CONTENTS
- 1. 約款規制法|対象と主要義務

- - 適用対象
- - 事業者の義務
- 2. 約款規制法 | 不公正な約款に該当する条項

- - 無効とみなす主要な条項類型
- - 一部無効の効果
- 3. 約款規制法 | 違反時の制裁

- - 公正取引委員会の是正措置
- - 刑事処罰および両罰規定
- 4. 約款規制法|実務で頻繁に見落とされる点

- - 既存の約款をそのまま流用する場合
- - 説明義務の履行を怠る場合
- - 不公正条項であることを知らずに使用する場合
- - 公正取引委員会の審査請求・調査開始を遅れて認知する場合
- 5. 約款規制法|大倫の事前・事後の助力システム

1. 約款規制法|対象と主要義務
約款規制法(「約款の規制に関する法律」)は、事業者が取引上の地位を濫用して不公正な内容の約款を作成・使用することを防止し、健全な取引秩序を確立するために制定された法律です。
約款とは、名称や形態を問わず、契約の一方の当事者が複数の相手方と契約を締結するために、一定の形式であらかじめ用意した契約内容をいいます。
利用約款、サービス約定書、取引契約書、標準契約書など様々な形態で活用され、これを使用する事業者はすべてこの法律の規律対象となります。
適用対象
約款規制法は、特定の業種に限定されません。
オンラインプラットフォーム、金融・保険、通信、不動産、流通・製造、役務・サービス業など、約款を使用する全ての業種の事業者に適用され得ます。
事業規模や契約形態とは無関係に、複数の顧客と同一内容の契約を締結するためにあらかじめ作成された文書であれば約款に該当し得ます。
事業者の義務
約款規制法は、事業者に次の義務を課しています。
第一に、作成義務です。
約款はハングルで作成しつつ、標準化された用語を使用し、重要な内容は太く大きな文字などで明確に表示しなければなりません。
第二に、説明義務です。
契約締結時に顧客へ約款の内容を明確に知らせなければならず、顧客が要求すれば写しを提供しなければなりません。
これに違反した場合、当該約款条項を契約内容として主張することができません。
第三に、不公正条項の使用禁止です。
法で列挙した不公正約款条項を契約内容として使用してはなりません。
2. 約款規制法 | 不公正な約款に該当する条項

約款規制法は、信義誠実の原則に違反して公正性を失った約款条項を無効と規定しています。
下の類型に該当する条項は、不公正なものと推定されるか、明示的に無効となります。
無効とみなす主要な条項類型
類型 | 主要内容 |
免責条項 | 事業者・履行補助者の故意・重過失による法律上の責任を排除したり、損害賠償の範囲を不当に制限する条項 |
損害賠償の予定 | 顧客に不当に過重な遅延損害金など、損害賠償義務を負担させる条項 |
契約の解除・解約 | 顧客の解除・解約権を排除したり、事業者に法律にない解除権を付与する条項 |
債務の履行 | 事業者が給付内容を一方的に決定・変更したり、履行を任意に中止できるようにする条項 |
顧客の権益侵害 | 顧客の抗弁権・相殺権などを相当な理由なく排除したり、第三者との契約を不当に制限する条項 |
意思表示の擬制 | 顧客の意思表示の形式に不当に厳格な制限を設けたり、事業者の意思表示が到達したものとみなす条項 |
訴訟提起の制限 | 顧客に不当に不利な裁判管轄の合意条項、顧客に立証責任を不当に負担させる条項 |
一部無効の効果
約款の一部の条項が無効である場合、残りの部分のみで契約は有効に存続します。
ただし、有効な部分のみでは契約目的の達成が不可能であったり、一方の当事者に不当に不利な場合には、契約全体が無効となる可能性があります。
3. 約款規制法 | 違反時の制裁
約款規制法上の義務違反時には、公正取引の是正措置および刑事処罰に処せられる可能性があります。
公正取引委員会の是正措置
公正取引委員会は、不公正約款条項を使用する事業者に対し、当該条項の削除・修正など是正に必要な措置を勧告することができます。
次の場合には、勧告を超えて是正命令を下すことができます。
∙ 取引上の地位を不当に利用して契約を締結する場合
∙ 契約締結の緊急性・迅速性により、顧客が約款の内容を変更することが困難な場合
∙ 事業者の地位が著しく優越していたり、顧客が他の事業者を選択する範囲が制限された場合
∙ 是正勧告に正当な事由なく従わず、多数の顧客に被害が発生したり発生する恐れがある場合
是正命令を受けた事実は公表措置につながり得るため、事業者の信頼度とブランドイメージに直接的な打撃となります。
刑事処罰および両罰規定
公正取引委員会の是正命令を履行しなかった者は 2年以下の懲役または1億ウォン以下の罰金に処せられます。
法人の代表者や代理人・使用人が違反行為をした場合、行為者のみならず法人にも同一の罰金刑が賦課される可能性があるため、法人レベルの管理が必要です。
4. 約款規制法|実務で頻繁に見落とされる点

約款規制法に関連して、以下は実際の現場で問題となる代表的な状況です。
既存の約款をそのまま流用する場合
他社の約款を参考にしたり、古い約款をそのまま使用する場合、法令改正や判例の変化により、既に不公正条項に該当する内容が含まれている可能性があります。
定期的な約款の点検が必要です。
説明義務の履行を怠る場合
約款内容を顧客に適切に説明しなかったり、写しを提供しなければ、当該約款条項を契約内容として主張することができなくなります。
説明義務の履行の可否は、紛争発生時の核心争点となります。
不公正条項であることを知らずに使用する場合
事業者に一方的に有利な免責条項、過度な違約金条項、一方的な契約変更条項などは、実務において慣行のように使用されますが、約款規制法上無効に該当する可能性があります。
公正取引委員会の審査請求・調査開始を遅れて認知する場合
公正取引委員会は、職権により、または利害関係人の審査請求を通じて、約款調査を開始することができます。
調査が始まった後になって対応を準備すると、是正命令と公表措置を避けることが難しくなります。
5. 約款規制法|大倫の事前・事後の助力システム
約款規制法に関する事件は、公正取引委員会の行政制裁から始まり、刑事処罰、民事損害賠償請求にまで拡大し得ます。
特に是正命令・公表措置は、事業者の対外的な信頼度に直接的な影響を及ぼすため、約款の作成・検討の段階から専門家とともにリスクを管理することが重要です。
事前予防
∙ 約款の作成・改定時の法的リスク診断および修正顧問
∙ 説明義務・交付義務の履行体系の構築顧問
∙ 標準約款の適用可否および業種別の規制動向のモニタリング
事後対応
∙ 是正勧告・是正命令に対する不服審判・訴訟対応
∙ 不公正約款による契約紛争および損害賠償請求対応
∙ 是正命令の不履行に関する刑事捜査対応
約款に関する紛争は、契約締結後になってはじめて問題が表面化する場合が多いです。
公正取引委員会の調査が始まった後は、対応の選択肢が急速に減るだけに、約款の作成・改定の段階で専門家の検討を受けることが、最も効果的なリスク管理方法です。
法務法人 大倫には、約款規制法および公正取引分野の対応経験を保有する公正取引専門弁護士が多数所属しています。
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