CONTENTS
- 1. 会計監理 | 定義および概念

- - 監理の目的および意義
- 2. 会計監理 | 対象および開始

- - 監理開始の事由
- - 特別監理
- - 随時監理
- 3. 会計監理 | 手続および方式

- - 会計監理の審査段階
- - 会計監理の監理段階
- - 会計監理の決定
- - 監理手続
- - 監理の実施内容
- 4. 会計監理顧問

- 5. 会計監理 | 違反時の措置および制裁

- - 措置の対象および違反行為
- - 違反時の措置の例
- - 措置水準の決定基準
- - 詳細な措置基準の要約
- - 監理結果の公開および後続措置
- 6. 会計監理 | 制裁後の対応手続

- - 実務者が押さえておくべきポイント
- 7. 会計監理 | 事前予防のチェックリスト

- - 会計監理を専門とする弁護士の支援体制
1. 会計監理 | 定義および概念

会計監理とは、企業が作成した財務諸表および監査人の監査報告書が会計処理基準・監査基準に沿って作成・監査されているかを金融監督院が事後に点検し、違反があれば責任の所在を明らかにして制裁する業務である。
監理の目的および意義
: 投資家・債権者など利害関係者の信頼確保
▷ 自律的な遵守の誘導
: 違反時の制裁を通じて企業が自ら基準を遵守するよう促す
▷ 内部会計管理の強化
: 外部監査法の改正により内部統制も監理の範囲に含まれる
2. 会計監理 | 対象および開始

会計監理は、次のような事由により開始される。
監理の対象は、金融監督院が財務諸表の審査結果から必要性があると判断した企業、または外部機関の監理要請に基づいて指定される企業である。
監理開始の事由
区分 | 概要 |
財務諸表の審査結果 | 企業の開示内容に重大な誤りや歪曲の可能性が発見された場合 |
外部からの依頼 | 検察・国税庁・取引所などの外部機関が監理を要請した場合 |
内部の統計分析 | 異例な会計処理や故意性が疑われる状況が統計分析によって把握された場合 |
金融監督院は、会計処理や開示の誤りに関する市場秩序の確立のため、故意性の有無にかかわらず監理の開始を決定することができる。
特別監理
• 会計監理のうち特別監理は、会計粉飾の高リスク会社や不実監査に関する情報がある会社、不渡りまたは法定管理申請会社を対象として行われます。
随時監理
• 会計監理のうち随時監理は、企業公開予定会社を対象として実施されます。
3. 会計監理 | 手続および方式

