定は、公示送達(裁判所での掲示で送達に代える方式)では送れません(民事訴訟法第466条第2項、少額事件審判法第5条の3第3項)。
- 2
請求が正当なら支払うか、債権者と分割弁済(分けて支払うこと)を合意します。金額が違う場合、すでに支払った場合、一部だけ認める場合は、異議申立てを準備します。全部認める場合でも、支払う能力がなければ確定後に強制執行が来るので、合意が必要です。
- 3
正本または決定書を受け取った日から2週間以内に、その裁判所に異議申立書を出します(民事訴訟法第470条、第472条、少額事件審判法第5条の4)。「異議がある」という趣旨だけを書いても足り、印紙(手数料)は貼らず、電子訴訟でも出せます。2週間を過ぎると確定判決と同じ効力が生じ、執行文なしに預金・給与が差し押さえられることがあります(少額事件審判法第5条の7)。その後は、請求異議の訴えでしか争えません。
- 4
異議を申し立てると支払命令は効力を失い、支払命令を申し立てた時に訴えが提起されたものとみなされ、通常の民事訴訟に移ります(民事訴訟法第472条)。債権者が印紙代の差額を納めると、事件番号が変わります。納めなかったり訴えを取り下げたりすれば、事件は終わります。履行勧告決定は、異議申立てがあればすぐに弁論期日が指定されます。
- 5
訴訟に移ると、裁判所が案内を送ります。案内に書かれた期限内に答弁書を出します。すでに支払っていれば入金記録を、一部だけ認めるなら計算の根拠を、消滅時効が過ぎていれば取引時点の資料を出します。少額事件は1回の弁論が原則なので、最初の期日の前にすべての証拠を準備します。
- 6
弁論期日に双方が主張と証拠を出し、裁判所が調停(合意)を勧めることもあります。少額事件では、配偶者・直系血族・兄弟姉妹が弁護士なしで代わりに出席できます。合意ができれば調停調書で終わり、分割弁済の条件を入れることもできます。調停調書は確定判決と同じ効力があり、条件を守らなければ強制執行が来ることがあります。
現在の段階 - 7
弁論を終えると判決を言い渡します。判決書を受け取った日から2週間以内に控訴できます(民事訴訟法第396条)。少額事件の上告(大法院の裁判)は、法令が憲法・法律に違反するかどうかについての判断が不当な場合や、大法院の判例と相反する場合に理由が限られます(少額事件審判法第3条)。2週間以内に控訴しなければ確定し、債権者が強制執行できます。
これから守るべき期限
- 2週間第3段階 異議申立書の提出
- 答弁書の期限(裁判所の案内)第5段階 答弁書・証拠の提出
- 控訴2週間第7段階 判決の言渡し・控訴
準備・確認事項
- 正本・決定書を受け取った日付を記録し、2週間となる日付を計算しておきます。過ぎるとそのまま確定します。
- 請求金額・請求の原因を確認し、すでに支払った入金記録と、一部認める金額を計算します。異議申立書と答弁書に書く根拠になります。
- 受け取った日から2週間以内に異議申立書を出します(理由は後で補うことができます)。「異議がある」という趣旨だけを書いても構いません。
- 訴訟に移ったら、裁判所の案内に従い期限内に答弁書を出します。主張と証拠を出さなければ、負けることがあります。
- 少額事件では、最初の弁論期日の前に証拠・証人をすべて準備します。弁論(法廷で主張を述べる手続)は1回が原則です。
- 判決書を受け取った日から2週間以内に、控訴するかどうかを決めます。期限が過ぎると判決が確定します。
弁護士が必要なとき
次のような場合は、すぐに弁護士の助けが必要です。 2週間の期限が目前に迫っている場合です。 すでに支払った、または消滅時効(権利を行使できる期間)が過ぎたと争いたい場合も同じです。
2週間を過ぎて確定した後に、請求異議の訴えを検討する必要がある場合も同様です。 確定後は別の訴訟を起こし、執行停止まで受ける必要があるので、時間と費用がはるかにかかるからです。

現在の位置(6/7)
第6段階 · 弁論期日・調停
今すべきこと
法廷で双方が主張と証拠を出し、裁判所が合意を勧めることもあります。 少額事件では、配偶者や父母・子・兄弟が弁護士なしで代わりに出席できます。
合意すれば分けて支払う条件も入れられるので、すぐに支払うのが難しい場合に役立ちます。
次に起こること
第7段階 · 判決の言渡し・控訴
裁判が終わると判決が出ます。 判決文を受け取った日から2週間以内に控訴(上級の裁判所に改めて裁判を求めること)できます。 2週間が過ぎると確定し、相手方が強制執行できます。
これから守るべき期限
- 控訴2週間第7段階 判決の言渡し・控訴
根拠: 民事訴訟法第396条
弁護士に依頼すべきとき
次のような場合は、すぐに弁護士の助けが必要です。 2週間の期限が目前に迫っている場合です。 すでに支払った、または消滅時効(権利を行使できる期間)が過ぎたと争いたい場合も同じです。
2週間を過ぎて確定した後に、請求異議の訴えを検討する必要がある場合も同様です。 確定後は別の訴訟を起こし、執行停止まで受ける必要があるので、時間と費用がはるかにかかるからです。
よくある質問
この手続ですぐに気になる実務上の質問です。
- Q異議申立書はどこに出し、書式はありますか?インターネットでもできますか?
