刑事 07Criminal Deposit
刑事供託の手続
被害者と示談が成立しないときに、被害の賠償金を裁判所に預けて(供託)、反省し被害を回復しようとする意思を示す手続です。裁判所は判決を宣告する前に、供託について被害者の意見を聴きます。
手続の流れ図
ボックスをクリックすると、下に説明が表示されます。
- 基本段階
- 追加措置・選択
- 棄却・異議
- 手続終了
刑事供託書の作成
根拠: 供託法第5条の2、供託規則第82条
供託の種類を刑事供託として選び、事件番号、裁判部、起訴状・調書などに記載された被害者の氏名(仮名を含む)、供託原因事実(被害の発生時期と債務の性質)を記載します(供託法第5条の2第2項、供託規則第82条)。
次へ: 添付書類の準備・提出説明
刑事供託(裁判所に賠償金を預けること)は、起訴された後、被害者の人的事項(住所など)がわからないときに使う手続です。示談や一般の供託が難しいときに、被害を回復しようとする意思を示すために行います。供託書には、事件番号、裁判部、被害者を特定できる情報、お金を預ける理由を書きます。被害者の住所・住民登録番号は書きません。その代わり、起訴状などに記載された被害者の名前(仮名を含む)と事件番号で特定します。
- 所要期間
- 供託金の納入後、特別な事情がなければ翌日までに公告されます
- 費用
- 供託金(供託申請の手数料は供託法・供託規則に定められておらず、口座への入金は供託者が自己の費用で申請)
手続の進行案内
最初から順番にお読みください。赤い文字は法律で定められた期限です。
- 1
起訴された後、被害者の人的事項(住所・住民登録番号など)がわからず一般の供託が難しい場合、被害者の住所などの代わりに、起訴状などに記載された被害者の名前(仮名を含む)と裁判所・事件番号で被供託者(お金を受け取る人)を特定して供託(裁判所の供託所にお金を預けること)できます。供託法第5条の2(刑事供託の特例)に基づく制度です。
- 2
供託の種類を「刑事供託」として選び、事件番号、裁判部、起訴状などに記載された被害者の名前(仮名を含む)、供託原因事実(被害の発生時期と債務の性質)を書いて刑事供託書を作成します。一度供託したお金は、被害者の取戻し同意や受領拒絶の通告などがなければ取り戻せないため(供託法第9条の2第1項)、供託金額は被害の程度を検討して慎重に決めます。
- 3
起訴状の写し、事件が進行中であることを証明する書面(公判期日通知書など)、被害者の人的事項がわからないことを確認できる書面をあわせて添付し(供託規則第83条)、刑事事件が進行中の裁判所の所在地にある供託所に提出します。刑事供託は裁判が進行中の事件でしかできないため、この証明が必要です。
- 4
供託官が、事件が進行中かどうか、被害者をどのように特定したかなど、刑事供託の要件を審査します。要件が不足していれば補正を勧告され、直さなければ受け付けられません。受理され(受け付けられ)供託金が納入されると、翌日までに供託の事実(事件番号、供託金額など)が電子供託ホームページに公告されます(供託規則第84条)。
- 5
供託物保管者(供託金を保管する銀行)に供託金を納め、供託書を出力します。裁判部に提出する書類です。
- 6
供託書の写しを量刑資料(刑を決める際に参考にする資料)として裁判部に提出します。供託の事実は供託官が裁判所と検察にも通知しますが(供託規則第85条)、量刑資料として直接提出するのがよいでしょう。裁判所は判決の宣告前に、供託について被害者の意見を聴かなければなりません(刑事訴訟法第294条の6)。
- 7
裁判部は、犯行後の情状などを参酌して刑を決めます(刑法第51条)。裁判所は判決の宣告前に供託について被害者の意見を聴かなければならないため(刑事訴訟法第294条の6)、宣告直前ではなく十分な時間をおいて供託します。また、被害者の取戻し同意や受領拒絶の通告、無罪の確定などがなければ、供託金を取り戻すことはできません(供託法第9条の2)。
これから守るべき期限
この手続には法定期限がありません。
準備・確認事項
- 供託の背景となるため、被害者との示談を試みた経緯を整理します。
- 被供託者の特定に必要なため、事件番号・裁判部と起訴状に記載された被害者の特定情報を確認します。
- 起訴状の写し、公判期日通知書、被害者の人的事項がわからないことを確認できる書面などの添付書類を準備します。
- 一度供託すると取り戻すのが難しいため、被害の程度を検討して供託金額を決めます。