会計監理は、財務諸表の審査や外部からの依頼などにより開始される。
監理は、内部の審査段階を経て外部機構の判断に至る体系的な過程をたどる。
会計監理の審査段階
会計監理の審査段階は、 会社の財務諸表に会計処理基準上の違反があるかを検討する段階です。
特異事項について会社の釈明を聞き、 会計処理基準の違反があると判断される場合、 財務諸表の修正を勧告します。
審査段階で次のような場合には監理段階に進みます。
1. 会計処理基準の違反事項が故意または重過失である場合
2. 過去 5年以内に警告を 2回以上受けた状態で違反事項が摘発された場合
3. 金融監督院の修正勧告を会社が履行しなかった場合
会計監理の監理段階
会計監理の監理段階は、会社の財務諸表および監査報告書に対する会計処理基準および会計監査基準の遵守可否を確認後、違反事項が発見される場合、責任を究明して制裁措置を取る手続きです。
監理段階は、審査段階で会計処理基準違反事項が発見されて転換される場合が一般的です。
しかし、情報提供や申告などによる嫌疑事項が具体性があると判断され、審査段階を経ずに直ちに着手される可能性があります。
監理段階では、審査段階とは異なり、会社に具体的な会計帳簿と資料を要求し、外部監査人に監査調書などの閲覧および提出を要求することができます。
必要時には金融取引照会、外部取引先に対する債権・債務照会、各種資料提出要請を行うことができます。
また、事実関係の確認と疏明機会の提供のために、会社の会計担当者および利害関係人、外部監査人に対する陳述を要求することもできます。
会計監理の決定
会計監理の実施 結果、会計処理基準および 会計監査基準の 違反事項が 摘発された 場合、 金融監督院は すべての 違反事項と 諸事情を 考慮して 監理結果の 措置案を 決定します。
措置予定日の 10日 前までに 措置事前通知書を 会社および関連者に伝達し、 意見提出ができる 機会を 付与します。 意見提出は義務ではありません。
その後、 監理委員会で 措置案を 審議した後 措置案を 最終確定します。
監理結果の 措置としては 次のような 類型が あります。
√ 会社に 対する 措置
課徴金、 証券発行制限、 監査人指定、 役員解任など 勧告、 職務停止、 検察告発
√ 外部監査人(会計法人)に 対する 措置
登録取消の 建議、 業務の全部 または 一部停止の 建議、 損害賠償共同基金の 追加積立、 監査業務の制限、 監査人指定除外 点数の賦課
√ 担当の 公認会計士に 対する 措置
登録取消の 建議、 業務 または一部停止の 建議、 監査業務の制限、 警告、 職務研修
監理手続
会計監理の手続は、次のような段階で進められる。
段階 | 主な内容 |
① 審査調整(制裁審議局) | 違反事実および関連する争点を整理し、措置の方向に関する草案を作成する |
② 結果報告および処理案の作成 | 監理結果に基づく違反事実、関係者、措置の水準などを含む報告書を作成する |
③ 監督院長の措置 | 金融監督院長が監理結果に基づき措置案を承認し、後続の手続を指示する |
④ 証券先物委員会の審議 | 事案の重大性に応じて措置案を審議・確定する (一般的な事案はこの段階で最終確定となる) |
⑤ 金融委員会の議決 (重要事項の場合) | 上場適格性、監査人の指定など重大な事項は金融委員会で最終決定される |
監理の実施内容
金融監督院は、本格的に監理へ着手すると、次のような方式で調査を行う。
資料の閲覧および提出の要求
監督当局は、監理対象企業の会計関連の帳簿および書類を閲覧し、必要に応じて外部監査人に監査調書など関連資料の提出を求めることができる。
実査および現場調査
必要に応じて企業の現場を訪問して実査するなど、直接的な確認手続を行う。
疎明の機会の提供
会計上の違反事項が発見された場合、企業および監査人に対して問答または質問書の送付などの方式で事実関係を疎明する機会を提供する。回答書を検討したうえで監理結果に反映される。
嫌疑なしによる終結または違反処理
違反事項がない場合、監理は嫌疑なしとして終結し、違反が認められる場合は前述の手続に従って措置につながる。
4. 会計監理顧問
会計監理は、企業の類型により異なる方式で進行されます。したがって、自身がどのような会計監理を受けることになるかを判断した上で、それに合った対応をする必要があります。
会計監理結果に基づき懲戒措置を受ける可能性もあるため、事前対応が重要です。
先制的に🔗事前監査顧問を受けることも良い方法となり得ます。
会計監理が実施されれば、合計2段階に分けて準備する必要があるため、段階別に金融監督院の要求資料を分析して意図に合った効率的な資料提出をするのが望ましいです。
追加の資料提出要求を最小化し、監理期間が長くならないよう、法律顧問を受ける必要があります。
また、最近の会計問題を把握して顧問の方向を設定し、監理段階に移行しないように締めくくる必要があります。
法務法人 大倫は🔗会計監理チームを構成し、会計実務経験が豊富な専門家が中心となって、会計監理手続と進行状況を論理的に分析しています。
金融監督院の会計監理に徹底した準備と対応で、企業に最善の結果をもたらすよう努めています。
後日、監理結果の措置案が決定される場合、解決策の提示に法律意見書の作成にもサポートを差し上げています。
5. 会計監理 | 違反時の措置および制裁

