CONTENTS
- 1. 薬物運転 | 定義

- - 薬物運転と飲酒運転の違い
- 2. 薬物運転 | 薬物の範囲

- - 麻薬・向精神薬・大麻
- - 幻覚物質
- 3. 薬物運転 | 処罰基準の強化

- - 薬物運転の処罰の水準
- 4. 薬物運転 | 薬物測定不応罪の新設

- - 薬物測定の要求
- - 薬物測定不応時の処罰
- 5. 薬物運転 | 運転免許の行政処分

- - 薬物運転時の運転免許取消
- - 薬物測定の拒否時の免許取消し
- - 免許取消後の欠格期間
- 6. 薬物運転 | 対応のコツ

- - 支援が必要であれば
1. 薬物運転 | 定義

薬物運転とは、道路交通法上、薬物の影響により正常な運転が困難な状態で車両を運転する行為を指します。
飲酒運転とは異なり、血中アルコール濃度の基準が存在しなくても、薬物により認知・判断能力が低下した状態であれば薬物運転に該当する可能性があります。
最近、麻薬類のみならず、医療用薬物、幻覚物質を服用した後の運転事例が増加しており、薬物運転は交通安全を重大に脅かす行為として認識されています。
薬物運転と飲酒運転の違い
薬物運転と飲酒運転は、いずれも運転者の正常な運転能力が低下した状態での運転を禁止するという点で共通しています。
ただし、両者は判断基準と立証方式において違いがあります。
飲酒運転は血中アルコール濃度という明確な数値基準を通じて違反の有無が判断されます。
一定の数値を超えた場合、運転状態に関係なく飲酒運転として処罰が行われます。
一方、薬物運転は特定の数値基準が存在せず、薬物が運転者の認知・判断能力に実際に影響を及ぼしたかどうかを中心に判断されます。
すなわち、薬物の服用事実だけでただちに薬物運転に該当するわけではなく、当時の運転状態と薬物の影響の程度が総合的に検討されます。
2. 薬物運転 | 薬物の範囲
道路交通法で規定する「薬物」は、単に違法麻薬類に限定されません。
法令上、薬物運転の判断基準は物質の違法性の有無ではなく、当該物質が運転者の認知・判断・身体反応に影響を及ぼして正常な運転が可能か否かにあります。
したがって、合法的に処方された薬物や日常生活で接することができる化学物質であっても、その影響により正常な運転が困難な状態で車両を運転した場合は薬物運転に該当する可能性があります。
道路交通法はこのような危険性を考慮し、薬物の範囲を別途の法律を準用して幅広く規定しています。
道路交通法で規定する「薬物」は、次のうちいずれかに該当する物質を意味します。
麻薬・向精神薬・大麻
「麻薬類管理に関する法律」第2条に基づく麻薬、向精神薬および大麻をいいます。
違法な麻薬のみならず、プロポフォール、ゾルピデムなど医療目的で処方される向精神薬も含まれ、服用後に運転能力に影響を及ぼした場合は薬物運転として問題となる可能性があります。
幻覚物質
「化学物質管理法」第22条により、興奮・幻覚または麻酔作用を引き起こす化学物質として大統領令で定める物質を指します。
具体的には次のような物質が幻覚物質に該当します。
ㆍ上記物質を含むシンナー、接着剤、風船類、塗料などの有機溶剤
ㆍブタンガス
ㆍ亜酸化窒素(医療用に使用される場合は除く)
このような幻覚物質を摂取または吸入した状態で運転した場合、当該物質が一時的な興奮や麻酔状態を引き起こしたかどうかにかかわらず、正常な運転が困難な状態と評価されれば薬物運転に該当する可能性があります。
特に日常で容易に接することができる物質であっても、使用目的に関係なく運転能力に影響を及ぼしたのであれば、薬物運転として処罰の対象になる可能性があります。
3. 薬物運転 | 処罰基準の強化

