CONTENTS
- 1. 懲戒不服|不当な懲戒に対する不服

- - 懲戒処分取消訴訟の対象となる懲戒の種類
- - 国家公務員法上の公務員の義務
- - 懲戒の種類
- 2. 懲戒不服|懲戒事実の業務処理手続

- - 懲戒処分取消訴訟の事例
- - 懲戒の程度の決定
- - 退職希望公務員の退職制限
- - 懲戒等の執行による効力
- 3. 懲戒不服|訴請および行政訴訟

- - 訴請審査委員会への審査請求
- - 懲戒処分無効・取消訴訟
- 4. 懲戒不服|懲戒不服の核心要件

- - 不服のための対応のポイント
1. 懲戒不服|不当な懲戒に対する不服

懲戒不服とは、公務員が受けた懲戒処分が不当であると判断した場合に提起する救済手続である。
懲戒とは、公務員の義務違反に対して国が使用者としての地位から下す行政上の制裁を指す。
懲戒事由とは、国家公務員法に基づく公務員の義務違反行為を指す。
- 国家公務員法等の命令違反
- 職務上の義務違反および職務怠慢
- 職務の内外を問わず公務員の体面・威信を損なう行為(飲酒運転、買春、不貞行為、暴行等)
懲戒処分取消訴訟の対象となる懲戒の種類
• 会社が労働者に下す懲戒の種類は次のとおりです。
1. 警告
2. 譴責
3. 減給
4. 職級の降格
5. 停職
6. 解雇
国家公務員法上の公務員の義務
国家公務員法上の公務員の義務は以下のとおりである。
8大義務
①宣誓義務、②誠実義務、③服従の義務、④親切・公正の義務、⑤宗教中立の義務、⑥秘密厳守の義務、⑦清廉の義務、⑧品位維持の義務
4大禁止
①職場離脱禁止、②営利業務および兼職禁止、③政治活動の禁止、④集団行為の禁止
このような懲戒事由が認められる以上、刑事事件の捜査中であっても、有罪が認定されていなくても懲戒処分を行うことができる。
特に刑事事件について無罪判決を受けた場合であっても、懲戒処分を行うことができる。
懲戒の種類
公務員の懲戒は免職、解任、降格、停職、減俸、戒告の6種がある。
免職、解任、降格または停職が重懲戒、減俸または戒告は軽懲戒と呼ばれる。
「不問警告」という懲戒量定は戒告に該当するが、減軽対象の功績がある場合や嫌疑者の非違行為が業務処理過程で発生した過失に該当する場合に減軽したものである。
法律上の懲戒処分ではないが、1年間人事記録カードに登載され、事実上懲戒に準ずる不利益が伴う。
2. 懲戒不服|懲戒事実の業務処理手続

公務員の懲戒事実は以下のような業務処理手続を経て懲戒処分が下される。
非違事実の摘発 | -監査院、検察、警察、自体調査等を通じて非違事実を摘発 -懲戒議決等の要求権を有する行政機関の長に内容を通報 |
懲戒議決要求 | -行政機関の長は1か月以内に嫌疑者に対し重・軽懲戒を区分 -懲戒委員会に懲戒議決を要求 |
懲戒等の議決 | -懲戒委員会の事実調査および委員会開催3日前に出席通知 -議決は懲戒議決要求書の受理日から30日以内(中央懲戒委員会は60日) |
懲戒等の議決通報 | -遅滞なく懲戒等の議決書を通報 |
懲戒処分等 | -15日以内に懲戒処分等を実施 -処分事由説明書を交付 |
訴請および行政訴訟 | -懲戒不服の場合、30日以内に訴請審査委員会に審査請求 -訴請審査委員会の決定に不服の場合、90日以内に行政訴訟 |
懲戒処分取消訴訟の事例
1. 軽い 暴行事件で 解任処分を 受けた 場合
: 職務と 関連した 暴行事件では なく、
公益と 無関係とは いえない 暴行事件である ことを 考慮した際に 懲戒が 重いと 判断され、 懲戒処分が 取り消された 事例です。
2. 性犯罪で 恋人に 告訴を 受けて 会社で 懲戒処分を 受けたが 嫌疑なしで 事件が 終結した 場合
: 性犯罪 事件が 嫌疑なしで 終結し、 類似 事例の 再発 防止の ために 懲戒処分が 取り消された 事例です。
3. 賞味期限が 過ぎた 会社所有の 食品を 持ち帰った 職員に 懲戒処分を 下した 場合
: 財産価値が ないと 見て 懲戒処分が 取り消された 事例です。
4. 同僚に 「恋人と 避妊に気をつけろ」 という発言で 懲戒処分を 受けた 場合
: 同僚が 先に 性に関する 悩みを 打ち明け、 これに 答えて あげた ものと 思われると して 懲戒処分が 取り消された 事例です。
懲戒の程度の決定
懲戒不服が必要となるほどの重懲戒が下された場合、その程度の決定に対して不満を抱くことがある。
懲戒委員会は懲戒等の事件議決時に以下のような程度・情状を参酌する。
退職希望公務員の退職制限
公務員が自ら退職を希望した場合であっても、任用権者等は免職、解任、降格等の懲戒事由がある場合、必ず監査院、検察等の調査および捜査機関に確認しなければならない。
確認の結果、懲戒事由がある場合や刑事事件の起訴、調査および捜査等が進行中の場合には、免職から停職に該当する場合は直ちに懲戒議決を要求しなければならず、退職を許容してはならない。
懲戒等の執行による効力
懲戒委員会の議決は懲戒処分を行うことにより対外的に懲戒等の効力が発生する。
懲戒等の処分権者は懲戒議決等を執行した後、遅滞なく事由説明書と懲戒付加金納付告知書等を併せて交付しなければならない。
原懲戒処分が取消または変更された場合、改めて執行するのではなく原処分日に遡及して変更または取消される。
懲戒処分期間中の嫌疑者が再び懲戒議決を受けた場合、執行は以下のとおりである。
- 停職執行中に停職、減俸処分:先行する停職処分の執行満了の翌日から後行の懲戒を執行
- 減俸執行中に停職処分:先行する減俸処分の執行満了の翌日から後行の停職を執行
3. 懲戒不服|訴請および行政訴訟
懲戒嫌疑者は懲戒議決等の要求権者に不服申立てをすることができる。
- 審査または再審査:懲戒議決の通報を受けた日から15日以内に直近上級機関に設置された懲戒委員会に請求(免職、解任は上級監督機関の長)
- 国務総理所属の設置懲戒委員会の議決:当該懲戒委員会に再審査請求
- 中央行政機関設置の懲戒委員会:国務総理所属の設置懲戒委員会に審査請求
ただし、懲戒処分等の後は再審査請求ができない。
訴請審査委員会への審査請求

