刑事 03Child Abuse Protection Case (Child & Reporter)
児童保護裁判の手続(被害児童・通報者向け)
児童虐待を通報した人と被害児童の側が、子どもを安全に保護してもらうための手続です。家庭法院の審理で意見を述べ、加害者が接近禁止や親権(親の権限)の制限などの保護処分を受けるようにします。
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手続の流れ図
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- 基本段階
- 追加措置・選択
- 棄却・異議
- 手続終了
通報
根拠: 児童虐待犯罪の処罰等に関する特例法第10条
112(警察)や市・郡・区(児童虐待専担公務員)に通報します(第10条第1項)。教師・医療従事者などの通報義務者は、虐待が疑われるだけでも通報しなければなりません(第10条)。通報者の人的事項は秘密が保障されます(第10条の3、特定犯罪申告者等保護法第7条を準用)。そして、通報を理由とする不利益は禁止されています(第10条の2)。あざ・傷の写真、診断書、児童の話を記録したメモを確保しておきます。
次へ: 現場への出動・応急措置説明
112(警察)や市・郡・区庁(児童虐待専担公務員)に通報します。教師や医師のように通報義務がある人は、疑いがあるだけでも通報しなければなりません。誰が通報したかは秘密として守られ、通報したことを理由に不利益を与えてはなりません。あざ・傷の写真、診断書、子どもが話したことを書き留めたメモを集めておきます。
- 所要期間
- 事件によって異なる(保護処分は1年以内、被害児童保護命令は1年以内)
- 費用
- 被害児童の国選弁護士の報酬は法務部長官が定めた基準に従って支払われ、被害者が負担するという規定はありません。臨時措置の要請・保護命令の請求費用は受付機関・法院に確認します(自分で選任した弁護士の費用は別途)
手続の進行案内
最初から順番にお読みください。赤い文字は法律で定められた期限です。
- 1
まず、112(警察)や市・郡・区(児童虐待専担公務員)に通報します(児童虐待処罰法第10条第1項)。教師・医療従事者のように通報義務がある人(通報義務者)は、虐待が疑われるだけでも通報しなければなりません(児童虐待処罰法第10条)。通報した人が誰かは秘密として守られ、通報したことを理由に不利益を与えることは禁止されています。通報とあわせて、あざ・傷の写真、診断書、子どもが話したことを書き留めたメモをあらかじめ集めておきます。
- 2
通報が入ると、警察と児童虐待専担公務員が一緒に出動して現場を調査します。虐待が続いている、または再び起きるおそれがあれば、加害者(行為者)を引き離し、子どもを保護施設・医療機関や親戚のもとに連れて行きます(第12条)。このように分離する応急措置は72時間を超えることができません(土曜日・祝日を挟む場合は48時間の範囲で延長可能)。その間に検事が法院に臨時措置を請求すれば、法院が決定するまで応急措置が続きます(第12条第3項・第4項、第15条第2項)。
現在の段階 - 3
子どもの側は、警察に緊急臨時措置(第13条)を要請し、公訴庁の検事(従来の検察)を通じて法院に臨時措置を請求してもらうよう要請します(第19条)。臨時措置には、加害者の退去・隔離、100m以内への接近禁止、連絡禁止、親権者・後見人の権限の制限・停止などがあります。期間は2か月で、必要であれば延長されることがあります。捜査とは別に、被害児童・法定代理人・弁護士・検事・市・道知事・市長・郡守・区庁長が、家庭法院に被害児童保護命令を請求することもできます(第47条第1項)。児童保護専門機関の長は、地方自治体の長に請求を要請することができます(第47条第2項)。保護命令の期間は1年以内で、6か月単位で延長することができます(第51条第1項)。子どもに弁護士がいなければ、国選弁護士の選定を申請します。
- 4
子どもの調査は映像で録画します。このとき、信頼関係者(子どもが信頼し頼りにしている大人)と被害児童の弁護士が同席することができます(児童虐待処罰法第17条第1項)。録画した供述は、加害者側が子どもに質問する機会があった場合などに法廷の証拠として使われることがあるため(性暴力処罰法第30条の2を準用)、子どもが法廷で証言しなければならない場合もあります。保護者と通報者は、目撃した経緯を供述し、証拠を提出します。
- 5
警察の捜査が終わると、公訴庁の検事が、事件の性質・動機、加害者の性向(性行)、被害児童との関係、子どもの意思などを考慮して(第26条各号)、事件をどこに送るかを決めます。保護処分が適切だと判断すれば、刑事起訴の代わりに家庭法院に児童保護事件として送致(事件を送ること)し(第27条第1項)、適切でないと判断すれば、通常の刑事裁判に起訴します。処理結果は、通知を申請すれば受け取れます(刑事訴訟法第259条の2)。この場合、被害児童の側は裁判で意見を述べ、賠償命令(被害の賠償もあわせて命じてほしいという申立て)を申し立てることができます。
