労働・産業安全 03Labor Inspection
勤労監督への対応手続
雇用労働部から勤労監督を実施するという通報を受けたとき、または勤労監督官が事業場を訪れたときの手続です。監督対象の選定と通報、資料提出、現場調査、是正指示(違反を直すよう求める指示)、是正結果の報告までを扱います。違反が残る場合や重大な場合の司法処理・過料についても説明します。定期・随時・特別監督では、事前通報の有無と是正の機会が異なります。そのため、どの監督なのかをまず確認します。
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手続の流れ図
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- 基本段階
- 追加措置・選択
- 棄却・異議
- 手続終了
監督対象の選定(定期・随時・特別)
根拠: 勤労監督官執務規程第12条・第13条第4項
事業場監督は、定期監督(事業場勤労監督総合(細部)施行計画に基づく監督)、随時監督(動向・情報提供・報道、勤労監督の請願、申告事件の処理中に判明した多数の労働者に対する違反の可能性などに基づく監督)、特別監督(重大な違反により労使紛争が発生し、または多数の被害者が発生するなど監督の必要性が相当な事業場について、違反事実を捜査するための監督)、再監督(最近3年以内に監督を受けた後に申告事件が受け付けられた事業場に対する監督)に区分されます(勤労監督官執務規程第12条)。監督総合計画は、翌年1月31日までに地方官署長に通報されます(第13条第4項)。
次へ: 監督計画の通報(定期監督)説明
雇用労働部は、3つの方式で監督対象を決めます。定期監督は、年間の監督総合計画に基づきます。随時監督は、動向・情報提供・報道や勤労監督の請願、申告事件の処理中に多数の労働者への違反の可能性が見られた場合に行います。特別監督は、重大な違反により労使紛争や多数の被害が生じた(または生じるおそれがある)事業場が対象です。監督を受けた後3年以内に申告事件が受け付けられると、再監督を行うこともあります。特別監督は違反事実を捜査するための監督であり、他の監督とは対応の仕方が異なります。そのため、通報や訪問を受けたら、どの監督なのかをまず確認します。
- 所要期間
- 定期監督は監督日の10日前に通報、是正は是正指示書で定めた期間内に行う。司法処理に移ると捜査・裁判の期間が加わる
- 費用
- 勤労基準法には勤労監督にかかる手数料の規定はない。公認労務士・弁護士の費用は別途。違反時の過料・罰金は違反した条項によって異なる
手続の進行案内
最初から順番にお読みください。赤い文字は法律で定められた期限です。
- 1
勤労監督は定期・随時・特別・再監督に分かれます(勤労監督官執務規程第12条)。特別監督は違反事実を捜査するための監督であり、違法が確認されると是正の機会なしに犯罪認知・過料に進むことがあるため(第21条第1項第2号)、どの監督なのかをまず確認します。
- 2
定期監督は監督日の10日前に書面で通報され、要請すれば10日の範囲で日程を調整できます(第17条)。随時・特別監督には事前通報の規定がありません。
- 3
勤労監督官の要求があれば、遅滞なく必要な事項を報告し、または出頭しなければなりません(勤労基準法第13条)。提出期限は報告要求書の報告期限に記載されるため(執務規程第9条第1項・第18条第3項)、日付を確認し、提出した資料はコピーと目録を残します。
- 4
監督官は勤労監督官証・現場調査指令書を提示しなければなりません(第102条第3項・第4項)。点検対象期間は、定期・随時が1年、特別が3年です(執務規程第14条第2項)。
- 5
監督点検表に署名する前に、違反事項と事実関係を確認します(執務規程第19条第6項・第8項)。点検表が是正指示と司法処理の判断の根拠になるからです。
- 6
違反事項については是正指示書が発付され、事業場に掲示されます(第21条第2項)。是正期限は、別表3・4の措置基準に従い項目ごとに定められます(例:賃金未払いは14日以内、年次休暇の未付与は25日以内)。
現在の段階 - 7
是正指示書で定めた期間内に是正し、結果を報告します(第22条)。延長は同じ期間内に要請しなければならず、第1次是正期間の範囲でのみ認められます(第21条第4項・第5項)。
- 8
