CONTENTS
- 1. 通常賃金の条件が付加された賞与金が問題となった事案

- 2. 通常賃金に関する裁判所の判断

- - 原審の判断
- - 大法院の判断
- 3. 通常賃金紛争に関する大倫のサポートとは?

- - 労働専門弁護士および所属労務士の協業システム
1. 通常賃金の条件が付加された賞与金が問題となった事案

通常賃金に関連して、出勤率条件が付加された賞与金が問題となった事件です。
ソウル特別市江南区所属の環境美化員(以下、原告)らが、使用者(ソウル市、以下、被告)を相手取り、精勤手当、体力鍛錬費、名節休暇費などの賞与金を通常賃金に含めて計算した延長・深夜・休日勤労手当の差額を請求しました。
被告は賞与金の支給要件として次の二つを設定していましたが、これを不当であると主張したものです。
-在職条件:支給日現在、在職中の勤労者に限り支給
2. 通常賃金に関する裁判所の判断
通常賃金訴訟において、被告側は、賞与金に上記のような条件が明示されているため通常賃金に該当しないと抗弁しました。
これに関連して、原審および大法院の判断を見ていきます。

原審の判断
ソウル高等法院は、次のような理由で原告らの主張を認めました。
▶出勤率条件に関する合意は無効
出勤率条件を付加した団体協約は、実質的に通常賃金から本件賞与金を除外するための合意に該当し、これは勤労条件を不利に変更する内容として著しく合理性を欠くため無効であると判断しました。
▶在職条件は認められない
2014年の団体協約には「支給日現在の在職者に限り支給」という文言が含まれていましたが、賃金支給の実態と文言の解釈上、本件賞与金に在職条件が実質的に付加されているとは見難いと判断しました。
したがって原審は、本件賞与金は通常賃金に該当し、それに応じて超過勤務手当などを再算定しなければならないという原告側の主張を認めました。
大法院の判断
大法院は、従来の判例(大法院2011.8.25.宣告2011ダ17076判決)を基に、次のように判断しました。
▶通常賃金の判断基準
通常賃金とは、所定勤労に対する対価として、定期的かつ一律的に支給されるよう定められた賃金を意味します。
その賃金に出勤率や在職条件が付加されているとしても、所定勤労を忠実に提供する勤労者であれば通常満たすことのできる条件であれば、通常賃金性は否定されません。
つまり、単に条件があるという理由だけで、当該賃金が通常賃金ではないと断定することはできません。
▶「固定性」概念の廃止
大法院は、従来通常賃金の要件とみなしていた「固定性」概念を廃止しました。
「固定的に支給されること」という要件が法令上の根拠を欠き、強行的概念である通常賃金の範囲を条件によって左右してはならないなどの理由を挙げ、11年ぶりに廃止されたのです。
本件の通常賃金該当の有無は、それに従い、所定勤労の対価性、定期性、一律性の有無によって判断すべきであることを明らかにしました。
▶本件賞与金への適用
本件賞与金への適用は、基本給などの一定の倍率で定期的に分割支給される方式であり、所定勤労を忠実に提供する勤労者であれば出勤率条件も充足可能な範囲です。
在職条件もまた、それ自体で通常賃金性を否定することはできません。
大法院はしたがって、本件賞与金は出勤率条件や在職条件が付加されていても、所定勤労の対価として定期的・一律的に支給される通常賃金に該当すると判断しました。
原審が「出勤率条件が無効」という理由だけで当該合意を否定したことは法理上適切ではないものの、本件賞与金が通常賃金に該当するという結論は正当であるため、被告側の上告は棄却されました。
3. 通常賃金紛争に関する大倫のサポートとは?
通常賃金は、勤労基準法に基づき勤労者に定期的かつ一律的に支給される賃金を意味します。
基本給のみならず、定期的に支給される各種手当を含みます。
当該判決は、通常賃金の判断において、団体協約上の出勤率条件や在職条件が存在しても、それが賃金の通常賃金性を否定する事由とはならないという大法院の法理を明確に確認した事例です。
通常賃金に関する紛争は、賃金項目の解釈と適用方式に対する使用者と勤労者の間の理解の相違、法令解釈の複雑性、そしてそれに伴う金銭的利害関係の衝突から生じます。
1. 通常賃金の範囲に対する解釈の相違
通常賃金は法律的に規定されていますが、基本給のほかに手当、賞与金、福利厚生費などが通常賃金に含まれるか否かについて、使用者と勤労者の解釈が異なり、紛争が頻繁に発生します。
特に、成果給、賞与金、職責手当、年次手当、交通費、食費などの通常賃金該当の有無が争点となります。
賞与金、成果給の項目のすべてを通常賃金性として認めたわけではないため、解釈の相違が発生せざるを得ません。
2. 条件付き賃金項目の通常賃金性
一定の条件(例:出勤率、在職要件、勤務日数、実績)が満たされて初めて支給される賃金が通常賃金に含まれるか否かが、核心的な紛争のポイントです。
3. 団体協約・就業規則などの法的効力をめぐる論争
通常賃金に含まれ得る項目を団体協約や就業規則を通じて除外したり条件を付加したりした場合、その合意の効力をめぐる法的紛争が頻繁に起こります。
労働専門弁護士および所属労務士の協業システム
法務法人大倫は、通常賃金に関する多数の実務経験を有する専門弁護士と、ローファーム所属の労務士が協業し、以下のようなサポートを提供しています。
通常賃金に関する解釈、賃金体系の診断、集団紛争への対応など、法理と現場を同時に網羅する戦略的な解決策を提示いたします。
▶条件付き賞与金の通常賃金該当の有無に関する法律諮問
企業または勤労者が支給・受領中の賞与金が通常賃金に該当するか否かを、最新の判例と法令基準に従って分析します。
特に、出勤率条件、在職条件、成果給形態の条件付き賃金など、条件が付加された賃金について、その定期性・一律性・所定勤労の対価性を総合的に検討し、通常賃金性の判断に関する具体的な意見を提供します。
▶団体協約および就業規則の検討・整備
本件のように団体協約を通じて賃金支給条件が設定された場合、当該条件が通常賃金性を侵害したり、不利益変更とみなされたりする余地があるかを法的に分析します。
勤労条件の不利益変更時における合理性要件の充足の有無に関するリスク診断、および団体協約の文案修正に関する諮問を提供します。
通常賃金紛争を事前に予防できるよう、就業規則、年俸契約書、団体協約などの整備コンサルティングを行います。
▶通常賃金の再算定および差額算定の支援
通常賃金に含まれる項目が確定した場合、延長・深夜・休日勤労手当および年次手当などの法定手当を再算定し、差額を計算します。
勤労者側には追加請求金額の算出、使用者側にはリスクの予測と備えのために必要なデータを提供します。
▶通常賃金紛争訴訟への対応
通常賃金に関する民事訴訟、行政訴訟において、訴訟戦略の策定、訴状および答弁書の作成、証拠整理および事実関係の整理など、実質的な訴訟対応を行います。











