CONTENTS
- 1. 民事損害賠償、精神的苦痛に損害賠償を請求できるかが問題となった事件

- - 民事損害賠償、原審の判断
- 2. 民事損害賠償、大法院の判断

- 3. 民事損害賠償、大倫の戦略は?

1. 民事損害賠償、精神的苦痛に損害賠償を請求できるかが問題となった事件
民事損害賠償のうち、契約が効力を発生するために必要な手続を怠った不法行為によって生じた精神的苦痛に対する損害賠償を請求できるかが問題となった事件です。
被告が代表取締役として在職していた会社で勤務していた原告らは、訴外会社と株式買受選択権付与契約を締結しました。
被告は上記契約締結の過程で必要な手続である臨時株主総会議事録を偽造する行為を行い、原告らが訴外会社を相手に提起した株券引渡請求訴訟において、上記契約が無効と確定されました。
そこで原告らは、主位的には不法行為に基づく民事損害賠償を請求しました。
民事損害賠償、原審の判断
原審は、適法な株主総会の特別決議を経ておらず本件契約が無効となった本件の場合には、無権代理または無権代表の法理がそのまま適用または準用されがたいという理由で、原告らの民事損害賠償の主位的請求を排斥しました。
また、被告の行為と原告らが主張する損害との間に因果関係を認めがたく、原告らが本件契約の締結と履行のために費用を支出したという証拠もなく、特に精神的損害を被ったとみられる事情もないと判断し、被告の民事損害賠償責任を認めませんでした。
2. 民事損害賠償、大法院の判断
民事損害賠償において、大法院は次のような理由で原審の判断を是認しがたいと明らかにしました。
大法院は、被告が臨時株主総会において株式買受選択権の条項を定款に追加する議案を欠落させ、臨時株主総会議事録を偽造した行為は、契約が効力を発生するために必要な手続を怠った行為であることが明らかであると述べました。
株式買受選択権制度は、会社の設立・経営や技術革新などに寄与し、または寄与し得る役職員に対して、将来の株式買受による利益を誘因動機とし、職務に忠実であるよう誘導するための成果報償制度です。
大法院は、原告らの株式が少なくない数であり、原告らが本件契約を誘因動機として会社に入社し勤務することを決心しただけでなく、本件契約が他所への転職を断念し職務に忠実になる動機となったことを否認できないと判断しました。
大法院は、原告と被告の関係、株式買受選択権制度の性格、割り当てられた株式数、本件契約締結の経緯などを総合的に考慮すると、原告ら自ら勤労の可否を選択する自己決定権が侵害されたとみる余地があると明らかにしました。
そこで、このような利益は人格的利益として保護する価値があるため、被告はその侵害による精神的苦痛に対して慰謝料を支払う義務があると述べ、原審の民事損害賠償の判断を破棄・差戻ししました。
3. 民事損害賠償、大倫の戦略は?
当該民事損害賠償訴訟の場合、信義誠実の原則に照らすと、契約自由の原則の限界を超える違法な行為として不法行為を構成するとみることができる事件でした。
いずれか一方が交渉段階で契約が確実に締結されるという正当な期待ないし信頼を与え、相手方がその信頼に従って行動したにもかかわらず、相当な理由なく契約の締結を拒否し、または契約が効力を発生するために必要な手続を怠り損害を与えたためです。
その侵害行為と被害法益の類型によっては、契約交渉の破棄または手続違反による不法行為が人格的法益を侵害し、相手方に精神的苦痛をもたらしたと認められる場合であれば、当該損害について別途賠償を求めることができます。
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