刑事 01Criminal Case Overview
刑事事件の全体の流れ
警察の取調べから始まり、検察(公訴庁)、裁判、刑の執行まで、刑事事件が進む全体の順序をまとめました。今どの段階にいるかを知っておくと、次の期限を逃さずにすみます。
今、どの段階ですか?
現在の段階を選ぶと、その段階の内容が下に表示されます。
手続の流れ図
ボックスをクリックすると、下に説明が表示されます。
- 基本段階
- 追加措置・選択
- 棄却・異議
- 手続終了
捜査開始
根拠: 刑事訴訟法第200条
告訴・告発・申告の受理または認知により、警察が捜査を開始します。被疑者には出頭要求書が送られます。
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告訴・告発・申告が受理されたり、警察が自ら犯罪を知ったりすると捜査が始まります。捜査の対象となった人を被疑者(捜査を受ける人)といいます。被疑者には「警察署に来て取調べを受けるように」という出頭要求書が届きます。出頭要求書には、被疑事実の要旨(嫌疑の内容の要約)など出頭を求める趣旨が書かれています。そのため、受け取ったらまず内容を確認しておきます。
- 所要期間
- 捜査・起訴・裁判の各段階は事件によって大きく異なり、段階ごとの期間は担当の捜査官・検事室・裁判部に確認します
- 費用
- 弁護人を選任すると選任費用がかかります。刑を宣告されると、裁判所は原則として証人の旅費などの訴訟費用の全部または一部を被告人に負担させます
手続の進行案内
最初から順番にお読みください。赤い文字は法律で定められた期限です。
- 1
告訴・告発・申告があったり、捜査機関が自ら犯罪を知ったりすると(認知)、捜査が始まります。被疑者には警察の出頭要求書(取調べに来るよう求める通知)が届きます。このときは、書類に書かれた被疑事実の要旨と担当の捜査官をまず確認します(捜査準則第19条第3項)。出頭する前に、何があったのか事実関係を整理しておきます。
- 2
警察が告訴人と参考人を取り調べ、被疑者尋問(警察が質問し被疑者が答える取調べ)を行います。弁護人はこの取調べに立ち会うことができます(刑事訴訟法第243条の2)。このときの供述は調書に記録され事件記録に残るため(第244条)、供述の方向性を前もって整理しておくのがよいでしょう。必要に応じて、押収・捜索、デジタルフォレンジック(携帯電話・パソコンの分析)、対質尋問が続きます。
- 3
警察が嫌疑ありと判断すると事件を公訴庁の検事(従来の検察)に送り(送致)、そうでなければ送らずに終わらせます(不送致)。不送致の場合は告訴人に7日以内にその理由が通知され(第245条の6)、告訴人などは決定に納得できなければ、通知を受けた日から3か月以内に異議申立てができます(第245条の7)。異議申立てがあると事件は公訴庁の検事に送られるため、不送致の後でも手続が続くことがあります。
- 4
公訴庁の検事が、警察から送られた記録を検討します。不足があれば警察に補完捜査を要求するため(第197条の2)、警察で再び取調べを受けることもあります。検事が被疑者を直接尋問することはありませんが、意見を聴いたり意見書を受け取ったりして事実関係を確認できます(第245条の13)。なお、2026.10.2から検察庁は廃止されました。今後、捜査は警察(重大犯罪は重大犯罪捜査庁)が担い、起訴と裁判での公訴の維持は公訴庁の検事が担います。
- 5
検事が起訴(正式裁判の請求または略式命令の請求)するか、不起訴(嫌疑なし・起訴猶予・公訴権なしなど)にするかを決めます。略式命令(法廷に出ずに書面だけで罰金を決める裁判)に納得できなければ、告知を受けた日から7日以内に正式裁判を請求します(第453条)。この期限を過ぎると争う機会がなくなるため、受け取った日付を必ず控えておきます。告訴人・告発人は、不起訴決定について通知を受けた日から30日以内に抗告(公訴庁法第57条)でき、告訴人はその次の段階として、抗告棄却の通知を受けた日から10日以内に高等裁判所に裁定申立て(第260条)ができます。
