CONTENTS
- 1. 相次ぐ青少年犯罪、その始まりはオンライン?

- - 事例1:ソウル公共自転車「タルンイ」個人情報流出事件
- - 事例2:大統領殺害脅迫文の投稿事件
- 2. なぜオンライン空間が青少年犯罪の出発点となるのか

- - プラットフォームの構造的特性と青少年の露出リスク
- 3. 李大統領、触法少年の年齢引下げを議題化…核心的争点とは

- - 「年齢を引き下げるべき」とする国内世論の形成
- 4. 海外動向分析:触法少年の年齢下限とオンライン規制

- - 触法少年の年齢基準、国別の差異と国際的潮流
- - 青少年オンライン規制の拡大、「環境統制」というもう一つの戦略
- 5. オンライン青少年犯罪、適用法律と処罰水準

- - 本事例で問題となった犯罪の処罰水準
- 6. 被害者補償のための戦略

- - 補償のための対応戦略
1. 相次ぐ青少年犯罪、その始まりはオンライン?
最近報道される青少年犯罪事例のうち相当数は、オンライン空間での接触や活動をきっかけに始まったものであることが判明している。
匿名性が保障されたコミュニティ、ゲームチャット、SNS、オープンチャットルーム等で初めて接触が行われ、軽い好奇心や見せびらかしが犯罪につながる事例が増加している。
特に一部の青少年は、自分が触法少年に該当することを認識し、刑事処罰が制限的であるとの誤った考えから犯行に及ぶ場合も少なくない。
結果として 青少年の犯罪行為により 個人情報数百万件が流出し、虚偽の脅迫により数千人の警察力が動員される等、社会的被害は極めて深刻な水準に達しているとの指摘が続いている。
今後紹介する事例も「オンラインで始まった犯罪」という共通点を有しており、それに対する対応の必要性が浮き彫りになっている状況である。
事例1:ソウル公共自転車「タルンイ」個人情報流出事件
ソウル市の公共自転車サービス「タルンイ」のサーバーから約462万件に上る利用者の個人情報が流出する事件が発生した。
本件の被疑者は独学でハッキング技術を習得した10代の青少年であり、犯行当時は中学生であった。SNSを通じて連絡を取り合い、ハッキングの脆弱性を共有して犯行を共謀したことが判明した。
彼らはオンラインを通じてハッキング情報に接し、サーバーの認証構造の脆弱性を利用してログイン手続なしに利用者情報にアクセスした。流出した情報には、ID、メールアドレス、携帯電話番号、住所、生年月日等多数の個人情報が含まれていたとされる。
当該青少年らは不拘束のまま送致され、サーバー管理主体のセキュリティ責任と管理懈怠の有無についても調査が並行している。
集団的被害が発生した以上、今後の補償範囲と責任主体に対する法的判断が重要な課題となる見通しである。
事例2:大統領殺害脅迫文の投稿事件
李在明大統領を凶器で危害するという内容の文章を119オンライン掲示板に投稿した10代の青少年らが検察に送致された。
当該青少年らもオンラインで知り合ったものであり、音声メッセンジャー「Discord」で出会い犯行を共謀したことが判明した。Discord内で起こしたトラブルの相手を困らせるため、相手の名前を盗用してこのような犯罪を行ったことが判明した。
彼らのうち一人は、忠南牙山のA高校、仁川のB高校の生徒に対しても殺害脅迫文を作成した情況が捜査段階で確認された。
また別の一人は、盆唐KT社屋や放送局、江南駅等6箇所を対象に爆破脅迫文を作成し、既に先月15日に警察に逆捕され現在起訴された状態である。
警察は脅迫および偶計による公務執行妨害の嫌疑を適用した。
彼らは実際の実行意図はなく、好奇心から行ったと供述したが、これにより警護体制が発動され警察力が投入されたことで行政的・社会的コストが発生したことが、嫌疑が適用された理由であった。
2. なぜオンライン空間が青少年犯罪の出発点となるのか

