CONTENTS
- 1. 軍人性的わいせつ | 概念

- - 軍人性醜行の同性
- - 軍人わいせつ行為 民間人
- 2. 軍人性的わいせつ | 主な類型及び事例

- - 軍人性的わいせつの実際の事例
- - 軍人性醜行の結果的加重犯
- - 軍人性醜行の軍刑法上の醜行罪
- 3. 軍人性的わいせつ | 処罰水準

- 4. 軍人性的わいせつ | 対応方法

- - 予防の心得及び注意事項
- - 除隊後も責任を問われ得る
- 5. 軍人による不同意わいせつ | 専門弁護士の防御戦略

1. 軍人性的わいせつ | 概念

軍人性的わいせつとは、軍刑法の適用を受ける軍人が軍隊内で軍人、準軍人を相手に不同意わいせつの犯罪を犯すことをいう。
民間人によるわいせつ行為と異なり、軍刑法で別途処罰され、軍組織内の秩序維持と軍規律の確立を目的とする。
軍人性的わいせつを犯した場合、軍の規律を損ない、軍内の雰囲気を乱すおそれがあるため、捜査の過程で圧力を受けることがあり、疑いを晴らすのが難しいことがある。
閉鎖的な軍組織の特性上、軍人性的わいせつの疑いについて無罪弁論ができる証拠資料を確保することは極めて難しい。
軍人性的わいせつは、刑事処罰はもちろん 軍の懲戒処分まで科され、軍人の職位そのものを失うこともある。
近年、軍内の同性間の身体接触だけでも軍人性的わいせつ事件として刑事処罰の対象となっているため、意思に反する強制的な同性間のスキンシップ行為は軍人性的わいせつに該当することを認識しておく必要がある。
軍人性醜行の同性
軍人性醜行は、同性間で発生することもあります。
実際に、軍隊に義務的に服務するのは男性の比率が圧倒的であるだけに、同性間の醜行および強姦が起こる場合があります。
同性間の身体的接触を大したことではないと考える社会的な雰囲気上、軍人性醜行の被害を容易に申告できない場合が多いですが、意思に反する身体接触は性醜行に属するということを、性別に関係なく心に留めておくべきです。
同性間の性醜行行為もまた、性犯罪の構成要件を成立させるのであれば、処罰を受ける可能性があります。
したがって、事実関係に応じて把握した後、望まない身体的接触、性的行為などを強要されたのであれば、軍人性醜行の成立の有無を判断してみるべきです。
ただし、軍人性醜行の犯罪のうち強姦罪は、構成要件が性器間の結合であるため、同性間の性行為によってはその要件が成立しません。
したがって、暴行および脅迫によって行われた同性間の性行為は、類似強姦罪が成立します。
軍人わいせつ行為 民間人
軍人によるわいせつ行為において、よく誤解されるのは、一般の軍人が休暇などで外出して民間人を相手にわいせつ行為を行った場合に、軍刑法の適用を受けるかどうかという点です。
軍刑法は第15章「強姦と醜行の罪」において軍人のわいせつ行為に関連する罪を規定しており、被害の主体は軍刑法の適用を受ける軍人です。
したがって、軍刑法の適用を受けて重く処罰される軍人わいせつ行為の罪が成立するためには、被害者が軍刑法の適用を受ける軍人でなければならないということです。
軍人が民間人を相手にわいせつ行為などの罪を犯した場合は、一般の刑法の適用を受けて処罰されます。
軍人の身分で刑事処罰を受け、別途に懲戒処分を科される場合もあり得ます。
2. 軍人性的わいせつ | 主な類型及び事例