- 6
家庭法院の調査官が家庭環境と再び虐待する危険を調査した後、裁判官は必要であれば非公開で審理します。子どもの側が申請すれば、証人として尋問し、意見を述べる機会を与え(第44条、家庭暴力処罰法第33条を準用)、子どもの側の弁護士が希望する保護措置について意見を述べます。裁判官は、1号の接近禁止から8号の相談委託までの保護処分の中から決定し(第36条)、期間は1年以内で、変更しても合計2年を超えることはできません(第37条、第40条第3項)。処分をしない決定(不処分)が著しく不当な場合は、子どもの側の弁護士や法定代理人が告知日から7日以内に抗告することができます(第45条第2項・第3項)。処分が軽いと思う場合は、保護処分に対して抗告できる検事に意見を伝えます(第45条第1項)。
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決定が出ると、保護観察官や処分の委託を受けた機関が処分を執行します(第36条第5項)。加害者が接近禁止などに違反したら、すぐに112に通報し、法院と保護観察所にも知らせます。接近禁止などの処分や保護命令に違反すると、それ自体が2年以下の懲役などで処罰され(第59条)、相談・社会奉仕などの処分を守らなければ、保護処分が取り消されて検事に送致されます(第41条)。親が加害者であれば、被害児童保護命令によって親権行使の制限・停止や縁故者などへの家庭委託を請求することができ(第47条第1項)、親権の制限・停止の期間中は、法院が臨時に後見人の役割を果たす人を定めます(第47条第5項)。虐待が重大であれば、検事・地方自治体の長などが、民法に基づく親権喪失などを別に請求することができます。
これから守るべき期限
- 抗告は7日以内第6段階 審理での意見陳述・保護処分
準備・確認事項
- 虐待の状況を示す写真・診断書・録音と、目撃者の供述を確保します。
- 警察・検事に臨時措置を要請し、被害児童の国選弁護士の選定を申請します。
- 捜査を待たずに早急な保護が必要であれば、被害児童保護命令の直接請求を検討します。
- 子どもの調査の際に信頼関係者が同席するよう申請し、家で被害の内容を繰り返し尋ねないようにします。
- 審理で述べる「希望する保護措置」をあらかじめ整理します。
- 決定を受けた日付を書き留めておき、7日以内に抗告するかどうかを決めます。加害者が処分に違反したら、すぐに通報します。
弁護士が必要なとき
このような場合は弁護士の助けが必要です。 親・保護者が加害者で親権の制限と後見人の選任が問題になる場合、被害児童保護命令を直接請求しようとする場合です。
子どもの供述を証拠として使えるかどうか(証拠能力)を相手方が争う場合も同様です。

現在の位置(2/7)
第2段階 · 現場への出動・応急措置
今すべきこと
警察と児童虐待担当の公務員が一緒に来て、子どもの状態と家の状況を確認します。 虐待が続いている、またはまた起きそうであれば、応急措置(現場ですぐに引き離す措置)をとります。
加害者を引き離し、子どもを保護施設や病院、親戚の家に連れて行きます。 このように引き離すのは72時間を超えることはできません。 その間に検事が法院に正式な臨時措置を請求すれば、法院が決定するまで続きます。
次に起こること
第3段階 · 臨時措置の要請・被害児童保護命令の請求
警察にすぐ「家から出て行かせてほしい、近づけないようにしてほしい」という緊急措置を要請します。 続いて、検事を通じて法院に臨時措置(捜査中に加害者を引き離す措置)を請求してもらうよう要請します。
接近禁止、連絡禁止、親の権限の停止などの措置です。 臨時措置の期間は2か月です。
捜査とは関係なく、家庭法院に保護命令を請求することもできます。 子ども本人、法定代理人、子どもの側の弁護士、検事、市・郡・区庁長などが請求することができます。
児童保護専門機関は、市・郡・区庁長などに請求を要請します。 子どもに弁護士がいなければ、国選弁護士を申請します。
これから守るべき期限
- 抗告は7日以内第6段階 審理での意見陳述・保護処分
根拠: 児童虐待犯罪の処罰等に関する特例法第36条、第37条、第40条
弁護士に依頼すべきとき
このような場合は弁護士の助けが必要です。 親・保護者が加害者で親権の制限と後見人の選任が問題になる場合、被害児童保護命令を直接請求しようとする場合です。
子どもの供述を証拠として使えるかどうか(証拠能力)を相手方が争う場合も同様です。
よくある質問
この手続ですぐに気になる実務上の質問です。
- Q通報すると、通報者が誰か加害者に知られますか?