処分を受けた嫌疑者は懲戒処分等に不服がある場合、懲戒処分等の事由説明書を受け取った日から30日以内に訴請審査委員会に審査を請求することができる。
訴請審査制度は行政審判制度の一種であり、違法または不当な不利益処分に対する救済を指す。
訴請審査委員会は在籍委員の3分の2以上の出席、出席委員の過半数の合議により事件を決定し、決定の種類は以下のとおりである。
- 取消
- 変更
- 無効確認
- 棄却
- 却下
- 認容決定
訴請審査時の留意事項
免職または解任、免職処分の場合、40日以内は後任者の補充発令をすることができない。
また訴請審査委員会に審査請求をしたことを理由に不利益な処分や処遇を受けてはならない。
懲戒処分無効・取消訴訟
懲戒処分、不利な処分または不作為に関する行政訴訟は、訴請審査委員会の審査・決定を経ていなければ提起できない。
不服の場合、決定を受けた日から90日以内に行政訴訟を提起すればよい。
訴訟において公務員は懲戒事由の不存在、手続上の瑕疵、懲戒量定の裁量権逸脱・濫用等を主張し、証拠としては監査報告書、懲戒決定書、同僚の証言、メール、録取録等を活用できる。
ただし訴請または行政訴訟において懲戒処分に対する無効・取消の決定や判決があった場合、処分権者が再懲戒議決を要求することもある。
懲戒不服のために処分無効または取消訴訟として行政訴訟を進行し無効、取消判決を受けた場合には、改めて懲戒議決を要求しなければならない。
4. 懲戒不服|懲戒不服の核心要件

公務員の懲戒不服において最も頻繁な争いは、大きく三つの争点に分けられる。
懲戒事由の存在の有無
- 懲戒事由が客観的事実に基づく十分な立証の有無
- 故意または重大な過失が認められるか否か
懲戒手続の適法性
- 懲戒委員会の構成の適法性
- 懲戒対象者に十分な釈明の機会が保障されたか
- 時効経過の有無
手続上の重大な瑕疵がある場合、懲戒処分は無効となる。
懲戒量定の比例原則違反の有無
- 非違事実に対して過度に重い処分は裁量権の濫用に当たる
不服のための対応のポイント
懲戒不服を控えた嫌疑者であれば、審査および訴請審査等の段階以前から事実関係に対する疎明資料を最大限確保しなければならない。
特に訴請審査委員会では弁護士を代理人として指定し選任できるため、必要であれば弁護士との早期相談を通じて陳述書、意見書について助言を受け、防御権を十分に行使しなければならない。
公文書、メール、録取録、CCTV等の事実関係を立証できる資料を徹底的に確保しなければならず、特に調査報告書と懲戒決定書の内容に矛盾や誇張がある場合にはこれを立証する資料が必要である。
また訴請審査の認容可能性が低いと判断される場合、訴請審査の結果が出た時点で直ちに訴訟準備に着手し、提訴期間を逸しないようにしなければならない。
公務員の懲戒不服は、懲戒事由が事実であるか否かのみでは結論が出ない。
懲戒手続の適法性、比例原則の遵守の有無、裁量権濫用等の法的争点が複合的に作用する。
特に訴請審査という前置手続と厳格な提訴期間が存在するため、労働専門弁護士、行政専門弁護士、労務士等の専門的な法律検討と迅速な対応が可能な法人を訪れることを勧める。