是正されない場合や直ちに犯罪認知する事由がある場合は、犯罪認知または過料につながります(第21条第1項・別表3)。過料は賦課通知後60日以内に異議を申し立てることができ、異議があれば行政庁が14日以内に裁判所に通報します(秩序違反行為規制法第20条・第21条)。
これから守るべき期限
- 監督日の10日前第2段階 定期監督の通報
- 報告要求書の報告期限第3段階 資料の提出
- 3日第5段階 監督結果の報告(内部)
- 項目ごとの是正期限(別表3・4)第6段階 是正指示
- 是正指示書で定めた期間内第7段階 是正結果の報告・延長の要請
- 60日第8段階 過料への異議申立て
準備・確認事項
- 通報書や現場調査指令書で、定期・随時・特別監督のどれなのかを確認します。監督の種類によって、是正の機会と点検期間が変わるからです。
- 通報を受けたら担当者を決め、日程調整が必要ならすぐに要請します。調整は10日の範囲でのみ可能です。
- 労働契約書・賃金台帳・労働時間の記録をありのまま整理し、提出目録を残します。提出資料が現場調査の基準になります。
- 監督点検表の違反項目と金額を確認してから署名します。署名した内容がその後の措置の根拠になります。
- 是正項目ごとに担当者と日程を決め、証憑とともに結果を報告します。確認監督で実際に履行したかを改めて見るからです。
- 過料の賦課通知を受けた日付を記録し、60日以内に異議を申し立てるかを決めます。期限を過ぎると争えません。
弁護士が必要なとき
次のような場合は弁護士の助けが必要です。 特別監督の対象になった場合や監督中に特別監督に切り替わった場合、賃金未払いなど違反金額が大きい場合です。
3年以内に同じ違反で再び摘発された場合、犯罪認知により勤労監督官の捜査が始まった場合も同様です。
こうした場合は、是正の機会なしに犯罪認知や過料に進むことがあります。 また、勤労監督官が司法警察官として捜査も担うからです。

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第6段階 · 是正指示書の発付
今すべきこと
違反事項があれば、監督官が監督結果の報告後直ちに是正指示書を発付し、事業場に掲示させます。 是正指示書には、違反条項、直すべき内容と是正期限が記載されています。
是正期限は、違反項目ごとの措置基準に従って定められます。 たとえば、賃金未払いは14日以内(単純な計算ミスは25日以内)です。
年次休暇の未付与は25日以内、延長労働の上限違反は3か月以内です。 強制労働・暴行のように直ちに犯罪認知する項目もあります。
措置基準上の期限内に是正すれば、内偵終結(捜査なしで終わること)となります。 そのため、項目ごとに担当者と日程を決めます。
次に起こること
第7段階 · 是正結果の報告・確認監督
是正指示書に記載された期限内に違反事項を直し、結果を報告します。 監督官はまず書類で確認します。
書類で確認できなければ、現場に来て直接確認します(確認監督)。 やむを得ない理由で期限内に直すことが難しければ、その期間内に延長を求めることができます。
延長は第1次是正期間の範囲で認められることがあります。 監督官が書類や現地確認で是正の有無を確認するため、証憑(支払記録・変更された契約書など)もあわせて提出します。
これから守るべき期限
- 項目ごとの是正期限(別表3・4)第6段階 是正指示
根拠: 勤労監督官執務規程第21条第1項・第2項、別表3・4
- 是正指示書で定めた期間内第7段階 是正結果の報告・延長の要請
根拠: 勤労監督官執務規程第21条第4項・第5項・第22条
- 60日第8段階 過料への異議申立て
根拠: 勤労監督官執務規程第21条第1項・別表3、勤労基準法第102条第5項、司法警察官吏の職務を行う者及びその職務範囲に関する法律第6条の2第1項
弁護士に依頼すべきとき
次のような場合は弁護士の助けが必要です。 特別監督の対象になった場合や監督中に特別監督に切り替わった場合、賃金未払いなど違反金額が大きい場合です。
3年以内に同じ違反で再び摘発された場合、犯罪認知により勤労監督官の捜査が始まった場合も同様です。
こうした場合は、是正の機会なしに犯罪認知や過料に進むことがあります。 また、勤労監督官が司法警察官として捜査も担うからです。
よくある質問
この手続ですぐに気になる実務上の質問です。
- Q監督の日程を延ばすことはできますか?
