CONTENTS
- 1. 懲戒/解雇 | 概念説明

- - 解雇事由の法的要件
- 2. 懲戒/解雇 | 主要な法的争点と実務リスク

- - 懲戒/解雇の適法性要件
- - 懲戒量定の適正性の問題
- 3. 懲戒/解雇 | 労働者を解雇できない場合

- - 労働基準法違反事実の通報による解雇禁止
- - 業務上の負傷・疾病の療養期間および産前・産後の休業期間中の解雇禁止
- - 性別およびセクハラ被害の主張などを理由とする解雇の禁止
- - 育児休職、出産休暇などを理由とした解雇禁止
- - 労働組合加入・活動、不当労働行為申告を理由とする解雇禁止
- - 期間制・短時間・派遣労働者の差別是正申請を理由とする解雇の禁止
- - 労災発生のリスク時の作業中止、法令違反事実の通報による解雇禁止
- - 障害を理由とする解雇の禁止
- - 年齢を理由とした解雇の禁止
- 4. 懲戒/解雇 | 会社の懲戒の種類

- - 解雇と勧奨退職の違い
- - 企業の人事措置時に法的禁止事由を点検する必要性
1. 懲戒/解雇 | 概念説明

懲戒/解雇の手続きは企業運営において非常に重要な部分であり, さまざまな法律的問題を伴うことがあります。
懲戒/解雇とは, 労働者の行態上の問題を理由とする解雇など, 使用者が経営秩序の維持および人事権行使の一環として実施する人事措置です。
しかし, これは労働者の生計および職業の自由に重大な影響を及ぼすため, 法律上の正当な事由と適法な手続きを必ず遵守してこそ効力が認められます。
もし正当な事由がなかったり, 懲戒の程度が過度であったり, 手続きに違反した場合, 当該解雇は無効と判断され, 企業は法的責任および損害賠償リスクを負うことになります。
解雇事由の法的要件
勤労基準法第23条は, 労働者を正当な理由なく解雇してはならないと規定しています。
特に懲戒/解雇の場合, 労働者の行態上の事由が客観的・具体的に存在し, 懲戒量定が社会通念上著しく不当でなく, 解雇手続きが勤労基準法および就業規則・団体協約で定めた手続きを遵守してこそ有効です。
大法院は, 懲戒事由があっても, 懲戒権者が社会通念上容認され得ない過度な懲戒を行う場合, これを「懲戒権の濫用」とみなし, 懲戒処分を無効と判断しています。
これは人事権の濫用を防止し, 労働者の権益を保護するためのものであり, 企業は懲戒量定の適正性の判断に格別に留意しなければなりません。
2. 懲戒/解雇 | 主要な法的争点と実務リスク

企業で懲戒/解雇の事由とすることができる代表的な事例は以下のとおりです。
不誠実な勤務態度
業務命令・人事命令の違反
履歴書の虚偽記載
横領, 背任などの刑事犯罪
有罪判決の確定
職場内の暴言・暴行
会社の名誉毀損
私生活の非行および品位の損傷
違法な争議行為
ただし, このような事由であっても, 経緯, 動機, 程度, 勤続期間, 過去の勤務態度など諸般の事情を考慮して懲戒量定を決定しなければならず, 正当性が認められなければ解雇は無効と判断されることがあります。
懲戒/解雇の適法性要件
懲戒/解雇は労働者の権益に重大な影響を及ぼすため, 以下の要件を必ず備えなければなりません。
▶解雇事由の書面通知 : 勤労基準法第27条に従い, 解雇事由と時期を書面で通知しなければならず, これを脱漏した場合, 解雇は効力がありません。
▶解雇予告 : 原則として30日前の解雇予告または30日分の通常賃金の支給が義務です。
団体協約・就業規則の手続き遵守: 懲戒委員会の開催, 意見陳述の機会の付与, 調査など内部規定に違反すると, 手続き上の瑕疵により解雇無効の判決を受けることがあります。
大法院は, 手続き違反が治癒される例外的な場合を除いて解雇の効力を否定しており, 企業は形式的な手続きだけでもリスクを負う可能性が大きいため, 徹底した管理が必要です。
懲戒量定の適正性の問題
大法院の判例によれば, 労働者に懲戒事由があっても, 解雇処分が社会通念上著しく妥当性を失った場合は懲戒権の濫用として無効です。
例えば, 軽微な非違行為や長期間の勤続, 功労, 行為の経緯などを考慮したとき, 解雇よりも減俸, 停職などで代替可能な場合であれば, 解雇は違法となります。
ソウル高等法院2017나2086307判決は, 単純なミスによる会社の損害発生を理由に解雇した事例で, 故意性・反復性がなく誠実に勤務してきた点などを考慮して解雇無効の判決を下しました。
不当解雇を受けた労働者は労働委員会に救済申請を提起することができ, 労働委員会は解雇の正当性を審査して救済命令を下すことができます。
また, 解雇無効の判決が確定すると, 解雇期間中の賃金相当額を支給しなければならない民事上の損害賠償責任が発生することがあります。
3. 懲戒/解雇 | 労働者を解雇できない場合

