CONTENTS
- 1. 最低賃金法の適用の有無が問題となった事件

- - 第1審の判断
- - 最低賃金法に関する第2審の判断
- 2. 最低賃金法に関する大法院の判断

- - 1人1車制の所定労働時間(1.5時間)合意の無効の可能性
- - 最低賃金の支払対象となる時間の範囲
- 3. 最低賃金法に関する今回の判決の意義

- - 大倫の戦略
1. 最低賃金法の適用の有無が問題となった事件
最低賃金法の強行規定を回避するために使用者が形式上の労働時間を縮小した場合、その合意が有効かどうかが争点となった事件でした。
被告会社はタクシー運転労働者と労働契約を締結し、運送収入金のうち一定額を社納金として納付させたうえで固定給を支給する仕組みで運営していました。
2017年以降新たに導入された1人1車制の勤務形態について、会社は1日の所定労働時間を1.5時間に設定しました。
これに対し労働者らは「実際の労働時間ははるかに長いのに、これほど短く定めたのは最低賃金の未達を隠すための手段だ」として、賃金の差額を請求しました。
争点は「この1.5時間の設定が有効な合意なのか、それとも最低賃金法第6条第5項の特例条項を潜脱する無効の合意なのか」でした。
第1審の判断
第1審は原告である労働者らの請求の一部を認容しましたが、一部の原告(特に原告8)は敗訴または一部勝訴にとどまりました。
第1審の裁判部は「1人1車制の所定労働時間の設定がやや短いとしても、法的に無効と断定することは難しい」と判断しました。
ただし、一部の勤務期間について最低賃金の未達の事実は認めました。
最低賃金法に関する第2審の判断
第2審の裁判部(大邱高等法院)は次のように判断しました。
1人1車制(1.5時間)の設定は有効であると判断しました。
特例の施行以降、新たな勤務形態を初めて定めたものであるため、「短縮合意」とはみなせないと判断しました。
ただし、隔日制の短縮合意(3時間の設定)は最低賃金回避の目的があるとして無効と判断しました。
これにより、最低賃金の算定にあたり1日16時間の全部、および月の満勤日13日を超える分まで含めて未達額を計算しました。
結局、原審は一部の労働者らの請求を認め、残りは棄却しました。
2. 最低賃金法に関する大法院の判断

大法院は原審の判断を一部破棄し、事件を大邱高等法院に差し戻しました。
1人1車制の所定労働時間(1.5時間)合意の無効の可能性
大法院は「たとえ新たな勤務形態であっても、所定労働時間1.5時間は現実の労働と著しく一致せず、最低賃金法の回避目的があったのであれば無効である」と判断しました。
これは最低賃金法の強行規定を潜脱する脱法行為であり、裁判所は労働関係の当事者の意思を補充して有効な所定労働時間を確定しなければならないと判断しました。
また、亀尾市近隣のタクシー会社の労働形態(2交代6時間40分以上)を考慮すると、被告会社の1.5時間の設定は明らかに不合理であると指摘しました。
最低賃金の支払対象となる時間の範囲
大法院は1日8時間、週40時間の基準を超える労働時間、および月の所定労働日(13日)を超える日の労働時間は、原則として最低賃金の算定対象から除外されると判断しました。
したがって、原審が1日16時間の全体を計算の基準としたことは法理の誤解であると判断しました。
これにより、原告8の上告は却下され、一部の原告らの請求(1人1車制の勤務期間に関するもの)は理由があるとして破棄し、被告敗訴部分のうち最低賃金の算定に関する部分も破棄して、事件を大邱高等法院に差し戻しました。
3. 最低賃金法に関する今回の判決の意義
今回の判決は、次の点で重要な意味を持ちます。
· 最低賃金回避目的の労働時間設定は無効
所定労働時間が実際の労働と一致せず、最低賃金の特例条項を悪用した場合、裁判所がこれを脱法行為として無効と宣言できることを明示しました。
· 最低賃金算定基準の明確化
1日8時間、月の所定労働日13日を超える分を自動的に含めることはできないという判断により、隔日制・特例業種の賃金算定基準を具体化しました。
· 補充的解釈の実務基準の提示
裁判所が労働契約・団体協約の解釈にあたり、当事者の意思を補充して合理的な所定労働時間を確定できることを認めました。
大倫の戦略
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