2つの事例の共通点は、犯罪の出発点がオンラインであるという点である。
デジタル空間が青少年犯罪の接点となる理由は以下のように推定できる。
第一に、匿名性である。
オンラインでは実名を明かさずに活動でき、相手方の実際の反応を直接目にしないため、行為の深刻さを実感しにくい。
そのため、危険な行動に対する心理的障壁が低くなる可能性がある。
第二に、共謀の容易性である。
Discord、オープンチャットルーム、ゲームチャット等は関心事に基づいて迅速につながる。
犯行方法や情報を共有するのに物理的制約がなく、集団心理が作用すると行動が大胆になり得る。
第三に、誇示文化と即時的反応構造である。
閲覧数、コメント、リアルタイムの反応は青少年に強い刺激として作用する。
「注目を集めるための行動」の強度が次第に高まる場合も少なくない。
プラットフォームの構造的特性と青少年の露出リスク
青少年犯罪を個人の逸脱としてのみ捉えるか、環境的要因も併せて考慮すべきかも重要な争点である。
デジタルプラットフォームは基本的に拡張性と接続性を基盤に設計されており、誰とでも即座につながることができ、情報が急速に拡散する。
このような構造は肯定的なコミュニケーションを可能にする一方で、有害情報や犯罪謀議が急速に共有され得る環境をも生み出す。
特に音声ベースのチャット、閉鎖型コミュニティ、匿名サーバー等は外部からの統制が容易でない構造を有しており、青少年が危険な会話に曝される可能性も存在する。
3. 李大統領、触法少年の年齢引下げを議題化…核心的争点とは
李在明大統領は、現行の満14歳未満とされている触法少年の基準を満13歳未満に引き下げる方針について、関係部署に議論を指示した。
「性平等家族部で主管して公論化を行うように」との指示が下されたことに伴い、触法少年の年齢引き下げに対する論争が激しくなると予想される。
処罰強化が犯罪抑止につながるのか、それともまた別の副作用を生むのかについての論争も同時に提起されている。
「年齢を引き下げるべき」とする国内世論の形成
凶悪犯罪、サイバー犯罪、麻薬運搬等の組織的犯罪に青少年が動員される事例も報道されていることから、触法少年の年齢を引き下げるべきとする世論が形成されている。
法務部が2022年に組成した「触法少年年齢基準の現実化TF」の活動結果によれば、触法少年のうち満13歳が占める割合が約70%に達するとの分析が示されている。
ただし当時は、年齢引き下げの議論が本格的な立法には至らず、事実上中断した状態であった。
その後、関連の議論は再び水面下に沈んだが、最近になって青少年犯罪の問題が繰り返し提起されるなかで、再び公論の場に上がった状況である。
一部では、満13歳が中学生の年齢に該当する以上、自分の行為が犯罪に該当することを十分に認識できる年齢であるとする主張がある。
すなわち、処罰の空白を縮小し、刑事責任の範囲を現実に合わせて調整すべきであるというのが、年齢制限の引き下げを賛成する世論の核心的主張である。
4. 海外動向分析:触法少年の年齢下限とオンライン規制
最近、各国の青少年政策は2つの方向で動いている。
一つは刑事責任年齢の調整に関する議論、もう一つはオンラインアクセスそのものに対する規制強化である。
処罰の強化と同時に、青少年を取り巻くデジタル環境をどのように統制するかという政策転換が同時に行われている。
触法少年の年齢基準、国別の差異と国際的潮流
国家 | 刑事処罰免除年齢 |
ドイツ・日本・シンガポール | 満14歳未満 |
フランス | 満13歳未満 |
カナダ・中国・オランダ | 満12歳未満 |
英国・オーストラリア | 満10歳未満 |
アメリカ | 州により7~14歳未満まで相違 |
ただし各国は、刑事処罰の年齢とは別に保護観察制度、少年矯正システム、再社会化プログラムを並行して運用している。
処罰基準を引き下げるだけで犯罪抑止効果が自動的に生じるとは断定しがたい点で、慎重なアプローチが必要であるとの指摘も併せて提起されている。
青少年オンライン規制の拡大、「環境統制」というもう一つの戦略
一方、オンライン規制はより急速に拡大している。
• フランス: 15歳未満のSNS利用禁止法案が可決
• スペイン:16歳未満禁止を推進
• ドイツ・英国: 年齢制限およびアルゴリズム規制の議論
• アメリカ一部の州: 14歳未満禁止または警告文の義務化
このように多くの国が、10代の精神的健康の悪化、有害コンテンツへの曝露、サイバー犯罪への関与の可能性等を理由に、青少年のオンライン接触そのものを減らす方向で政策を設計している。
刑事責任を強化する前に、犯罪にアクセスするデジタル環境を遮断するというアプローチである。
5. オンライン青少年犯罪、適用法律と処罰水準

