CONTENTS
- 1. 虚偽の税金計算書が問題となった事件の概要

- 2. 虚偽の税金計算書事件の主な争点

- - 税金計算書の真実性に関する問題
- - 加算税賦課の正当性
- - 賦課除斥期間
- 3. 虚偽の税金計算書に関する裁判所の判断

- - 韓国大法院が示した法理
- 4. 虚偽の税金計算書、大倫の戦略は?

1. 虚偽の税金計算書が問題となった事件の概要
虚偽の税金計算書が問題となった事件の概要を見ていきます。
この事件は、S食品グループ系列会社の取引構造に関する税金計算書の問題に端を発しました。
即席麺の完成品を製造する原告1の会社(S食品)は、原材料と包装資材をグループ内の別の親会社2社(原告2、3の会社)から供給を受け、使用していました。
ところが、S食品の代表取締役らは、既に設立されていた子会社名義の事業者登録を利用し、実際には親会社が取引した物品であるにもかかわらず、子会社名義で税金計算書を発行・受領させました。
この過程で、取引代金は子会社の口座に入金されました。
税務調査でこの事実が発覚すると、課税当局は2011年から2017年までの取引を問題視し、付加価値税、法人税および各種加算税を追加で賦課しました。
これに対し、S食品などの原告会社は、課税処分が不当であるとして訴訟を提起しました。
2. 虚偽の税金計算書事件の主な争点

虚偽の税金計算書事件の主な争点は、大きく分けて3つです。
税金計算書の真実性に関する問題
実際に取引を行った主体は親会社でしたが、税金計算書には子会社の事業者登録番号が記載されていました。
このような税金計算書を「事実と異なる税金計算書」とみなし、仕入税額控除を認めず、加算税を賦課できるかが問題となりました。
加算税賦課の正当性
税金計算書が虚偽と認められた場合、親会社には税金計算書未発行加算税・計算書未発行加算税が、子会社には架空発行・受領加算税が賦課される可能性があります。
このような処分が法的に妥当であるかが争点となりました。
賦課除斥期間
国税を賦課できる期間は一般的に5年です。
しかし、納税者が詐欺その他の不正な行為によって租税を逋脱した場合には、10年まで延長されます。
したがって、この事件で10年の長期賦課除斥期間を適用できるかどうかが、別の核心的な争点でした。
3. 虚偽の税金計算書に関する裁判所の判断
虚偽の税金計算書に関する裁判所の判断を見ていきます。
▶下級審の判断
第1審と控訴審は、原告側の主張を認めました。
裁判部は、親会社が実際に事業を運営し、付加価値税も直接申告・納付してきた事実を認めました。
したがって、子会社名義で税金計算書の発行を受けたというだけで、これを全面的に虚偽であると断定することは困難であると判断しました。
最終的に下級審は、当該税金計算書が真正な取引の事実を反映したものとみて仕入税額控除を認め、これに伴う加算税の賦課も不当であると判断しました。
▶韓国大法院の判断
韓国大法院は下級審とは異なり、課税当局側の主張を認めました。
1. 子会社名義の独立性
親会社と子会社は、それぞれ別個の法人格と事業者登録を有していました。
韓国大法院は、単に名義を借りたものではなく、法的に独立した主体であるため、課税当局が混同するおそれが十分にあると判断しました。
2. 子会社名義を使用した目的
子会社が独自に事業を運営した形跡は、ほとんどありませんでした。
むしろ、代表取締役らが資金横領を目的として子会社名義を利用し、売上の外形を移転した事情が確認されました。
3. 課税行政に及ぼす影響
課税当局の立場では、取引の実質的な主体を混同させ、税源の把握を困難にする重大な問題であると評価されました。
したがって、韓国大法院は、子会社名義で発行された税金計算書を「事実と異なる税金計算書」とみなしました。
その結果、親会社側は仕入税額控除を受けられず、税金計算書未発行加算税・虚偽証憑受領加算税を負担しなければならず、子会社側も架空発行・受領加算税の対象になると判断しました。
4. 賦課除斥期間
韓国大法院は、不正行為によって租税を免れた場合、本税だけでなく、無申告・過少申告・納付不履行加算税にも10年の除斥期間が適用されると判断しました。
また、仮装税金計算書受領加算税には、本税を免れたか否かにかかわらず、10年の除斥期間が適用されると明らかにしました。
韓国大法院が示した法理
韓国大法院が示した法理を見ていきます。
▶事実と異なる税金計算書とは?
税金計算書に必ず記載すべき内容(供給者・供給を受ける者の登録番号、取引金額、時期など)が実際の取引と一致しなければ、それは「事実と異なる税金計算書」です。
例えば、実際に物品を供給した会社が別にあるにもかかわらず、他の会社名義で税金計算書が発行された場合、虚偽とみなすという意味です。
▶名義のみを借りた場合と実際に事業を行った場合の区別
-例外的に認められる場合:
表面上は他人(第三者)名義で事業者登録がなされていても、実際にその者が事業を運営して物品を供給したのであれば、その者を真の事業者と認めることができます。
-原則として認められない場合:
しかし、実際に取引を行った会社と税金計算書に記載された会社が異なる場合、これは名義のみを借用したものとなるため、税金計算書を虚偽とみなし、仕入税額控除を認めません。
▶判断基準
韓国大法院は、書類だけを見るのではなく、次のような複数の要素を総合的に検討し、実際の事業主体を判断すべきであるとしました。
-名義を利用することになった目的と経緯
-当該事業所で実際にどのような方法で取引が行われたか
-収益と費用を誰が管理していたか、資金がどのように流れていたか
-税金計算書の発行に名義人が実際に関与したか、名義人が利益を得たか否か
4. 虚偽の税金計算書、大倫の戦略は?
虚偽の税金計算書に関する今回の判例は、企業集団内で子会社の名義を借りて税金計算書を発行・受領する行為が、形式上の便宜を図る目的ではなく、課税行政に混乱をもたらし、租税回避の危険性を高める重大な違法行為であると判断される可能性があることを示した事例でした。
特に、税金計算書の名義と実際の事業主体が一致しない場合、仕入税額控除が認められず、各種加算税が賦課されるという重大な不利益が生じます。
また、不正行為と評価された場合、本税と加算税のいずれについても10年間課税される可能性があるため、相当以前の取引であっても課税リスクが長期間継続する点に、企業は注意する必要があります。
当法人では、国税庁・課税官庁の調査対応経験と、企業・公共機関でのインハウス弁護士の経歴を持つ租税専門弁護士が、法律事務所所属の税理士・会計士と緊密に連携し、税務調査への対応、事実関係の立証、訴訟戦略の策定に至るまで、専門的な法的支援を提供しています。