- 裁判所が宣告前に被害者の意見を聴けるよう、弁論終結前に十分な時間をおいて供託書の写しを裁判部に提出します。
弁護士が必要なとき
次のような場合は、供託する前に弁護士の助けが必要です。 被害者が示談を拒否したり連絡先がわからなかったりする場合、供託の金額と時期を決めなければならない場合です。
一度供託したお金は、被害者の取戻し同意や受領拒絶の通告、無罪の確定などがなければ取り戻せないからです。

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第4段階 · 受理・公告
今すべきこと
要件を満たしていれば供託が受け付けられます(受理)。 その後、供託金を納めると、納めた翌日までに電子供託ホームページに事件番号と金額などが公告されます。
この公告によって、被害者に供託の事実を知らせたものとみなされます。
次に起こること
第5段階 · 供託金の納入
銀行に供託金を納め、供託書を出力します。 裁判部に提出する書類です。
これから守るべき期限
以降の段階に法定期限はありません。
弁護士に依頼すべきとき
次のような場合は、供託する前に弁護士の助けが必要です。 被害者が示談を拒否したり連絡先がわからなかったりする場合、供託の金額と時期を決めなければならない場合です。
一度供託したお金は、被害者の取戻し同意や受領拒絶の通告、無罪の確定などがなければ取り戻せないからです。
よくある質問
この手続ですぐに気になる実務上の質問です。
- Q刑事供託はどこで、どのようにしますか?インターネットでできますか?
- 裁判が進行中の裁判所の供託所に、刑事供託書と添付書類を提出します。金銭供託の事件は、電子供託システムに認証書で利用者登録をした後、電子文書で申請することもできます。供託申請の手数料は、供託法・供託規則に定められていません。供託金は供託物保管者(銀行)に納めます。供託書の書式は供託所に確認します。
- Q供託金はいくらにすればよいですか?
- 法令に定められた基準はありません。治療費・修理費などの実際の損害と慰謝料を検討して決めます。一度供託したお金は、被害者の取戻し同意や受領拒絶の通告などがなければ取り戻せません。そのため、弁護人と相談して決めます。
- Q被害者がお金を受け取らないと言ったらどうなりますか?
- 被害者が受領拒絶の意思を供託所に通告すれば、供託した人は供託金を取り戻すことができます。拒絶の意思を示さないまま受け取りに来なければ、供託はそのまま維持されます。裁判所は判決の宣告前に、供託について被害者の意見を聴きます。供託金を受け取る権利や取り戻す権利は、10年間行使しなければ時効により消滅します。そうなると、その供託金は国庫に帰属します。
- Q被害者の名前や住所を知らなくても供託できますか?
- はい、可能です。それが刑事供託の特例の趣旨です。被害者の人的事項の代わりに、事件番号・裁判部・起訴状に記載された被害者の表示で、お金を受け取る人を特定します。被害者への供託通知は、供託官が電子供託ホームページに公告する方法で行います。そのため、供託する人が被害者の情報を知る必要はありません。
- Q警察・公訴庁の捜査段階でも刑事供託はできますか?
- いいえ。事件番号で被害者を特定する刑事供託は、起訴されて裁判が進行中の事件でしかできません。捜査段階では、被害者の氏名・住所を知る必要がある一般の弁済供託しかできないため、それまでは弁護人を通じて示談を試みます。
- Q弁護士なしで一人で供託できますか?
- はい、可能です。起訴状の写し、公判期日通知書、被害者の人的事項がわからないことを確認できる書面を添えて供託書を作成し、供託所に提出します。ただし、一度供託したお金は取り戻すのが難しく、裁判所は宣告前に被害者の意見を聴きます。そのため、弁論終結の日程とあわせて弁護人と相談するのがよいでしょう。
弁護士が必要なとき
- 裁判所は判決の宣告前に、供託について被害者の意見を聴かなければなりません(刑事訴訟法第294条の6)。そのため、宣告直前ではなく十分な時間をおいて供託します。
- 供託金額には法令に定められた基準がないため、被害の程度を検討し弁護人と相談して決めます。一度供託したお金は、被害者の取戻し同意などがなければ取り戻せません(供託法第9条の2第1項)。
関連法令
- 供託法第5条の2(刑事供託の特例)・第9条の2(供託物取戻しの制限)
- 供託規則第81条〜第89条(刑事供託の特例)
- 刑事訴訟法第294条の6(金銭供託と被害者等の意見聴取)

