CONTENTS
- 1. グローバルM&A | グローバル市場進出のための戦略

- 2. グローバルM&A | 手続段階別の核心プロセス

- - 精密実査(Due Diligence)と交渉
- - 取引の終結及び買収後統合(PMI)
- 3. グローバルM&A | 取引構造の類型と選択戦略

- - グローバルM&A 主要リスクへの対応策
- 4. グローバルM&A | 企業が注目すべき戦略

- - 弁護士及び専門家の支援項目
1. グローバルM&A | グローバル市場進出のための戦略

グローバルM&A 市場は、パンデミック以降、資産価格の急騰、金利の引上げ、地政学的リスクの増加により一時萎縮したが、近年再び戦略的な動きが感知されている。
特に日本と韓国をはじめとするアジア諸国の主要企業が、先進国市場への本格的な拡張のため、積極的なグローバルM&Aに乗り出している点は注目に値する。
CASE 1. ソフトバンクのアンペア買収
日本のソフトバンクは、 Arm ベースのデータセンター CPUを設計する米国のアンペアコンピューティングを約 65億ドルで買収し、 AI インフラ市場の主導権を確保しようとする戦略を明確にした。
CASE 2. 明治安田生命の米国保険会社買収
日本国内の高齢化と低金利環境から脱するための戦略として、日本の4大生命保険会社の一つである明治安田が、米国のリーガル・アンド・ゼネラルの保険事業部を約 23億ドルで買収した。
保険業の収益ポートフォリオの多様化と、海外市場での安定的な収益源の確保の主要な事例となるとみられる。
CASE 3. 韓国ヘルスケア企業の海外 M&A の動き
S社、R社など国内の製薬・バイオ・医療機器企業もまた、技術力の確保、FDA 承認製品のラインアップ拡大、米国・欧州の医療市場への進出を目的にグローバル企業の買収に乗り出している。
これを通じて AI ソフトウェアの競争力の確保、及び北米医療市場での地位の強化などを図っている。
2. グローバルM&A | 手続段階別の核心プロセス

グローバルM&Aもまた、国内企業のM&Aと類似して事前準備 → 入札 → 実査 → 交渉 → 買収完結 → 買収後統合(Post-Merger Integration)の順で進められる。
ただし、グローバル企業の買収合併であるだけに、相手企業との言語、制度、文化、法的リスクの差異により、より精緻な戦略が求められる。
事前準備及び戦略設定
- 買収目的の明確化: 技術の確保、市場への参入、顧客基盤の拡張、グローバルブランドの強化など目的を具体化しなければならない
- 被買収企業の探索: 産業別の専門家及び現地の顧問機関と協力して潜在的ターゲットを選定し、予備的な妥当性調査を実施
- 買収構造の設計: 株式買収、資産買収、合併(Merger)、三角合併(Triangular Merger) など最適な構造を選択
- 買収資金の調達方案: 現金調達、株式発行、外部借入、共同買収など資金調達手段と為替リスクのヘッジ戦略まで用意
LOI(買収意向書) 及び秘密保持契約(NDA)
相手方に真摯さを伝える LOIを提出し、実査のための NDAを締結することで、情報アクセス権を確保することが求められる。
精密実査(Due Diligence)と交渉
- 法律実査: 契約、訴訟、知的財産権、規制事項
- 財務実査: 収益構造、負債現況、リスク分析
- 税務実査: 移転価格、海外税法、二重課税防止協定の活用の有無
- 技術及び環境実査: 製造工程、認証、廃棄物・排出基準などの点検
実査結果を反映した後には、グローバルM&Aの売買代金、条件付支払(earn-out)、保証及び表明(representation and warranties)、損害賠償条項 などを具体化しなければならない。
また、現地の法令による申告又は許可の手続とともに、韓国の外国為替取引法による海外直接投資申告を履行しなければならない。
取引の終結及び買収後統合(PMI)

