CONTENTS
- 1. 関税調査の違反有無に関する事件の概要

- - 関税調査とは?
- 2. 関税調査の違反有無に関する事件、大法院の判断

- - 関税調査期間の経過後の追加調査は違法か?
- - 再調査禁止原則の適用の有無
- - 電子送達の適法性
- - 未払代金の課税価格への算入の有無
- - 加算税の免除の有無
- 3. 関税調査、大倫の戦略とは?

1. 関税調査の違反有無に関する事件の概要

関税調査の違反有無が問題となった事件は、次のとおりです。
本件の原告は、グローバルアパレルブランドの韓国子会社でした。
スウェーデンの本社が資本金の100%を出資して設立された会社で、韓国国内で当該ブランドの製品を独占販売していました。
原告側は、2013年から2015年まで衣類を輸入する際、第三国の委託生産業者のインボイス価格を基準に申告しました。
しかし税関は、本社が発行した代金請求書(Invoice)に記載された未払金額があるにもかかわらず申告から漏れているとして、これを課税価格に含めるべきだと判断しました。
結局、約100億ウォンの関税および付加価値税(加算税を含む)を追加で告知し、原告はその取消しを求める訴訟を提起しました。
関税調査とは?
関税調査とは、税関が輸出入取引の適法性と課税価格の適正性を確認するために実施する行政調査です。
実務において関税調査は、課税価格の算定、特殊関係者取引、原産地の検証、還付税額の検討など、さまざまな争点を含みます。
特に海外本社と特殊関係にある企業の場合、課税価格が縮小・歪曲されたと疑われる可能性があり、関税調査のリスクが相当に高くなります。
2. 関税調査の違反有無に関する事件、大法院の判断

関税調査の違反有無について、大法院は原審判決をそのまま認め、原告の上告を棄却しました。
つまり、第1審と第2審で確認された判断がいずれも正当であるとして、最終的に企業(原告)の主張を退けたものです。
大法院の判断を具体的に見ていきます。
関税調査期間の経過後の追加調査は違法か?
原告は、税関が通知した調査期間(2015. 8. 10.~8. 28.)が過ぎた後も調査を続けたとして、調査権の濫用を主張しました。
しかし大法院は、次のような理由から、税関の後続措置は適法であると判断しました。
-原告が重要な資料(代金請求書)を調査終了日の直前または以後に提出した点
-税関は現場訪問や強圧的措置を行わず、資料の補完・説明を要請した点
-原告も任意に協力した点
再調査禁止原則の適用の有無
関税法は、同一事案について原則として再調査を禁止しています。
これは納税者保護のための重要な仕組みです。
大法院は、税関が終了日以後に実施した措置は新たな調査ではなく既存の調査に対する連続的な補完行為にすぎないとして、再調査禁止原則の違反という主張を受け入れませんでした。
これは、再調査にあたるかどうかを判断する際、調査の目的・期間・方法・資料の性格などを総合的に考慮しなければならないとする従来の判例を再確認したものです。
電子送達の適法性
関税法上、更正通知書は原則として申請があってはじめて電子送達が可能です。
原告は、正式な申請書を提出したことがないため、通知は違法であると主張しました。
しかし大法院は、次のような理由から、形式的な申請手続がなくても違法ではないと判断しました。
-原告が電子交付に事前同意していた点
-職員が異議なく受領確認書を作成した点
-それによる不利益もなかったという点
未払代金の課税価格への算入の有無
関税法は、課税価格を「買い手が実際に支払うべき価格」と規定しています。
大法院は、次のような理由から、未払代金が課税価格に含まれると判示しました。
-本社が発行した代金請求書上の未払金額は、原告が必ず支払わなければならない代金
-これは物品取引と直接関連する費用
加算税の免除の有無
原告は、税関に代金請求書を適時に提出しませんでした。
大法院は、これにより税関が課税価格を正確に審査する機会を失ったため、正当な理由がなく、加算税の賦課は正当であると判示しました。
3. 関税調査、大倫の戦略とは?
関税調査に関する本件は、企業が関税調査の過程で手続上の瑕疵を理由に不服を申し立てたものの認められなかった事例であるという点で意義があります。
特に大法院は、次のような要点を明確にしました。
▶電子送達手続の形式的な瑕疵のみでは違法性を認めがたい。 実際の同意と受領の事実があれば、適法な通知とみなす。
▶特殊関係会社との取引で発生した未払代金は課税価格に含まれる。 これは関税法上の「買い手が実際に支払うべき価格」に該当するためである。
▶加算税は免除されない。 税関の審査過程で資料を誠実に提出しなかった場合、正当な理由がないとみなす。
結局、本件は納税者の防御の論理がすべて退けられ、企業の立場からは関税調査対応の重要性とともに、特殊関係者取引の透明性確保の必要性を改めて確認させた判例であるといえます。
したがって、海外本社と取引する多国籍企業や輸入業者は、取引契約、代金請求書、ロイヤルティの支払明細などを徹底的に管理し、関税調査に備えて専門家の助言を受けることが不可欠です。
法務法人大倫は、関税専門弁護士、関税士資格を保有する関税専門委員、ローファーム所属の税務士および会計士が協業し、企業の特殊関係者取引、課税価格の算定、手続上の瑕疵の争点などについて専門的な助言を提供しています。
関税調査への対応や紛争が懸念される場合は、必ず関税調査の通知の初期段階で専門家にご相談されることをお勧めします。










