CONTENTS
- 1. 接近禁止事前処分 | 定義

- - 接近禁止仮処分の申請対象
- - 申請が必要な場合
- - 接近禁止事前処分 | 申請手続き
- 2. 接近禁止事前処分 | 効力

- - 接近禁止事前処分の主な業務分野
- - 刑事上の接近禁止仮処分期間
- - 民事上の接近禁止仮処分
- - 家事訴訟法上の接近禁止仮処分
- - 臨時措置の期間および延長の可否
- 3. 接近禁止事前処分 | 申請方法

- - 申立ての主体および方法
- - 必要な書類および資料
- - 裁判所の決定手続
- - 決定の変更・取消しの申立て手続
- 4. 接近禁止事前処分 | 違反時の措置

- - 臨時措置違反時に可能な措置
- 5. 接近禁止事前処分 | 保護命令制度

- - 保護命令の主な内容
- - 保護命令の期間と延長
- 6. 接近禁止事前処分 | 申立て前の点検事項

- - 離婚弁護士による支援体制
1. 接近禁止事前処分 | 定義

接近禁止事前処分は、 「家庭内暴力犯罪の処罰等に関する特例法」に基づく裁判所の臨時措置である。
これは、家庭内暴力の被害者と家庭構成員の安全を確保するため、加害者の住居からの退去及び接近禁止を命じる制度である。
臨時措置は被害者の迅速な保護と家庭内暴力の再発防止を目的とし、被害者又は検察官の請求により裁判所が迅速に決定する。
接近禁止仮処分の申請対象
• 接近禁止仮処分は次のような場合に必ず申請を検討する必要があります。
√ ひどいストーカー犯罪の被害者となった時
√ 誰かの持続的な脅迫や暴言、嫌がらせなどで日常生活ができない時
√ 望まない相手が持続的に連絡をしてくる時
√ 家庭暴力やデート暴力で相手方から逃れたい時
√ 営業場に来て毎日のように営業妨害をする者がいる時
申請が必要な場合
接近禁止事前処分は、家庭内暴力の被害者が次のような状況に置かれ、迅速な保護が必要な場合に申請する。
▷ 被害者又は家族の住居、職場、日常生活の場所などで接近が懸念される場合
▷ 電気通信手段(電話、文字メッセージ、SNS など)を利用した連絡や接近が予想される場合
▷ 被害者の身体的・精神的な安全が緊急に保護されるべき場合
▷ 既に家庭内暴力の行為があり、再発の危険が高い状況で追加の被害を防ごうとする場合
接近禁止事前処分 | 申請手続き
① 申請書の提出
被害者の安全を脅かす具体的な事由と証拠資料を含めて、裁判所に接近禁止事前処分申請書を提出します。
② 証拠の収集および提出
文字メッセージ、通話録音、CCTV映像、証人陳述など加害者の脅威を立証できる資料を準備して裁判所に提出します。
③ 尋問期日の進行
裁判所は両者の陳述を聞き、加害者の脅威の有無と処分の必要性を審査します。
④ 処分命令の発令
裁判所は被害者の安全のために加害者に対する接近禁止命令を下します。これは一定期間有効であり、必要な場合は延長可能です。
⑤ 処分後の対応
接近禁止命令が下された後にも、加害者がこれに違反すれば、即座の法的措置を通じて処罰を要請することができます。
2. 接近禁止事前処分 | 効力
接近禁止事前処分を通じて被害者は次のとおり迅速かつ強力な保護措置を受けることができる。
② 被害者又は家庭構成員の住居、職場などから 100メートル以内の接近禁止
③ 被害者又は家庭構成員に対する電気通信を利用した接近禁止
このような臨時措置は、被害者の安全を迅速に確保し、家庭内暴力の再発を効果的に遮断することを目的とする。
裁判所は被害状況の緊急性と深刻性を考慮して必要な措置を決定し、被害者の保護を最優先とする。
接近禁止事前処分の主な業務分野
接近禁止事前処分に関する主な業務分野は以下のとおりです。
接近禁止事前処分に 関する事件の 経緯の 検討および 相談
接近禁止事前処分の 離婚 訴訟 以前の 申請 可否
接近禁止事前処分に 関する 事件の 現場 CCTVの 確保および 関連 資料の 確保 業務
接近禁止事前処分の 申請 以前の 刑事告訴の 進行
接近禁止事前処分の 認容 決定 以降の 手続きの 案内
接近禁止事前処分の 申請書の 代理作成および 提出
接近禁止事前処分の 命令 違反時の 申告 方法の 案内
接近禁止事前処分の 臨時措置 期間の 延長 手続きおよび申請
接近禁止事前処分に 関する 相談
裁判所の 審理期日への 同行および支援
子の 接近禁止事前処分に 関する 相談
接近禁止事前処分に 関する 損害賠償 請求
被害者保護命令に 関する 相談
民事上の 接近禁止仮処分の進行 可否
接近禁止事前処分の 申請後の 離婚 訴訟の 進行における不利益の 有無の 相談
その他 接近禁止事前処分に 関する 法律相談および 派生 事件
刑事上の接近禁止仮処分期間