最近、麻薬類だけでなく、向精神性医薬品、 幻覚物質を服用した後の運転事例が増加するに伴い、道路交通法は薬物運転に対する処罰基準を大幅に強化しました。
薬物運転は、単なる違反行為を超えて重大な交通事故につながる危険が大きいという点で、飲酒運転と類似する水準の厳重な制裁が適用されます。
薬物運転の処罰の水準
道路交通法第45条および第148条の2によれば、 薬物の影響で正常に運転できないおそれがある状態で車両を運転した場合、次のような刑事処罰が適用されます。
▶ 道路交通法第148条の2(罰則)
これは従来の 3年以下の懲役または 1,000万ウォン以下の罰金であった処罰基準を引き上げたもので、 薬物運転を飲酒運転と類似した水準の重大犯罪として厳格に処罰するという趣旨が反映された結果です。
また、薬物運転で罰金刑以上の刑を宣告され、刑が確定した日から10年以内に再び犯罪を犯したのであれば、さらに重い処罰を受けることになります。
▶10年以内の再犯時の処罰の水準
2年以上6年以下の懲役または1,000万ウォン以上3,000万ウォン以下の罰金
当該処罰基準は 2026年 4月から施行され、その以降に発生した薬物運転行為から強化された処罰規定が適用されます。
4. 薬物運転 | 薬物測定不応罪の新設
薬物運転に対する取締りの実効性を高めるために、道路交通法は薬物測定不応罪を新たに導入しました。
これは薬物服用の有無の確認が難しいという従来の限界を補完し、取締りの過程での空白を解消するための措置です。
薬物測定の要求
道路交通法第45条によれば、警察公務員は 唾液簡易試薬検査など法令で定められた方法で薬物服用の有無を測定することができます。
この場合、運転者は警察公務員の測定要求に応じなければならず、 測定結果に不服する場合には運転者の同意を受けて血液採取など追加的な方法で再び測定できるよう規定しています。
薬物測定不応時の処罰
薬物の影響で正常な運転が困難であると疑うに足る相当な理由があるにもかかわらず、 正当な事由なく薬物測定を拒否する場合、薬物測定不応罪が成立し得ます。
薬物測定不応罪に該当する場合に適用される刑事処罰は次のとおりです。
▶ 道路交通法第148条の2(罰則)
5年以下の懲役か 2,000万ウォン以下の罰金
もし薬物測定を拒否して罰金刑以上の刑を宣告され刑が確定した日から10年以内に再び同じ犯罪を犯したならば、さらに重い処罰を受けることになります。
▶10年内の再犯時の処罰の水準
1年以上6年以下の懲役か500万ウォン以上3,000万ウォン以下の罰金
これは、実際の薬物服用の有無に関係なく、測定要求に応じなかった行為自体を処罰対象とする規定であり、 2026年 4月から施行されます。
5. 薬物運転 | 運転免許の行政処分
薬物運転は、刑事処罰とは別に運転免許の取消し・停止など強力な行政処分が併せて科されます。
特に薬物運転だけでなく薬物測定の不応行為まで免許取消事由として明確に規定され、行政処分の水準が一層強化されています。
薬物運転時の運転免許取消
道路交通法第93条によれば、第45条第1項に違反し、薬物の影響により正常な運転ができないおそれのある状態で自動車を運転した場合、運転免許は取り消されます。
これは単純な裁量処分ではなく、法が定める免許取消事由に該当します。
したがって、薬物運転が認定された場合、罰金刑や執行猶予の宣告の有無にかかわらず、すべての運転免許が取り消される可能性があります。
薬物測定の拒否時の免許取消し
薬物の影響により正常な運転が困難であると見なすに足る相当な理由があるにもかかわらず、警察公務員の薬物測定要求に応じなかった場合にも、運転免許は取り消されます。
すなわち、実際の薬物服用の有無が明確に確認されなくても、測定要求を拒否した行為だけで免許取消し処分が下されうるのです。
免許取消後の欠格期間
薬物運転は免許取消にとどまらず、一定期間運転免許の再取得が制限される欠格事由としても規定されています。
次に該当する場合には、運転免許が取り消された日から2年間運転免許を取得することができません。
▶ 警察公務員の薬物測定要求に対する不応行為を2回以上違反した場合
▶ 薬物の影響により正常な運転が困難な状態で車両を運転していて交通事故を発生させた場合
このような場合には、単に免許が取り消されるだけでなく、欠格期間中の新規運転免許の取得自体が制限されます。
6. 薬物運転 | 対応のコツ

薬物運転は、単なる事実関係だけでは結論が出にくく、 捜査の過程での対応の仕方に応じて刑事処罰や行政処分の範囲が大きく変わり得ます。
特に、薬物運転は飲酒運転と異なり明確な数値基準が存在しないため、 初期対応が事件の方向を左右する核心的な要素として作用します。
▶ 薬物の服用の事実だけで断定しないこと
当該薬物が実際に運転者の認知・判断能力に影響を及ぼし、正常な運転が困難な状態であったかどうかが核心的な判断基準です。
したがって、捜査の段階で単なる服用の事実のみを前提に不利な供述をすることは注意が必要です。
▶ 処方薬の服用の場合、客観的な資料の確保
特に、眠気の誘発の有無、 個人別の反応の違い、 事故または取締り当時の運転状態を立証できる資料は、薬物運転の成立の有無を争う核心的な根拠として活用され得ます。
▶ 薬物測定の手続きの適法性の検討
警察公務員が薬物の測定を要求できるのか、 測定の方式が適法であったのか、 測定結果の解釈に誤りはないのかどうかは、事件の争点となる場合が多いです。
支援が必要であれば
薬物運転は刑事処罰のみならず、運転免許取消などの行政処分が同時に行われる可能性があります。
したがって、捜査段階から刑事責任と免許の行政処分を併せて考慮した対応戦略を立てなければ、不利益が生じる可能性があります。
初期対応段階で事実関係の整理と法的争点の分析を十分に行ったうえで、専門的な支援を通じて対応の方向性を設定することが重要です。
当法人は、事案に応じて薬物の成分と作用、服用の経緯、測定手続きの適法性、運転状態に関する客観的な資料を総合的に分析し、総合的な支援を提供します。
また、捜査段階では不必要な陳述により不利な解釈がなされないよう対応の方向性を設定し、その後の刑事処罰の水準と行政処分の範囲を併せて考慮した実質的な防御戦略を構築しています。
もし薬物運転で法的支援が必要な状況であれば、いつでも交通事故専門弁護士とともに対応戦略を立てられることをお勧めします。











