CONTENTS
- 1. 勤労基準法訴訟、詳しい経緯

- 2. 勤労基準法訴訟、原告の主張

- 3. 勤労基準法訴訟、裁判所の判断

- - 勤労基準法訴訟、関連法令および判例
- 4. 勤労基準法訴訟、大倫の戦略

1. 勤労基準法訴訟、詳しい経緯
本件訴訟の原告は、ソウル市内のあるマンションの入居者代表会議でした。原告はマンション管理事務所の下に管理チーム、安全チーム、機械チーム、電気チームなどを置き、約140人の労働者を直接雇用してマンションを管理していました。
しかし、マンションの入居者代表会議は、直接雇用による金銭的負担などを理由に、安全チーム所属の警備員約100人に解雇を通知しました。
ただし、マンション側は、解雇された警備員が直ちに新たな警備委託業者と改めて労働契約を締結できるよう支援し、従前の労働条件も維持するという条件を付しました。
大半の労働者は原告の求めに従いましたが、警備班長のA氏はこれを受け入れませんでした。
A氏は、マンションの入居者代表会議の決定は「不当解雇」であるとして、韓国の労働委員会に救済を申し立てました。
地方労働委員会は、A氏に対する解雇は不当解雇ではないと判断しましたが、続く中央労働委員会の審理ではA氏の主張が認められました。
これを受け、マンション側は中労委の判定を不服として、中央労働委員会を相手取り行政訴訟を提起しました。
2. 勤労基準法訴訟、原告の主張
マンションの入居者代表会議側は、「警備業務の外部委託」が切実に必要であったと主張しました。
最低賃金の引上げにより費用負担が増加し、100人を超える警備員を雇用して管理するには、マンションの入居者代表会議の専門性が不足しているというのがその理由でした。
また、マンションの警備員に駐車管理業務を行わせることができないよう韓国の共同住宅管理法が改正されたことで、警備業務の管理が難しくなったとも主張しました。
さらに、委託先の業者との間で、既存の警備員が同じ労働条件で勤務を続けられるようにする旨の取り決めも締結するなど、雇用保障に向けて十分に努力したと強調しました。
3. 勤労基準法訴訟、裁判所の判断
まず、第1審裁判部は原告敗訴の判決を言い渡し、再びA氏の主張を認めました。
警備員を解雇しなければならないほど緊迫した財政上の困難が生じたとはいえず、今後もこうした困難が容易に解消されない蓋然性があるとも認め難いという理由でした。
しかし、控訴審裁判部の判断は異なりました。
控訴審裁判部は、マンションの警備業務の管理方式を自主管理から委託管理へ変更したことには客観的かつ合理的な理由があり、そのため、警備員らの解雇についても「緊迫した経営上の必要性」が認められると判断しました。
また、原告が委託契約を締結する際、従来勤務していた警備員全員の雇用を保障することなどを条件として提示していたため、解雇基準に差別がなく、合理的な決定とみることができると付け加えました。
さらに、原告は解雇の過程で労使協議を開催するなど、誠実に協議を行ったとみられると説明しました。
この控訴審の判断に対し、被告である中央労働委員会は直ちに上告する意向を表明しました。
大法院も、本件の解雇は現行法が定める解雇の要件を満たしており正当であると判断し、上告を棄却しました。
勤労基準法訴訟、関連法令および判例
勤労基準法第24条(経営上の理由による解雇の制限)
① 使用者が経営上の理由により労働者を解雇しようとする場合には、緊迫した経営上の必要性がなければならない。この場合、経営悪化を防止するための事業の譲渡・譲受・合併は、緊迫した経営上の必要性があるものとみなす。
② 第1項の場合、使用者は解雇を回避するための努力を尽くさなければならず、合理的かつ公正な解雇の基準を定め、これに従って対象者を選定しなければならない。この場合、男女の性を理由に差別してはならない。
③ 使用者は、第2項に基づく解雇を回避するための方法および解雇の基準などについて、その事業または事業場に労働者の過半数で組織された労働組合がある場合には、その労働組合に解雇予定日の50日前までに通知し、誠実に協議しなければならない。
④ 使用者は、第1項に基づき大統領令で定める一定規模以上の人数を解雇しようとする場合には、大統領令で定めるところにより雇用労働部長官に届け出なければならない。
⑤ 使用者が第1項から第3項までの規定に基づく要件を満たして労働者を解雇した場合には、第23条第1項に基づく正当な理由のある解雇を行ったものとみなす。
「緊迫した経営上の必要性とは、必ずしも企業の倒産を回避する場合に限られるものではなく、将来生じ得る危機にあらかじめ対処するための人員削減が、客観的にみて合理的であると認められる場合も含まれると解すべきである。また、整理解雇の要件のうち、緊迫した経営上の必要性があったか否かは、整理解雇を行った当時の事情を基準として判断しなければならない。」(大法院2013.6.13.言渡し2011다60193判決参照)
「『解雇を回避するための努力を尽くさなければならない』とは、経営方針や作業方式の合理化、新規採用の停止、一時休職および希望退職の活用、配置転換など、使用者が解雇の範囲を最小限に抑えるために可能なあらゆる措置を講じることを意味する。その方法と程度は確定的・固定的なものではなく、当該使用者の経営危機の程度、整理解雇を実施しなければならない経営上の理由、事業の内容と規模、職級別の人員状況などによって異なる(上記大法院2011다60193判決参照)。」
4. 勤労基準法訴訟、大倫の戦略
裁判所は今回の判決を通じ、最低賃金の引上げや関連法の改正といった社会状況の変化が、解雇理由にも適用され得ることを明確にしました。
勤労基準法に定められた「緊迫した経営上の必要性という要件」が、次第に広く認められていることが分かります。
不当解雇をめぐる労使間の紛争は、毎年数千件に上るほど頻繁に発生しています。
法務法人(有限)大倫は、企業と労働者の心強いパートナーとして、専門性に基づく高品質なリーガルサービスを提供しています。
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