- 支払命令や履行勧告決定を送ってきた裁判所に出します。書式は電子訴訟サイトや裁判所の民願室にあり、事件番号と「異議を申し立てます」という趣旨だけを書いても構いません。インターネットでも可能です。電子訴訟サイトに利用者登録をすれば、自宅から出せます。
- Q異議を申し立てるとお金がかかりますか?
- 異議申立て自体には印紙代(裁判所の手数料)はかかりません。異議の後に訴訟に移ると、訴訟の印紙代との差額は債権者が納め、債務者には答弁書の提出と出席の費用だけがかかります。ただし、裁判で負けると訴訟費用の一部を負担することがあります。
- Q一部だけ認める場合も異議を出す必要がありますか?
- はい、必要です。異議を出さなければ、書かれた金額の全部が確定します。異議申立書や答弁書に、認める金額と争う金額を分けて書き、計算の根拠を添えれば足ります。認める部分を先に支払い、その入金記録を証拠として出すのも一つの方法です。
- Qすでに全額支払ったお金なのに、支払命令が来ました。どうすればよいですか?
- 受け取った日から2週間以内に異議を申し立て、入金記録・領収書を答弁書に添えます。2週間を過ぎて確定すると、「すでに支払った」という事由は、請求異議の訴え(執行を止めるために起こす別の訴訟)で争わなければなりません。その間に差押えが来ることがあります。支払った証拠がはっきりしていても、異議の期限は必ず守ってください。
- Q2週間が過ぎてしまいました。方法はありませんか?
- 支払命令・履行勧告決定が確定しているので、異議申立てではもう争えません。残る方法は、請求異議の訴えを起こしながら強制執行停止(執行を止めること)を申し立てることです。支払命令・履行勧告決定に対する請求異議の訴えでは、確定前に生じた事由(すでに支払ったことなど)も主張できます。確定判決とは異なる点です。ただし、訴訟を別に起こす必要があり、その間に執行が進むことがあります。そのため、すぐに弁護士に相談するのがよいでしょう。本人の落ち度なく書類を受け取れず、期限を逃した場合もあります。その場合は、その事由がなくなった日から2週間以内に、追完の異議(期限が過ぎた後に遅れて出す異議)を出せます。本人に落ち度がなかったかどうかは、裁判所が判断します。
- Q弁護士なしで一人でできますか?
- 異議申立ては1行だけ書いても足りるので、一人でできます。その後の訴訟で、すでに支払ったことや金額が違うことを証拠で示すことも、資料がはっきりしていれば一人で可能です。少額事件では、家族が代わりに出席することもできます。ただし、消滅時効や契約の解釈を争う必要があれば、弁護士の助けを受けるのが安全です。
弁護士が必要なとき
- 2週間の期限は「受け取った日」から数えます。2週間が過ぎると、金額が違っていてもそのまま確定します。
- 異議申立ては借金を否認するものではなく、「裁判で争う」という意思表示です。ですから、一部だけ認める場合やすでに支払った場合でも、まず異議を出します。
- 異議の後に訴訟に移り、債権者の請求が認められた場合は、訴訟費用の一部を負担することがあります。
- 確定した後でも、請求異議の訴えで確定前の事由(すでに支払ったことなど)を主張することはできますが(民事執行法第58条第3項)、訴訟を別に起こし、強制執行停止まで受ける必要があるので、時間と費用がさらにかかります。そのため、2週間以内に異議を出すほうがはるかに有利です。
関連法令
- 民事訴訟法第470条(支払命令に対する異議申立ての効力)、第472条(訴訟への移行)、第256条(答弁書の提出)、第396条(控訴期間2週間)
- 少額事件審判法第5条の3(履行勧告決定)、第5条の4(異議申立て)、第5条の7(履行勧告決定の効力)