企業が人事権を行使して労働者を懲戒または解雇する場合にも、法令で明示的に解雇を禁止する事由が存在します。
このような法的禁止事由に違反して解雇を断行した場合、解雇は無効と判断され、企業は不当解雇の判決とともに損害賠償責任まで負い得るため、格別の注意が要求されます。
特に、解雇事由の正当性だけでなく、解雇が禁止される時期と事由を正確に確認することが重要です。
労働基準法違反事実の通報による解雇禁止
労働者が使用者の法令違反事実を関係当局や会社に申告したという理由だけで解雇することは、労働基準法および産業安全保健法により禁止されています。
申告者保護を通じて職場内の公正性と法的遵法経営を維持するための措置で、これに違反した解雇は無効として処理されます。
業務上の負傷・疾病の療養期間および産前・産後の休業期間中の解雇禁止
労働者が業務上の負傷や疾病の療養のため休業中であったり、産前・産後の休業中である場合にも、解雇は制限されます。
労働基準法により、当該休業期間およびその終了後30日間は解雇が原則として禁止され、例外的に会社の経営上の深刻な危機状況など特別な事由がある場合に限り可能です。
性別およびセクハラ被害の主張などを理由とする解雇の禁止
労働者の性別を理由とする差別的な解雇は、男女雇用平等法で明示的に禁止されています。
また、労働者がセクハラ被害を主張したり問題提起をしたことを理由に解雇したり、人事上の不利益を与えることも禁止対象に該当します。
このような解雇が行われた場合、不当解雇救済命令と損害賠償責任が併せて課される可能性があります。
育児休職、出産休暇などを理由とした解雇禁止
育児休職または出産休暇を使用する労働者に対しても、不利益な解雇は法律で禁止されています。
男女雇用平等法は、労働者が育児休職または出産休暇を申請または使用したという理由だけで解雇することを厳格に制限しており、これに違反した使用者は過料賦課の対象となります。
労働組合加入・活動、不当労働行為申告を理由とする解雇禁止
労働者の労働組合法上の権利行使である労働組合加入および活動、不当労働行為に対する申告行為を理由として解雇することも明白な法違反です。
これは憲法上の団結権保護に直結する事項であり、解雇だけでなく人事上の不利益も不当労働行為とみなされて強力な法的制裁を受ける可能性があります。
期間制・短時間・派遣労働者の差別是正申請を理由とする解雇の禁止
韓国の法は, 期間制労働者, 短時間労働者, 派遣労働者が使用者に差別的処遇の是正を要求したり, 雇用労働部に陳情を提起したことを理由に解雇することを禁止しています。
これに違反した場合, 解雇は無効となり, 使用者に過料および民事上の責任が課されることがあります。
労災発生のリスク時の作業中止、法令違反事実の通報による解雇禁止
産業安全保健法は、労働者が作業場内で重大な事故リスクが発生した時に作業を中止したり、法令違反事実を通報したという理由で解雇することを明確に禁止しています。
これは、産業災害予防のための安全確保の次元から必ず遵守されなければならない事項です。
障害を理由とする解雇の禁止
障害のある労働者を障害を理由に解雇することは, 障害者差別禁止法に従って厳格に禁止されます。
障害を理由に解雇したり人事上の不利益を与える行為は差別とみなされ, 違法行為として民刑事上の責任が発生することがあります。
年齢を理由とした解雇の禁止
労働者の年齢を理由に解雇することも原則として禁止されます。
特に高齢者雇用法は、年齢を理由に解雇したり、年齢差別行為に対する陳情、資料提出などを理由に不利益を与えたりすることを明白に禁止しているため、高齢労働者に対する人事処分の際には特別な注意が必要です
4. 懲戒/解雇 | 会社の懲戒の種類
労働基準法は、使用者が労働者に課すことができる懲戒の種類を具体的に規定してはいません。
企業で一般的に用いられる懲戒は以下のとおりです。
| 懲戒の種類 | 概念 | 注意事項 |
