CONTENTS
- 1. 建設産業基本法、下請参加制限が問題となった事件

- - 建設産業基本法上の処分の違法性、原告・被告の主張
- 2. 建設産業基本法、処分の違法性に関する裁判所の判断

- - 本件処分は行政処分に該当するか?
- - 本件行政処分は適法か?
- 3. 建設産業基本法、大倫の戦略は?

1. 建設産業基本法、下請参加制限が問題となった事件

建設産業基本法上の処分の違法性が問題となった事件です。
この事件は、原告が国土交通部長官から 公共建設に関する下請参加を制限されたことから始まりました。
B株式会社は低温倉庫の新築工事(以下、本件工事)をD社に発注し、原告であるA社はDから鉄骨工事の部分を下請けとして請け負いました。
2020年5月22日、本件工事の現場で労働者1名が死亡する事故が発生しました。
雇用労働部はこれを死亡災害と分類し、重大災害に該当すると判断しました。
これを受けて国土交通部長官(以下、被告)は2023年11月24日、原告が「産業安全保健法上の重大災害が発生した事業場であり、当該年度の産業災害率が規模別の同業種平均以上」に該当するとして、1か月間(2023.12.1~2023.12.31)にわたり公共建設工事の下請参加を制限する処分を行いました。
建設産業基本法上の処分の違法性、原告・被告の主張
建設産業基本法上の処分の違法性に関する原告・被告の主張について見ていきます。
■原告の主張
原告は、下請参加制限処分が事実と法令に基づかない違法な処分であると主張しました。
▶産業災害率0%
2020年の原告の産業災害率は0%であったため、法が定める「業種平均以上」という要件を満たさない
▶処分事由の不存在
法律上の要件を満たしていないにもかかわらず処分を行ったことは、処分事由が存在しない違法な行政処分に該当する
▶公表資料への不信
被告は、雇用労働部の公表資料について、追加の実質的な資料調査や当事者の意見聴取手続を経ることなく、一方的に処分を行った
■被告の主張
被告は、本件処分は抗告訴訟の対象となり得ないと主張しました。
▶単なる通知との主張
本件措置は、単に下請参加制限の基準に該当するという事実を通知したものにすぎず、法的効力が生じる行政処分ではないため、訴訟の対象となり得ない
2. 建設産業基本法、処分の違法性に関する裁判所の判断
建設産業基本法上の処分の違法性に関する裁判所の判断は、以下のとおりです。
本件処分は行政処分に該当するか?
裁判所は、本件措置が単なる通知ではなく、原告の法的権利(公共工事の下請参加の機会)に直接的な影響を及ぼす法的効果を生じさせる行為であると判断しました。
裁判部は、本件処分により原告が実際に下請参加の資格を剥奪されたため、これは行政処分として抗告訴訟の対象に該当すると判断しました。
行政処分とは、行政庁が行う公法上の行為であって、国民の権利・義務または法律上の地位に直接影響を及ぼす行為を意味する。行政処分に該当するか否かは、形式ではなく実質的な効果を基準に判断しなければならない。
本件行政処分は適法か?
建設産業基本法第29条の3第1項第4号(ナ)目により、下請参加制限処分が行われるためには、次の3つの要件がすべて満たされなければなりません。
-当該年度の産業災害率が同業種平均以上であること
-産業災害統計の公表対象事業場であること
裁判所は、被告が提出した証拠と資料のみでは、上記要件のうち2番目の要件である「産業災害率が平均以上」である点が証明されなかったと判断しました。
▶雇用労働部の回答内容
雇用労働部は当該公表資料について「資料の信頼性と正確性に限界がある」との注釈を付しており、実際に災害率が100%を超える事例まで存在しました。
それにもかかわらず、被告は追加の資料調査や事実確認を行うことなく、原告に意見提出などの機会を保障せず、本件処分を決定したものとみられると判断しました。
▶統計の算定方式の問題
本件公告に記載された数値は、原告が施工する工事現場のうち、本件事故が発生した工事現場のみの労働者数と被災者数を適用して算定されました。
しかし、建設産業基本法など関連規定を検討しても、重大災害が発生した工事現場のみを事業場とみなして災害率を算定しなければならないと断定することは難しいと判断しました。
▶相反する公式統計
被告は本件訴訟の進行中、雇用労働部長官に対し「2020年に原告が元請または下請として参加した事業場のうち、被災者が発生した事業場の年間平均産業災害率」に関する資料を要請しました。
これに対し雇用労働部長官は「原告の2020年の災害率は0.00%」と回答しました。
裁判部は、このように相反する資料が存在する状態で、本件公告の内容のみを根拠に当該処分事由が証明されたとは認めがたいと判断しました。
▶刑事処罰との関係の不存在
原告は事故により略式命令による罰金刑を受けましたが、これは共同請負人としての責任に対する処罰にすぎず、今回の下請参加制限とは直接的な法的関連性はないと判断されました。
結局、裁判所は処分事由が存在せず、処分に先立つ意見聴取など手続的保障も欠けていたとして、本件処分は違法であると判断しました。
3. 建設産業基本法、大倫の戦略は?
建設産業基本法上の処分の違法性が問題となった今回の事件で、裁判所は被告が行った下請参加制限処分が法令の要件を満たしておらず、証拠資料もまた客観性と信頼性を欠いていたと判断しました。
今回の事件は、産業災害率統計の正確性と活用方式に対する法的検証の必要性を改めて確認した事例でした。
核心的な争点は、建設産業基本法第29条の3に規定された要件の充足の有無、そしてその判断基準となった産業災害率統計の信頼性でした。
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