- 定期監督は監督日の10日前に通報されます。事業場が要請すれば、10日の範囲で日程を調整できます。随時・特別監督には、事前通報と日程調整の規定がありません。そのため、定期監督の通報を受けたら、日程調整が必要かをすぐに検討します。
- Q定期監督と特別監督は何が違いますか?
- 定期監督は年間計画に基づき、事前通報の後に実施します。違反があれば、多くの項目で是正期間が与えられます。特別監督は、重大な違反により労使紛争や多数の被害が生じた事業場などが対象です。違反事実を捜査するための監督なので、違法が確認されると是正の機会なしに犯罪認知または過料で処理されます。点検対象期間も、原則として定期は1年、特別は3年と異なります。
- Q是正指示を受けたら、どうすればよいですか?
- 是正指示書に記載された期間内に直し、結果を報告します。やむを得ない理由で期間内に終えることが難しい場合は、その期間内に延長を求めることができます。延長は第1次是正期間の範囲でのみ認められます。期限を過ぎると、犯罪認知や過料につながることがあります。
- Q是正指示が不当なら、行政審判や訴訟で争えますか?
- 勤労基準法と勤労監督官執務規程には、是正指示(違反を直すよう求める指示)に対する不服申立て手続が別に定められていません。監督の段階で、事実関係と法解釈に関する意見と資料を監督官に提出します。監督点検表に同意できなければ署名を拒否でき、その理由が記録されます。行政審判(行政機関で処分を争う手続)・訴訟で争うかどうかは、弁護士と一緒に決めます。
- Q過料が科されましたが、争うことはできますか?
- はい、できます。事前通知の際、10日以上の期間内に意見を出すことができます。賦課通知を受けた日から60日以内に、書面で異議を申し立てることもできます。異議を申し立てると、賦課処分は効力を失います。そして、行政庁が14日以内に裁判所に通報し、過料裁判に移ります。
弁護士が必要なとき
- 監督実施日を基準に、最近3年間の勤労監督の結果と同じ事項に再び違反すると、是正の機会なしに直ちに犯罪認知または過料の対象となります(勤労監督官執務規程第21条第1項第3号)。そのため、一度是正した項目は、その後も継続して管理しなければなりません。
- 勤労監督官は、労働関係法違反の罪について司法警察官の職務を行います(勤労基準法第102条第5項)。そのため、監督中であっても事実どおり正確に答えます。
- 監督の日程・点検期間・是正手続は、主に雇用労働部の訓令である勤労監督官執務規程(2024-07-01施行版基準)で定められています。また、2026-12-08から勤労基準法第102条(勤労監督官の権限)が削除され、その内容が「労働監督官職務執行法」に移り、名称も「労働監督官」に変わります。そのため、監督の時点で根拠規定を改めて確認する必要があります。
関連法令
- 勤労基準法第13条(報告・出頭の義務)・第101条〜第105条(勤労監督官)・第116条(過料)
- 勤労監督官執務規程第9条・第12条〜第14条・第17条〜第22条・第25条、別表3・4(違反事項の措置基準)
- 秩序違反行為規制法第16条・第20条・第21条、司法警察官吏の職務を行う者及びその職務範囲に関する法律第6条の2、刑事訴訟法第245条の10、公訴庁法第4条