会計監理の結果、違反事項が確認された場合、金融監督院は事実関係と疎明内容を検討したうえで証券先物委員会に措置を建議する。
証券先物委員会は、関連法令に基づき会社、役員、監査人などに対して制裁を科すことができ、事案が重大な場合は金融委員会が最終決定を下す。
措置の対象および違反行為
会計監理の結果、違反が確認された場合、「外部監査に関する法律」第29条に基づき、次のような主体に対して制裁が科されることがある。
: 会計処理基準違反、資料提出の拒否・妨害、正当な要求の不履行など
∙ 監査人(会計法人など)
: 会計監査基準違反、業務停止、監査業務の制限など
∙ 公認会計士個人
: 職務停止、登録取消、監査制限など
違反時の措置の例
各対象ごとに違反事案が確認された場合、次のような措置が科されることがある。
対象 | 主な措置内容 |
会社 | 役員の解任または職務停止の勧告、証券発行の制限、是正要求、課徴金の賦課など |
監査人(会計法人) | 登録取消、業務停止、特定会社の監査制限、注意・警告、課徴金など |
公認会計士 | 職務停止、登録取消、特定の監査業務の制限、注意・警告など |
措置水準の決定基準
会計監理の結果に基づく制裁の水準は、次の基準に従って判断される(外部監査および会計等に関する規定第27条)。
違反行為の動機
区分 | 判断基準(外部監査および会計等に関する規定施行細則 [別表 1]) |
故意 | 会計資料の偽造・変造、裏金の造成、監査の妨害、上場維持のための操作など、法令を明確に認識したうえでの違法行為 |
重大な過失 | 社会通念上の注意義務を著しく欠いた場合 + 情報の重要性が非常に高い場合 |
単純な過失 | 故意や重過失に該当しない一般的な誤りや判断の錯誤 |
このほかにも、違法行為の重要度を考慮して措置が下される。
詳細な措置基準の要約
項目 | 措置内容 |
裏金・横領など重大な違法 | 故意とみなされ、最高水準の制裁が可能 |
上場維持に影響を及ぼす会計操作 | 操作内容を修正すると上場要件を満たさない → 故意と判断 |
重大な過失の要件を充足 | 故意に準ずる制裁が可能 |
その他の単純な誤り | 減軽または嫌疑なしによる終結が可能 |
監理結果の公開および後続措置
証券先物委員会は、改善の勧告事項を外部に公開することができ、監査人がこれを履行しない場合は不履行の事実も公表される。
また、監査人の品質管理が不十分な場合、1年以内の改善勧告および履行点検が可能であり、必要に応じて後続の措置として監査業務の制限などが行われる。
6. 会計監理 | 制裁後の対応手続

会計監理の後に制裁へつながった場合、次のように対応する必要がある。
段階 | 企業が行うべきこと |
① 通知の受領 | 監理結果および措置予定の通知書を確認する |
問答の要請、是正要求、意見提出の期限などの確認が必要 | |
② 内部での検討 | 違反事実、過失の有無、財務への影響を分析する |
外部専門家による検討を推奨 | |
③ 疎明資料の提出 | 問答書・回答書の提出 |
事実関係への反論、正当性を立証する資料を含む | |
④ 是正措置 | 会計処理の訂正、内部統制の改善 |
開示の訂正、外部監査人との協議を並行する | |
⑤ 意見提出または聴聞 | 証券先物委員会の措置案に対する反論 |
聴聞は通常、書面・口頭のいずれも可能 | |
⑥ 後続の開示および措置の履行 | 課徴金の納付、役員の交代、開示など |
遅滞なく履行し、信頼の回復を図る |
実務者が押さえておくべきポイント
監理の結果が「嫌疑なし」でない場合、多くは是正要求または制裁の水準が確定するため、初期対応の戦略が重要となる。
また、疎明書や聴聞への対応にあたっては、法律専門家の支援や法的検討を通じて、減免または嫌疑なしにつながるよう努める必要がある。
制裁の内容によっては上場維持の可否に直接的な影響が生じるため、会計処理の再検討と投資家への対応戦略も同時に検討する必要がある。
7. 会計監理 | 事前予防のチェックリスト

会計監理を予防するため、会計処理・内部統制・監査対応・開示などの中核領域を継続的に管理・検討する必要がある。
以下のようなチェックリストを用いて、会計監理の対象とならないよう、事前予防の観点から次の項目を検討するとよい。
▷ 特殊関係者との取引や異常な取引が透明に処理されているか?
▷ 内部会計管理制度が実際に機能しているか?
▷ 決算および財務報告の過程で二重の点検が行われているか?
▷ 直近の監査で限定・意見拒否などの問題提起がなかったか?
▷ 監査人の要請資料を漏れなく提出したか?
▷ 開示された財務情報が会計処理と一致しているか?
▷ 直近で訂正開示や会計関連の問題があったか?
会計監理を専門とする弁護士の支援体制
当法人には、平均経歴10年以上の専門弁護士や会計士、税理士などの専門家が多数在籍している。
違反事項の事前点検、監理資料の提出対応、疎明手続および証券先物委員会の審議対応など、全過程において企業の権利保護と法的対応のための体系的な支援を提供することができる。
会計監理の手続および制裁措置に関して支援が必要な場合、会計監理を専門とする弁護士に支援を求めることができる。