青少年が行ったことであっても、個人情報の流出、公衆脅迫、名誉毄損等は明白な違法行為であり、相当な社会的被害を発生させ得る。
東亜日報が2023年以降の公衆脅迫等の犯罪関連訴訟の現況を調査した結果、警察が民事訴訟を提起したか準備中の事件は、新林駅殺人予告、済州空港等の爆破脅迫、仁川大仁高を含む全国連続爆破脅迫事件等、合計9件と集計された。
これらの事件で警察の出動と爆発物捜索等に投入された人件費と燃料費等、直接算出された損害額だけで約2億4065万ウォンに達することが判明した。
通報が受理されれば特殊部隊まで投入される以上、このような虚偽脅迫は大きな公共コストを発生させるのみならず、犯罪予防と緊急対応のゴールデンタイムにも影響を及ぼし得るとの指摘が出ている。
本事例で問題となった犯罪の処罰水準
本記事で取り上げた事例に適用され得る主要犯罪の法定刑は以下のとおりである。
• 公衆脅迫罪(刑法第116条の2等)
→ 5年以下の懲役または2千万ウォン以下の罰金
• 偶計による公務執行妨害(刑法第137条)
→ 5年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金
• 個人情報保護法違反(無断流出等)
→ 5年以下の懲役または5千万ウォン以下の罰金
ただし、満10歳以上14歳未満の触法少年は、刑罰の代わりに少年法上の保護処分(保護観察、社会奉仕、少年院送致等)を受けることがある。
6. 被害者補償のための戦略
被害者の立場からみると、触法少年の年齢基準がどのように定められるかとは別に、既に発生した被害に対する回復の可能性がより重要な問題となり得る。
第一に、不法行為責任(民法第750条)に基づき、財産的損害と精神的損害(慰謝料)を請求することができる。
脅迫による精神的苦痛、個人情報流出による二次被害のリスク等も損害として評価され得るため、関連証拠を収集することが重要である。
第二に、保護者の監督責任(民法第755条)を果たしていない触法少年の保護者に対し、被害補償を請求することができる。
未成年者の不法行為について、親等の法定代理人が監督義務を果たしていなかった場合には、併せて賠償責任を主張し被害に対する補償を請求すべきである。
補償のための対応戦略
実質的な被害補償のためには、掲載文や会話履歴、URL、流出画面等の関連資料を迅速に確保し保全する必要があり、捜査の進行状況と適用法律を整理して責任構造を明確にする必要がある。
精神的被害、二次被害の可能性、営業損失等の損害範囲を具体的に整理する作業も重要である。
法務法人大倫は、オンライン基盤の青少年犯罪事件において、証拠確保の段階から責任構造の分析、損害額の算定、民事請求戦略の策定まで全過程を体系的に検討している。
青少年犯罪による被害回復を検討している場合は、事案に合った法的対応戦略を具体的に検討していただきたい。
より詳しい相談が必要な場合は、🔗法律相談予約を通じて案内を受けることができる。