接近禁止仮処分を6ヶ月を超えて申請したい場合は、被害者保護命令制度を家庭裁判所に申請することができます。
被害者保護命令制度は、期間を延長する場合最大3年まで可能です。
民事上の接近禁止仮処分
民事上の接近禁止仮処分は、 著しい 損害を 避けたり 急迫した 危険を 防ぐ ために、 あるいは その他の必要な 理由が 疎明された 場合に申請することが できます。
そして民事上の接近禁止仮処分は、最も 状況に応じて接近禁止の認容決定の認定範囲が広く認められます。
相手方から 物質的または 精神的 被害を 受けており、自身の 身辺保護が 必要な 場合に 申請します。
階間騒音 問題で 脅迫を 加える 隣人、 継続的に 訪れて 営業を 妨害する 客 などに対し、民事上の 接近禁止仮処分を 申請することが できます。
家事訴訟法上の接近禁止仮処分
家事訴訟法上の接近禁止仮処分は、本案訴訟が前提となる必要があります。
離婚訴訟が進行されていない場合、家事訴訟法上の接近禁止仮処分を申請することはできず、離婚裁判の過程で事前処分として申請が可能です。
当該接近禁止命令の決定に違反して、離婚訴訟の最中に相手配偶者に接近する場合、離婚訴訟の本案に非常に不利に流れる可能性があります。
過料も課される可能性があるため、離婚訴訟の最中に危害を加える恐れが生じる場合、必ず離婚訴訟前に事前に接近禁止仮処分の申請を行うことが望ましいです。
臨時措置の期間および延長の可否
臨時措置の効力は次のとおり定められ、裁判所の決定により延長ができる(「家庭内暴力犯罪の処罰等に関する特例法」第29条第5項)。
臨時措置の種類 | 当初の期間 | 延長の可否 |
被害者または家庭構成員の住居・占有する部屋からの退去などの隔離 | 2か月 | 2回まで延長可能(最長6か月) |
住居・職場などから100メートル以内の接近禁止 | 2か月 | 2回まで延長可能(最長6か月) |
電気通信手段を利用した接近禁止 | 2か月 | 2回まで延長可能(最長6か月) |
3. 接近禁止事前処分 | 申請方法

接近禁止事前処分(臨時措置)は、被害者本人が直接裁判所に請求することはできず、検察官に臨時措置の請求を求めるか、警察に検察官を通じて申請してもらうよう求める方法で手続が進む。
申立ての主体および方法
臨時措置を申し立てることができる者は次のとおりである。
: 職権により、または警察の申請を受けて裁判所に臨時措置を請求できる
∙ 警察
: 状況を判断した上で検察官に臨時措置の請求を申請できる
∙ 被害者または法定代理人
: 検察官に臨時措置の請求を要請するか、警察に申請を要請し、または意見を陳述できる(裁判所への直接請求は不可)
必要な書類および資料
∙ 被害の事実を立証できる資料(診断書、写真、録音、通報記録など)
∙ 被害者および加害者の人的事項など事件に関する基礎情報
裁判所の決定手続
∙ 必要に応じて加害者・被害者・参考人の召喚および現場調査ができる
決定の変更・取消しの申立て手続
被害者または家庭構成員が住居の移転、職場の変更など状況が変わった場合、裁判所に臨時措置の内容の変更を申し立てることができる。(家庭内暴力処罰法第29条の2第2項)
4. 接近禁止事前処分 | 違反時の措置

接近禁止事前処分は裁判所の決定に基づく強制力を持つ臨時措置であるため、加害者がこれに違反する場合には法的制裁が伴う。
臨時措置違反時に可能な措置
家庭内暴力の加害者が裁判所の接近禁止事前処分に違反した場合、単なる警告の水準を超えて次のような強制的措置が取られることがある。
▶ 裁判所がこれを認容する場合、加害者は
5. 接近禁止事前処分 | 保護命令制度

接近禁止事前処分は、捜査の初期段階で被害者を速やかに保護するための臨時措置である。
一方、被害者保護命令は、裁判所が家庭内暴力の被害者の身体的・精神的な安全を継続的に保護するために発する制度である。
つまり、接近禁止事前処分は臨時措置であり、その後の本案では被害者保護命令が続き得る構造である。
保護命令の主な内容
裁判所は、被害者、法定代理人または検察官の請求により、加害者に対して次のような命令を下すことができる(「家庭内暴力処罰法」第55条の2第1項)。
② 住居・職場などから100メートル以内の接近禁止
③ 電話、メール、SNSなど電気通信による接近の禁止
④ 親権者である加害者の親権行使の制限
⑤ 加害者の面会交流権の制限
※ 上記の措置は重複して適用されることがある(同条第2項)。
保護命令の期間と延長
裁判所は被害者の保護が必要であると認める場合、2か月単位で最長3年まで延長できる(第55条の3)。
6. 接近禁止事前処分 | 申立て前の点検事項

接近禁止事前処分は裁判所の迅速な決定を要する手続であるため、申立て前の事前準備と戦略の策定が非常に重要である。
以下の表を用いて、申立て前に自身の状況を丁寧に検討してほしい。
区分 | 申立て前の点検ポイント |
① 暴力行為の有無 | - 身体的・精神的な暴力または脅迫があったか - 単なる不和ではなく威嚇的な行為か |
② 被害立証資料の確保 | - 診断書、写真、録音、メール、通報履歴の確保の有無 - 周囲の者の陳述書など補強資料の確保の有無 |
③ 分離の必要性 | - 現在の同居の有無 - 加害者が継続的に連絡または接近してくるか - 被害者が別途避難することが難しい状況か |
④ 重複手続の確認 | - すでに他の保護措置を申し立てているか - 臨時措置のほかに保護命令が必要な事案か |
⑤ 今後の法的対応戦略 | - 資料の構成方法が後続の訴訟に有利か - 暴力のパターンを全体の文脈の中で説明できているか |
離婚弁護士による支援体制
当法人はチーム単位の協力と継続的なモニタリングを通じて全方位的な対応体制を構築し、緊急の状況でも迅速かつ正確な措置を取る。
また、必要に応じて警護の専門家を投入し、依頼人の身辺を保護しながら安全な事件解決を支援する。
家庭内暴力による離婚および告訴を検討している場合は、いつでも相談を申し込んでほしい。