- いいえ。通報者の人的事項は秘密として守られ、通報したことを理由に不利益を与えることは禁止されています。教師・医療従事者などの通報義務者も同じように保護されます。誰でも、児童虐待犯罪を知ったり疑いがあったりすれば通報することができます。
- Q親が加害者の場合、子どもはどこで過ごしますか?
- まず応急措置として、子どもを加害者から引き離し、保護施設・医療機関や親戚のもとに連れて行きます。この分離は72時間を超えることができません。その間に検事が臨時措置を請求すれば、法院が決定するまで続きます。その後は、臨時措置によって加害者を家から退去させることができます。被害児童保護命令によって、子どもを児童福祉施設に保護委託したり、縁故者などに家庭委託したりすることもできます。
- Q被害児童保護命令は誰が請求し、費用はかかりますか?
- 法院に納める費用があるかどうかは、受け付ける法院に確認します。被害児童、法定代理人、弁護士、検事、市・道知事、市長・郡守・区庁長が家庭法院に請求することができます。児童保護専門機関の長は、市・道知事や市長・郡守・区庁長に請求を要請することができます。捜査とは別に、接近禁止・親権行使の制限などを請求することができます。
- Q子どもの供述はどのように行いますか?何度も調査を受けますか?
- 子どもの調査は映像で録画します。信頼関係者と被害児童の弁護士が同席することができます。録画した供述は、加害者側が子どもに質問する機会があった場合などにのみ、証拠として使われることがあります。そのため、法廷での証言が必要になることがあります。法廷では、ビデオ中継や遮蔽(ついたて)を使い、子どもが加害者と顔を合わせないようにすることができます。
- Q被害児童の国選弁護士はどのように申請しますか?
- 担当の捜査官や検事に口頭または書面で申請すれば、検事が選定します。報酬は法務部長官が定めた基準に従って支払われ、被害者が負担するという規定はありません。子どもに弁護士がいなければ、申請がなくても検事が国選弁護士を選定しなければなりません。国選弁護士は調査に同席し、審理で意見を述べます。抗告や保護命令の請求も代わりに行います。
- Q決定に不服を申し立てるにはどうすればよいですか?
- 不処分(何の処分も出さない決定)が著しく不当な場合は、抗告することができます。子どもの側の弁護士や法定代理人が、決定の告知を受けた日から7日以内に家庭法院に抗告状を提出します。処分が軽すぎるという理由の抗告は、検事・行為者の側がすることができます。そのため、この場合は検事に抗告についての意見を伝えます。いずれの場合も、抗告とは別に被害児童保護命令を請求することができます。
弁護士が必要なとき
- 子どもの調査は映像録画で行われるため(児童虐待処罰法第17条第1項、性暴力処罰法第30条を準用)、家で被害の内容を繰り返し問いただしたり、話す内容を教えたりしません。
- 被害児童保護命令は、捜査機関を通さずに被害児童の側が直接請求できるため、捜査とは別に保護を求めることができます(第47条第1項)。期間は1年以内で、延長することができます。
- 親が加害者の場合は、親権の制限・停止の処分とは別に、後見人の選任や養育環境の調整が必要になることがあります。
- 応急措置は72時間を超えることができず(第12条第3項)、臨時措置は2か月を超えることはできませんが、延長されることがあります(第19条第4項)。保護処分の期間は1年を超えることができず(第37条)、被害児童保護命令は1年以内で、6か月単位で延長することができます(第51条第1項)。抗告は、決定の告知を受けた日から7日以内に行います(第45条第3項)。
関連法令
- 児童虐待犯罪の処罰等に関する特例法第10条(通報)・第12条(応急措置)・第13条(緊急臨時措置)・第16条(国選弁護士)・第17条(調査の特例)・第19条(臨時措置)・第27条・第28条(送致)・第36条(保護処分)・第40条(変更)・第41条(取消し)・第45条(抗告)・第47条(被害児童保護命令)・第51条(保護命令の期間)・第59条(不履行罪)
- 児童福祉法