- 6
正式に起訴されると起訴状の副本(写し)を受け取ります。受け取った日から7日以内に意見書を提出します(第266条の2)。意見書で認める部分と争う部分を明らかにしておくことで、その後の裁判の争点が整理されます。必要に応じて公判準備手続で争点を先に整理した後、公判期日(法廷で開かれる裁判)で証拠調べ・証人尋問・被告人尋問が行われます。被害者は賠償命令の申立てと意見陳述ができます。
- 7
審理を終えた(弁論終結)日にすぐ宣告するのが原則です。別に宣告期日を定めた場合は終結後14日以内に宣告します(第318条の4)。実刑の場合は法廷でそのまま拘束(法廷拘束)されることがあるため、宣告日にはその可能性まで前もって備えておきます。執行猶予・罰金・宣告猶予が宣告されることもあります。
- 8
判決に納得できなければ宣告日から7日以内に控訴します。その後、裁判所から訴訟記録接受通知(記録が控訴裁判所に受理されたという通知)を受けた日から20日以内に控訴理由書を提出します(第358条、第361条の3)。控訴審判決に対しては7日以内に上告し、上告理由書は20日以内に提出します(第374条、第379条)。期限ごとに数え始める日が異なるため、日付を別々に控えておくと安全です。
現在の段階
これから守るべき期限
- 不送致通知 7日第3段階 送致/不送致の決定
- 略式命令に対する正式裁判請求 7日第5段階 起訴するかどうかの決定
- 意見書 7日第6段階 公判準備・公判期日
- 宣告期日を定めた場合 14日第7段階 判決の宣告
- 控訴 7日/控訴理由書 20日第8段階 控訴・上告
準備・確認事項
- 出頭要求書に書かれた被疑事実の要旨と担当の捜査官を確認します。
- 供述が食い違わないよう事実関係を時系列で整理し、メッセージ・録音・口座の取引履歴などの資料を確保します。
- 取調べでの供述は調書として残るため、取調べの前に弁護人と供述の方向性を整理します。
- 示談を考えているなら、時期によって効果がどう違うかを弁護人と相談します。
- 略式命令・判決は、書類を受け取った日と宣告日を控えておき、7日の期限を守ります。期限を過ぎると結果がそのまま確定することがあります。
- 事件の進行状況は、事件番号をもとに担当の捜査官・検事室・裁判部に問い合わせます。
弁護士が必要なとき
次のような場合は弁護士の助けが必要です。 出頭要求書を受け取ったがどんな嫌疑なのかわからない場合、拘束令状の請求が心配な場合です。 起訴・略式命令・判決に納得できず争う必要がある場合も同様です。
刑事手続の期限は短めです。 そのため、各期限内に早めに助けを得てこそ、対応する時間が生まれます。

現在の位置(8/8)
第8段階 · 控訴・上告
今すべきこと
判決に納得できなければ、宣告日から7日以内に控訴します。 その後、裁判所から「記録が受理された」という通知を受けた日から20日以内に控訴理由書を提出しなければなりません。
第2審判決に対する上告も同じ方式(7日・20日)です。 民事(2週間)より期限が短く逃しやすいので注意が必要です。
次に起こること
これが最後の段階です。
これから守るべき期限
- 控訴 7日/控訴理由書 20日第8段階 控訴・上告
根拠: 刑事訴訟法第358条、第361条の3、第374条、第379条
弁護士に依頼すべきとき
次のような場合は弁護士の助けが必要です。 出頭要求書を受け取ったがどんな嫌疑なのかわからない場合、拘束令状の請求が心配な場合です。 起訴・略式命令・判決に納得できず争う必要がある場合も同様です。
刑事手続の期限は短めです。 そのため、各期限内に早めに助けを得てこそ、対応する時間が生まれます。
よくある質問
この手続ですぐに気になる実務上の質問です。
- Q自分の事件が今どの段階にあるか、どこで確認できますか?