|---|---|---|
| 譴責 | 過ちを叱責し、始末書を提出させる軽い懲戒 | 別途の法的制限なし |
| 減給 | 賃金から一定額を差し引く懲戒 | 減給額の限度の遵守(労働基準法第95条) |
| 転職 | 職務や勤務場所などを変更する人事異動 | 業務上の適正性と合理性が必要 |
| 停職 | 一定期間の出勤禁止および無給での労務提供の停止 | 労働契約は維持され無給処理 |
| 勧告辞職 | 使用者が退職を勧め、労働者がこれを受諾して労働契約を終了 | 労働者の明示的な同意が必須 |
| 解雇 | 労働者の責に帰すべき事由により労働契約を終了する最も重い懲戒 | 正当な解雇事由と手続きの遵守義務(労働基準法第23条) |
解雇と勧奨退職の違い
解雇と勧奨退職の違いが紛らわしいことがあるので、以下に主な違いを整理いたします。
区分 | 解雇 | 勧奨退職 |
|---|---|---|
契約終了の方式 | 使用者の一方的な意思表示 | 使用者の勧誘 + 労働者の同意 |
法的要件 | 正当な事由および解雇手続の遵守 | 法的要件なし(合意中心) |
書面通知義務 | 解雇事由・時期の書面通知義務 | 義務なし |
解雇予告手当 | 30日前の予告または手当の支給 | 義務なし |
不当解雇救済申請の可能性 | 可能 | 原則として不可(強要時は可能) |
大法院判例 | 解雇には解雇予告義務が存在 | 勧奨退職は労働者の自由意思を前提 |
労働者が使用者の要求を拒絶しがたく、強圧的に辞職書を作成・提出した場合、これは解雇とみなされることがあり、不当解雇救済申請が可能です。
大法院もこの点を繰り返し判示してきており(大法院 1991.7.12, 90다11554, 大法院 2003.4.22, 2002다65066)、労働者が自発的選択に従った勧奨退職でなければ有効です。
低成果者の場合、使用者が任意に解雇することはできず、相当期間の客観的な人事評価、成果改善の機会の提供などの手続を経た後、社会通念上、労働契約の維持が困難な水準である場合にのみ、一般解雇が可能です。
ただし、労働者との合意により勧奨退職を誘導することも可能ですが、強要のおそれがないよう手続上の注意が必要です(大法院 2018다253680, 2021. 2. 25)。
▶勧奨退職の強要防止の要領
個別の対話と説明、明確な選択の機会の提供
退職慰労金、失業給付の受給支援など福利厚生措置の準備
労働者の同意を書面で確保し、辞職書を受領
勧奨退職の際には、必ず労働者の自由な意思に従って進められたことを立証できる資料を残してこそ、後の法的紛争を予防できます。
企業の人事担当者と経営陣は、上記の内容を熟知して、解雇と勧奨退職の法的な違いと実務上の注意事項を明確に認識し、労働関係の終了時に適法な手続と正当性を備えることが重要です。
必要に応じて労働法の諮問を通じ、事前に手続と証憑を点検することも、よい対応戦略です。
企業の人事措置時に法的禁止事由を点検する必要性
企業が人事権を行使する過程で懲戒または解雇を検討する際には, 必ず関連法令で禁止する事由が存在するかどうかを先制的に点検しなければなりません。
禁止事由に該当する場合, 解雇が無効と判断される可能性が高く, 不当解雇の救済命令, 損害賠償請求, 刑事処罰, 過料の賦課など, さまざまな法的リスクが伴うことがあるためです。
したがって, 人事労務担当部署および経営陣は, 解雇を決定する前に以下の事項を必ず確認することが望ましいです。
■解雇事由の正当性
■解雇事由と無関係な禁止事由への該当の有無
■当該法令の具体的条項および違反時の法的責任
■不当解雇救済申請の可能性および対応戦略
これを通じて解雇に関する法的リスクを最小限に抑え, 公正かつ合法的な人事管理を実現することができます。
企業の持続可能な経営のためには, 人事権の行使過程においても法的リスクの点検が必須であることをご留意ください。