軍人性的わいせつの主な類型及び事例について見ていく。
1. 偽計・威力によるわいせつ行為
上級者が下級者にセクハラ・身体接触を行う行為
2. 同性間のわいせつ行為
閉鎖的な内務生活の中での同性間の性的行為の強要又は身体接触
3. 言語的セクハラ
性的な冗談、容姿への評価、性に関する発言などで羞恥心を誘発
4. デジタルわいせつ行為
携帯電話などデジタル機器を通じたわいせつ物の送信、不法撮影、性的メッセージの送信など
相手の意思を制圧するほどの強力な物理力を用いなくても成立し、意図しない身体接触やふざけたスキンシップであっても、相手を不快にさせた場合には成立し得る。
軍人性的わいせつの実際の事例
1. 性的な目的がなくてもわいせつ行為に該当すると判断された事例
軍隊で性的な目的なく二等兵の同期の尻を一瞬触れた場合でもわいせつ行為に該当するとの裁判所の判決が出された。
親しみを示そうと1秒ほど尻を軽くたたいたものであり、わいせつ行為ではなく故意のない行為だと主張したが、裁判所は同性同士で性的な意図がなかったとしても、尻に触れたのであればわいせつ行為であると判断した。
2. 身体の特定部位を指でたたいた行為もわいせつ行為に該当
部隊の宿舎で休暇に出るために正服に着替えていた後任兵の身体の特定部位を指でたたいた行為もまた、わいせつ行為として認められた事例である。
3. 軍人間の合意による性交渉は無罪とする判決
同性の軍人同士が互いの合意のもとで性交渉を持ったのであれば処罰できないとの判決が出された。
裁判所は、軍刑法の条項の保護法益は「軍という共同社会の健全な生活と軍紀」という社会的法益であると述べ、当事者らの自発的な合意による性的満足の行為は保護法益に危害を加えるとはみなしがたいと明らかにした。
軍人性醜行の結果的加重犯
軍人性醜行の犯罪に よって 結果的に 傷害および 死亡の 結果を 発生させた 場合、 加重処罰されます。
• 軍人などを強姦・強制醜行して 傷害したり 傷害に 至らせた者
無期懲役 または 7年 以上の懲役刑
• 軍人などを強姦・強制醜行して殺人したり殺人に 至らせた者
死刑、無期懲役 または 10年 以上の懲役刑
軍人性醜行の軍刑法上の醜行罪
軍人性醜行の処罰規定のうち、一般の刑法では規定していない、 肛門性交やその他の醜行をした者を処罰する規定が存在します。
「その他の醜行」に関連して、やや曖昧であるという意見がありますが、詳しい解釈は判例などを参考にすべきです。
軍刑法第92条の6(醜行)
第1条第1項から第3項までに規定された者に対して肛門性交やその他の醜行をした者は、2年以下の懲役に処する。
当該条項の適用を受けて処罰を受けるためには、軍隊での同性間の性行為などの何らかの性的接触があった場合、実質的な法益侵害が立証されなければなりません。
3. 軍人性的わいせつ | 処罰水準

