CONTENTS
- 1. 通話録音証拠、録音ファイルの写しの証拠能力の認定の可否が問題となった事件

- - 原審、録音ファイルの写しは証拠能力を認められないと判断
- 2. 通話録音証拠、録音ファイルの写しの証拠能力に対する大法院の判断

- - 録音証拠、写しの原本との同一性の証明の可否で判断すべき
- - 録音証拠、同一性が認められると判断
- 3. 通話録音証拠、大倫の戦略とは?

1. 通話録音証拠、録音ファイルの写しの証拠能力の認定の可否が問題となった事件

通話録音証拠に関して、原本のない録音ファイルの写しに対する証拠能力の認定の可否が問題となった事件です。
被告人らは共謀して被害者を欺き、約2億7,000万ウォンの現金をだまし取った疑いで起訴されました。
被害者は上記の公訴事実を立証するため、被告人らの欺罔行為および現金受領の事実に対する証拠として、多数の録音ファイルを保存したCDを捜査機関に提出しました。
これに対して被告人らは、公訴事実のように被害者を欺いたり被害者から現金を受け取ったりした事実はなく、上記の録音ファイルは原本のない写しであるため証拠能力がないと主張しました。
原審、録音ファイルの写しは証拠能力を認められないと判断
原審は、検事が証拠として提出したCDに録音されたファイルの原本が現存しないという点に着目し、犯罪を証明できないと判断して、有罪と判断した第1審判決を破棄し、無罪と判断しました。
原審は「原本ファイルが複製の過程で編集されるなど人為的な改変なく原本の内容がそのまま複製されたという点を確認できない」と述べ、本件録音ファイルの証拠能力は認められないと判示しました。
2. 通話録音証拠、録音ファイルの写しの証拠能力に対する大法院の判断
通話録音証拠に関して、原本のない録音ファイルの写しに対する大法院の判断は原審とは異なりました。
大法院は、以下のような法理を判示し、録音ファイルの写しであっても証拠能力が認められると述べて、原審を破棄・差し戻しました。
録音証拠、写しの原本との同一性の証明の可否で判断すべき
会話の内容を録音したファイルは、その性質上、作成者や陳述者の署名または捺印がないだけでなく、録音者の意図や特定の技術によって内容が編集・操作されるおそれがある点を考慮しなければなりません。
そのため、会話の内容を直接録音した原本であるか、あるいは原本から複製した写しである場合には、複製の過程で編集されるなど人為的な改変なく原本の内容がそのまま複製された写しであることが証明されなければなりません。
そのような証明がない場合には、容易に証拠能力を認めることはできないというのが裁判所の判断です。
ただし、原本の提出が不可能または困難で、原本と写しを直接比較できない場合には、裁判所は録音ファイルの生成・伝達および保管などの手続に関与した者の証言や陳述、録音ファイルに対する検証・鑑定の結果、捜査および公判審理の経過など諸般の事情を総合して、写しの原本との同一性の証明の可否を判断することができます。(大法院2012.9.13.宣告2012ド7461判決)
録音証拠、同一性が認められると判断
被害者は自身の携帯電話で被告人らとの会話を録音し、その録音ファイル(拡張子は「3gp」または「m4a」である)を複製してコンピュータや外付けハードディスクに保存した後、携帯電話に保存されていた録音ファイルは大部分を削除しました。
その後、被害者はコンピュータや外付けハードディスクに保存されていた録音ファイルの一部をCDに複製して捜査機関に提出しました。
原審裁判所の鑑定嘱託により、ソウル北部地方検察庁のデジタルフォレンジックチームが、被害者が録音に用いた携帯電話を対象にフォレンジック分析を行った結果、各録音ファイルのハッシュ値が同一であることが判明しました。
また、上記の鑑定を行った音声分析官は、一般人が操作のために当該録音ファイルを変換した後に操作を加え、再び事件のファイル形式に圧縮する過程は容易ではないと陳述しました。
大法院は、上記のような事実を総合して、本件録音ファイルの内容が編集・操作されたと疑うに足る痕跡は見られないと判断しました。
すなわち、本件録音ファイルの写しには証拠能力があると見る余地が大きいため、証拠能力を認めず公訴事実を無罪と判断した原審を破棄・差し戻しました。
3. 通話録音証拠、大倫の戦略とは?
通話録音証拠に関して、原本のない録音ファイルの写しに対する証拠能力の認定の可否が問題となった事件でした。
私人が複製した録音ファイルの写しを証拠として提出した場合、その複製の過程で編集されるなど人為的な改変なく原本の内容をそのまま複製した写しであるという点は、ハッシュ(Hash)値の比較など原本と写しの直接比較を通じて証明するのが原則ですが、原本の提出が不可能な場合には、録音ファイルに対する検証・鑑定の結果などを総合して、写しと原本の同一性の証明の可否を主張しなければなりません。
上記のような状況では、デジタルフォレンジック技術による正確な証拠分析、法的手続に適した証拠提出、専門家意見書の作成および鑑定支援が何よりも重要です。
デジタル証拠は技術的分析と法律的検討の両方が必要な分野であるため、専門弁護士とフォレンジック専門家が協業するローファームを選択することが最も望ましいです。
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