- 警察の段階では担当の捜査官に問い合わせます。送致された後は公訴庁(従来の検察)の担当検事室に、起訴された後は事件を担当する裁判所(裁判部)に問い合わせます。どこでも事件番号で問い合わせるので、通知書に書かれた番号を控えておきます。
- Q警察の取調べから判決までどのくらいかかりますか?
- 事件ごとに異なるため、はっきりとは言えません。法律で決まっているのは各段階の期限です。たとえば略式命令に対する正式裁判の請求と控訴は、7日以内にしなければなりません。段階ごとにかかる期間は、担当の捜査官・検事室・裁判部に確認します。
- Q弁護士はいつから選任すべきですか?国選弁護人はいつ付きますか?
- 警察に出頭する前に弁護人を選任しておけば、被疑者尋問(捜査機関が被疑者を取り調べること)に弁護人が立ち会えます。取調べでの供述は調書に記録され、事件記録に残ります。国選弁護人(国が選任する弁護人)は裁判所が選任します。そのため、勾留状実質審査、逮捕・拘束適否審査のときと、起訴された後の裁判所の段階で選任されます。それ以外の警察の取調べ段階では、自分で選任する私選弁護人だけが同行できます。
- Q罰金刑を受けただけでも前科になりますか?
- はい、前科になります。罰金以上の刑が確定すると、犯罪経歴資料(いわゆる前科)に残ります。起訴猶予は前科ではなく、捜査経歴資料に一定期間だけ残ります。宣告猶予は2年が過ぎると免訴(処罰なしで終わったこと)とみなされます。
- Q被害者との示談は、どの段階でするのが最も効果的ですか?
- 暴行・脅迫のように、被害者が処罰を望まなければ処罰できない罪を反意思不罰罪といいます。この罪は、第1審判決の宣告前までに処罰を望まないという意思を示すことができます。警察の段階であれば、公訴権なし(処罰できないため終わらせること)として不送致になります。起訴された後であれば、公訴棄却判決(本案の判断をせずに裁判を終わらせること)で終わります。それ以外の罪は、示談をしても事件は終わりません。ただし、刑を決める際に被害者との関係・犯行後の情状として考慮されます。そのため、いつ示談するかは罪名に応じて弁護人と相談します。
- Q家族が代わりに取調べを受けたり、書類を出したりできますか?
- 取調べは本人が受けます。弁護人の選任は、配偶者・直系親族・兄弟姉妹が本人に代わって行うことができます。示談書・嘆願書などの書類を家族が代わりに提出できるかは、事件を担当する捜査機関・裁判所に確認します。
弁護士が必要なとき
- 被疑者として取調べを受ける前に、弁護人と取調べの方向性と供述内容を整理しておくのがよいでしょう。取調べでの供述は調書に記録され、事件記録に残るからです(刑事訴訟法第244条)。
- 反意思不罰罪は処罰を望まない意思によって事件が終わり(刑事訴訟法第327条第7号)、それ以外の罪は刑を決める際に犯行後の情状などとして考慮されます(刑法第51条)。罪名によって示談の効果が異なるため、示談の時期もあわせて検討する必要があります。
- 刑事司法ポータルは、国民が刑事司法情報に簡単かつ迅速にアクセスできるよう運営されているサービスです(刑事司法手続電子化促進法第7条)。利用できる機能はポータルで確認します。
- 2026.10.2から検察庁が廃止され、公訴庁・重大犯罪捜査庁の体制に変わりました。この案内文に出てくる「検事」は、公訴庁の検事を指します。
関連法令
- 刑事訴訟法
- 検事と司法警察官の相互協力及び一般的捜査準則に関する規定

