CONTENTS
- 1. 製造物責任 | 概念と立法趣旨

- - 立法の背景と導入目的
- - 製造物責任法の適用対象と範囲
- 2. 製造物責任 | 製造物責任法の主な内容

- - 製造物の欠陥の類型
- - 損害賠償責任の要件
- 3. 製造物責任 | リコール制度との相違点

- 4. 製造物責任 | 製造物責任法違反時の法的リスク

- - 企業の製造物責任リスク予防のための総合戦略
- - 企業の製造物責任に関する法的リスクチェックリスト
1. 製造物責任 | 概念と立法趣旨

製造物責任(Product Liability、以下「PL法」)とは、製造物の欠陥によって消費者や第三者の生命・身体または財産に損害が生じた場合に、製造業者や供給者が当該損害を賠償する責任を負うよう定めた法律である。
製造物責任法は、従来の民法上の不法行為責任よりも消費者保護を強化し、製造業者の責任をより明確にすることを目的とする。
とりわけPL法は、被害者の過失や製造業者の故意・過失にかかわらず、製造物の欠陥と損害との間に因果関係さえ認められれば責任が生じる無過失責任主義を原則として採用している点で、民法上の損害賠償責任と区別される。
立法の背景と導入目的
従来、消費者は製造物の欠陥による被害について、民法上の不法行為責任(第750条)や契約上の債務不履行責任に基づき、製造業者に対して請求しなければならなかった。
しかし、被害者が製造業者の過失を立証することは難しく、損害額の証明も難しいため、実効的な権利救済は困難であった。
そこで、国際的にも米国、日本、EUなどの先進国が製造物責任法制を採用しており、韓国もまた消費者保護の強化、製造業者の品質管理義務の明確化、産業社会における危険責任の原則の実現のために法律を制定したのである。
製造物責任法の適用対象と範囲
製造物責任法は、次の要件に該当する者に責任を課しており、工業製品、食品、医薬品、化粧品、電気電子製品、車両、建築資材など、事実上すべての製造物に適用される。
① 製造者
② 輸入業者
③ 製造物の表示上の製造業者
④ 製造業者と誤認されるおそれのある者
ただし、不動産(土地、建物)は法の適用対象から除外され、単一の目的物として製造された組立型住宅や家具などは含まれる。
2. 製造物責任 | 製造物責任法の主な内容

製造物責任法の主な内容は、次のとおりである。
製造物の欠陥の類型
製造業者の責任が認められるには製造物の欠陥が存在しなければならず、製造物責任法はこれを次のとおり3つの類型に区分している。
① 製造上の欠陥
製品が製造過程で設計図や製造基準に合わず製作され、安全性を欠いている場合である。
例)正常な製品と異なり、エアバッグセンサーが不良に取り付けられた車両
② 設計上の欠陥
設計そのものに安全上の問題があり、使用上の危険を生じさせる場合である。
例)車両の燃料タンクが、衝突時に爆発の危険が高い位置に設置された場合
③ 表示上の欠陥
製品の使用上の注意事項や危険性についての警告表示、取扱説明書が不十分であったり誤解を招いたりして事故が発生した場合である。
例)子ども用の家電製品に感電の危険の表示が欠けていた場合
損害賠償責任の要件
製造業者が責任を負うためには、次の要件がすべて満たされなければならない。
② その欠陥による生命・身体・財産上の損害の発生
③ 欠陥と損害との間の因果関係
ただし、製造業者も次のような場合には責任を免れることができる。
② 製造物の供給当時、製造者が法令の強制規定に従って製造・供給したことを証明した場合
③ 消費者の故意または重大な過失により損害が生じた場合
ただし、証明責任は製造業者にあり、これを疎明できなければ責任が認められる。
製造物責任の請求権は、被害者またはその法定代理人が損害及び製造業者を知った日から3年、製造業者が製造物を供給した日から10年以内に行使しなければ消滅する。
消滅時効と除斥期間が併存するため、消費者保護のための事実上最大10年の保護期間が適用される。
3. 製造物責任 | リコール制度との相違点
製造物責任法とリコール制度は、いずれも製造物の欠陥による消費者被害を予防し保護するという点で共通するが、作動の仕方や法的性格、救済手段が異なる。
| 区分 | 製造物責任法(PL法) | リコール制度 |
|---|---|---|
| 法的性格 | 事後的な損害賠償の民事制度 | 事前的な危害予防の措置制度 |
| 発動要件 | 損害の発生、欠陥、因果関係 | 欠陥の確認または危害の可能性の認知 |
| 制度の方式 | 被害者の請求に基づく賠償 | 事業者の自主的措置または行政命令 |
| 法的効果 | 金銭賠償、刑事処罰、行政制裁が可能 | 回収・修理・返金、違反時の制裁 |
| 適用法令 | 製造物責任法 | 個別の製品に関する法律 |
企業の立場では、製造物責任法上の損害賠償請求に備えた保険、契約管理、リスク管理体系を整え、リコール制度に関しては迅速なリコールプロセスと、政府への報告・消費者への告知の義務を遵守しなければならない。
両制度を混同したり見落としたりすると、課徴金、損害賠償、刑事処罰、ブランドイメージの毀損など複合的なリスクが生じ得るため、製造・輸入・流通業者のいずれもが常時点検体系を構築しなければならない。
4. 製造物責任 | 製造物責任法違反時の法的リスク

製造物責任法違反により製造物欠陥による事故が発生すると、民事責任だけでなく刑事責任、行政制裁まで連動し、次のような法的リスクが生じる。
▶刑事責任 : 業務上過失致死傷の容疑が適用され得る
▶行政制裁 : リコール命令、営業停止、課徴金の賦課が可能
▶企業イメージ及び信頼度の毀損 : 長期的な企業競争力の悪化、ESG経営評価の低下
企業の製造物責任リスク予防のための総合戦略
製造物責任のリスクは、設計から製造、流通、販売、顧客サービスに至るまで全過程にわたって生じる可能性がある。
企業はこれを体系的に管理するため、次のような総合的な戦略を整える必要がある。
製造・品質検査プロセスの文書化及び記録管理
ラベル・説明書の法令適合性の定期的な検討
顧客クレーム・事故対応プロトコルの構築
PL保険、リコールプロセスの常時運用体系の確保
定期的な法的リスク診断及びPL教育の実施
企業の製造物責任に関する法的リスクチェックリスト
区分 | 点検事項 | 点検の有無 |
|---|---|---|
製造工程管理 | 製造工程上の欠陥予防体制の構築の有無 |
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設計検証 | 製品設計の安全性、危険要因の分析の有無 |
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表示・警告体制 | 使用上の注意事項および危険表示の適切性 |
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リコール対応マニュアル | リコール発生時の報告および処理プロセスの構築の有無 |
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契約書の検討 | 製造物責任に関する損害賠償責任条項の反映の有無 |
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保険加入 | 製造物責任保険の加入の有無 |
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法律顧問体制 | PL法に精通した弁護士による顧問体制の確保の有無 |
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