CONTENTS
- 1. 不正当業者制裁 | 建設会社が必ず知るべき理由

- - 処分の波及力
- - 処分の対象
- 2. 不正当業者制裁 | 制裁事由および軽減範囲

- - 除斥期間
- - 制裁期間の加重と軽減
- 3. 不当業者制裁 | 処分はどのような手続で進行されるか

- - 制裁事由の発生および事実確認
- - 事前通知
- - 聴聞の実施
- - 契約審議委員会の審議
- - 処分の通知および効力の発生
- - 異議申立て
- 4. 不正当業者制裁 | 実務でよく見落とされる点

- - 聴聞の段階に消極的に対応する場合
- - 事前通知公文を軽視する場合
- - 処分後の異議申立期限を逃した場合
- - 代表者処分を看過する場合
- 5. 不正当業者制裁 | 大倫の事前・事後の助力システム

1. 不正当業者制裁 | 建設会社が必ず知るべき理由
不正当業者制裁とは、競争の公正な執行や契約の適正な履行を害する恐れがある者、または入札に参加させることが適切でないと認められる者に対し、一定期間入札参加資格を制限する行政処分です。
国家契約法および地方契約法に従い、各中央官署の長または地方自治団体の長が処分を下し、処分事実は直ちにすべての官署に通報されます。
処分の波及力
不正当業者制裁の最大の特徴は、処分の波及力です。
国家契約では他の中央官署へ、地方契約では各地方自治団体の入札全般へと制限効力が拡散し得るため、公共調達市場全般に重大な打撃が発生し得ます。
特に制限期間中には随意契約も締結できないため、公共発注の比重が高い建設会社にとっては営業上重大な打撃となり得ます。
処分の対象
不正当業者制裁は、会社(法人)のみが受ける処分ではありません。
当該入札および契約に直接関与した代表者も共に制裁対象となります。
また、制裁処分日から制限期間終了後6か月が経過する日までに再び同じ事由が発生した場合、制限期間が最大2倍まで加重され得るため、繰り返し違反すると不利益が急激に大きくなります。
2. 不正当業者制裁 | 制裁事由および軽減範囲
不正当業者制裁は、以下の事由に該当する場合、1か月以上2年以下の範囲で入札参加資格が制限されます。
制裁事由 |
契約履行時の不実・粗雑・不当な行為または不正な行為 |
入札価格・受注物量の談合または特定人の落札のための共謀 |
発注官署の承認のない下請または承認された下請条件の無断変更 |
詐欺など不正な方法で入札・落札・契約過程で国家に損害を与えた場合 |
関係公務員に賄賂を提供した場合 |
入札・契約関連書類の偽造・変造または入札・契約妨害 |
正当な理由なく契約締結または履行を拒否・妨害した場合 |
安全保健措置違反により同時に2名以上の勤労者死亡 |
公正取引委員会または中小ベンチャー企業部長官の制限要請がある場合 |
※ 制裁事由は厳格に解釈されるべきであり、拡大・類推解釈は許容されません。
除斥期間
不正当業者制裁は当該行為が終了した時から5年(談合・賄賂の場合は7年)以内にのみ処分が可能です。
古い事だからといって安心できず、捜査や監査過程で過去の行為が明らかになり、後になって制裁手続が開始される場合も少なくありません。
制裁期間の加重と軽減
制裁期間は、定められた基準を中心に加重または軽減されることがあります。
加重事由
軽減事由
軽減の可否と期間は契約審議委員会の審議事項であり、事前に任意に判断したり協議したりすることはできません。
3. 不当業者制裁 | 処分はどのような手続で進行されるか

不当業者制裁は以下の手続に従って進行され、各段階で建設会社が積極的に対応できる機会が存在します。
制裁事由の発生および事実確認
実務上、契約不履行や是正命令不履行類型では、是正要求公文書が数回発送された後に制裁手続に至る場合が多いです。
この段階で不当業者制限処分が可能であるという内容が明示され、是正不履行時に制裁手続が本格的に開始されます。
事前通知
聴聞の開催の10日前までに、処分対象者に事前通知が行われます。
聴聞の実施
処分対象者は、聴聞手続において意見を提出することができます。
この段階が、事実上、制裁の有無と期間に影響を与え得る中核的な対応の窓口です。
契約審議委員会の審議
制裁要件の充足の可否、適正な制裁期間、加重・軽減の可否、課徴金賦課の対象の可否などを審議します。
処分の通知および効力の発生
処分結果は当該業者の代表者に内容証明・配達証明で送達され、処分通知後に指定情報処理装置に登録され、制限開始日から入札参加および随意契約の制限の効力が発生します。
制限期間中は、入札参加および随意契約が全面的に不可です。
異議申立て
処分に不服がある場合、行政審判は処分があったことを知った日から90日以内、行政訴訟は90日以内に提起しなければなりません。
処分があった日からは、行政審判180日、行政訴訟1年が提訴の期限です。
4. 不正当業者制裁 | 実務でよく見落とされる点
不正当業者制裁は、安易な判断から生じる場合が多いです。
以下は、実際の現場で問題となる代表的な状況です。
聴聞の段階に消極的に対応する場合
聴聞は形式的な要式手続きではありません。
この段階で違反の経緯、 情状酌量の事由、 被害最小化の努力などを具体的に疎明すれば、制裁期間の軽減に実質的な影響を与えることができます。
事前通知公文を軽視する場合
是正要求の内容証明を受け取った時点が、すでに制裁手続の開始です。
この段階で積極的に対応しないと、その後の手続で選択肢が大きく減ります。
処分後の異議申立期限を逃した場合
行政審判と行政訴訟ともに、処分を知った日から90日という厳格な期限が適用されます。
期限を過ぎると不服申立自体が不可能になるため、処分通知を受け取った直後に専門家と検討するのが良いです。
代表者処分を看過する場合
法人に対する制裁にばかり気を使っていて、代表者個人に対する処分を後から確認することがあります。
代表者が変更された場合であっても事由発生当時の代表者が処分対象となるため、前職・現職の代表者全員が状況を正確に把握していなければなりません。
5. 不正当業者制裁 | 大倫の事前・事後の助力システム
不正当業者制裁は行政処分ですが、捜査・民事紛争と同時に展開される場合が多く、処分後の公共市場における営業再開の可能性にも直接的な影響を及ぼします。
手続きの各段階ごとに対応の仕方が結果を大きく左右するだけに、事前通知の段階から専門家とともに戦略を策定することが重要です。
事前予防
∙ 下請契約・変更時の制裁該当の有無の検討
∙ 契約履行の過程における違反行為の予防のための内部点検の支援
事後対応
∙ 契約審議委員会の審議段階における意見書の作成および対応
∙ 不正当業者制裁処分に対する行政審判・行政訴訟および執行停止の申請
∙ 談合・賄賂など関連する刑事捜査への同時対応
∙ 契約の解除・解約に関する民事紛争および損害賠償への対応
制裁処分が下された後は、対応できる時間と選択肢が急速に狭まります。
事前通知の公文を受けた時点、または処分通知を受けた直後が、最も重要なゴールデンタイムです。
法務法人 大倫には、公共契約に関する顧問および行政処分への対応経験を有する建設・行政・企業専門弁護士が多数所属しています。
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