軍人性的わいせつの処罰水準について見ていく。
▶不同意わいせつ:1年以上の有期懲役
▶不同意性交等:5年以上の有期懲役
▶不同意性交等(口腔・肛門性交等):3年以上の有期懲役
刑法による不同意わいせつ罪は10年以下の懲役又は1,500万ウォン以下の罰金が科されるのに対し、軍人性的わいせつは罰金刑と懲役刑の上限がないため実刑が宣告される場合が多い。
のみならず、身上情報の登録義務、身上情報の公開などの保安処分が伴うことがあり、軍の懲戒処分が下される。
4. 軍人性的わいせつ | 対応方法
わいせつ行為の被害者及び被疑者の立場からの対応方法について見ていく。
▶被害者の対応
-直ちに信頼できる上級者又は性苦情相談官に申告
-証拠の確保:メッセージ、通話の録音、CCTV、目撃者の陳述など
-可能な場合は軍人権センター又は外部の法律救助機関に支援を要請
▶被疑者(加害者と名指しされた者)の対応
わいせつ行為の被疑者と名指しされた場合には、次のような方式で対応する必要がある。
1. 事件初期の供述に慎重を期すこと
-最初の供述内容が捜査及び裁判の基礎となるため、不利な供述を避け、供述拒否権を行使できる
-事件の内容を明確に記憶していない場合や感情的な対応が懸念される場合は、直ちに法律専門家の支援を要請
2. 証拠の分析及び反論資料の確保
-被害者の主張に対応できる会話履歴、CCTV、周辺者の証言を確保
-会話が相互の同意に基づいていたか、性的意図があったかを中心に構成
3. 性的意図と強制性の否認
-単純な身体接触、言い間違いなどは性的意図と強制性がないことを強調
予防の心得及び注意事項
軍人性的わいせつは、予防が何よりも重要である。
特に閉鎖的で階級構造がはっきりした軍隊では、些細な誤解もわいせつ行為に発展し得るため、日頃の行動に格別の注意が必要である。
以下は、軍人性的わいせつを予防するために軍人が必ず熟知しておくべき基本の心得である。
1. 私的な空間で二人きりになる状況を避ける
生活館、官舎などで異性又は下級者と二人きりになる状況は誤解を招くおそれがあるため、避けるのが望ましい。
2. 飲み会での過度な身体接触・冗談を控える
会食の場で飲酒中に生じた言動も、性的屈辱感を誘発すれば軍人性的わいせつになり得る。肩を組むこと、ふざけたタッチにも注意が必要である。
3. セクハラ予防教育の定期的な受講と意識改善の努力
性に関する冗談、容姿への評価などは、本人には冗談であっても相手には侮辱となり得る。ジェンダー感受性を養うための教育への参加が必要である。
除隊後も責任を問われ得る
軍服務中に発生した軍人性的わいせつ事件は、除隊すれば終わるというものではない。
刑事処罰が確定した場合、性犯罪者の身上情報の登録、電子監督対象の指定、就業制限命令など、民間での法的不利益が伴うことがあり、被害者から損害賠償請求など民事訴訟が別途提起されることもある。
また、軍の刑事判決が民間機関の人事検証の過程で活用されることがあり、除隊後も社会的な烙印や経歴の断絶など実質的な不利益につながり得るため、初期対応から長期的な観点の戦略が必要である。
5. 軍人による不同意わいせつ | 専門弁護士の防御戦略
軍人による不同意わいせつ事件は、軍刑法や軍事裁判、懲戒処分、損害賠償請求まで多方面の法的争点が絡み合っており、単純な刑事弁護を超えた複合的な戦略の構築が求められる。
法務法人大輪は、次のような分野について専門的かつ実質的な助力を提供している。
1. 捜査初期の対応および取調べ時の供述戦略に関する助言
軍司法警察・軍検察の取調べで予想される質問への事前準備、供述時の留意事項および防御ポイントの戦略構築
2. 軍刑事事件に関する法理分析および判例検討
軍人による不同意わいせつおよび不同意性交等罪など主要な軍刑法条項の適用可否の検討、無罪主張が可能な判例および法理の分析
3. 被害者との示談の調整および示談書の内容検討
被害者側との交渉の代行、示談金の規模の妥当性の判断、裁判所に提出できる形式の示談書の検討
4. 反省文、嘆願書およびその他の量刑資料の作成支援
実効性のある量刑資料を裁判所の視点に合わせて構造化し、提出の時期や戦略まで併せて助言
5. 軍の懲戒処分および除隊処分への対応
わいせつ行為に関連する軍内部の懲戒手続(譴責・停職・罷免など)に対する疎明資料の提出および処分不服手続の代理
6. 損害賠償請求訴訟および民事責任への対応
刑事事件とは別に提起され得る慰謝料請求など民事訴訟についての法律代理および防御戦略の提供
7. 軍の懲戒・除隊処分に対する行政訴訟の代理
不当な懲戒および除隊処分に対する異議申立て、訴請審査、行政訴訟対応の全過程の遂行
軍人による不同意わいせつ事件は、閉鎖的で階層的な軍組織の特性上、いわれのない嫌疑を受けたり、適切な対応の機会を逃したりしやすい。
性的意図のなかった身体接触も軍刑法上の不同意わいせつと解釈され得るため、初期の供述と証拠の確保、防御戦略の構築が何よりも重要である。
軍事裁判、懲戒、民事責任にまで連なり得る軍人による不同意わいせつ事件は、複合的な法的判断が求められるため、専門家の助力を通じて戦略的に対応することが望ましい。
法務法人大輪は、軍刑法を専門とする弁護士、性犯罪を専門とする弁護士、民事を専門とする弁護士がTFによる対応を通じて、個別の事情に合わせた弁護戦略を提供している。
軍人による不同意わいせつでお困りの場合は、他地域への移動なく衛戍地域内で速やかな相談が可能な法務法人大輪にご相談いただきたい。