グローバルM&Aを通じて買収合併が進められた後には、組織の統合とブランドの連携、人事・労務体系の調整、システムの統合など Post-Merger Integration 戦略が重要である。
買収後の統合段階では、現地の労働法、人事慣行を反映した運営政策の設計が必要であり、移転価格税制の検討も必須である。
3. グローバルM&A | 取引構造の類型と選択戦略
1. Forward Merger VS 逆合併 (Reverse Merger)
- Forward Merger: 買主が存続法人となる伝統的な合併構造
- 逆合併(Reverse Merger): 対象会社が存続法人となり、買主が消滅する
- 迂回上場又は企業の存続性の確保に有利
2. 三角合併と逆三角合併
- 順三角合併: 買主の子会社が対象会社を吸収
- 逆三角合併: 子会社を対象会社に吸収させ、対象会社が存続
- 米国で最も好まれる構造であり、買収企業の責任を最小化し得る
3. SPAC(企業買収目的会社) の活用
- 米国では SPACを通じた迂回上場が活発
- 企業結合の完了期限は 36か月であり、合併失敗時には上場失敗として投資金を返還
グローバルM&A 主要リスクへの対応策
リスク | 対応戦略 |
法律- 許認可、契約の有効性、競争法違反 | 現地ローファームの助言、事前の規制検討 |
税務- 移転価格税制、二重課税 | 韓国・現地の租税条約の検討及び税務実査 |
人事労務- 労働法違反、雇用承継の紛争 | 現地の労務慣行の反映及び雇用契約の再作成 |
政治/司法- 為替変動、外国為替規制、司法不信 | 為替リスクのヘッジ、危険国リスクの評価報告書 |
文化/言語- 組織文化の衝突、コミュニケーションの誤り | 現地 PM 及び統合戦略の策定 |
4. グローバルM&A | 企業が注目すべき戦略

逆三角合併、株式交換、資産譲受渡など米国水準の多様な合併構造を国内でも可能にし、海外進出時の M&A オプションを拡大
産業別の海外進出支援金、新興市場に対する外国人投資リスクの緩和制度の整備
外国為替取引申告・海外直接投資申告の手続の簡素化
主要地域(米国、EU、 ASEAN、中東)に特化した法務法人・会計法人と協力チャネルを形成
事前の妥当性検討及び PMI 戦略まで一括して提供し得るグローバルパートナーの選定
グローバルM&Aは、世界市場での競争力を確保する戦略的手段となる。
双方ともに、成功的なグローバルM&Aが成立するには、取引構造の設計、事前のリスク点検、現地制度の理解、PMI 戦略など多層的な戦略が必要である。
当法人の専門弁護士及びローファーム所属の公認会計士、税理士などの助言を通じて、グローバルM&Aで企業革新を実現していただきたい。
弁護士及び専門家の支援項目
支援項目 | 支援内容及び必要性 |
M&A 手続の支援 | 取引手続のロードマップの策定と日程管理により、許認可の漏れや手続の遅延リスクを防止 > 弁護士の支援 : 取引構造の設計 |
オーダーメイド型プロセスの支援 | 企業内部の戦略と承認体系に合わせた構造設計により、組織内の対立及び意思決定の遅延を予防 > 弁護士の支援 : 取締役会及び株主総会の承認体系の整備、社内協業体系の構築 |
ターゲット市場及び法制の分析 | 現地の外国人投資制限、産業規制、競争法などを事前に分析し、許認可の失敗又は法違反を予防 |
市場内の取引情報の分析 | 類似の M&A 事例及び競合他社の比較を通じて、高値買収や価値の歪みを防止 > 専門家の支援 : 開示資料の分析、判例に基づくリファレンスの提示 |
NDA 締結及び実務ミーティングの支援 | 営業秘密の流出及び情報の誤用・乱用を防止するための NDA 締結と交流ガイドの用意 > 弁護士の支援 : NDA の作成 |
法人登録及び実体の検証 | 法人の登録状態、納税履歴、代表者の権限などを検討し、偽装物件や詐欺の危険を遮断 > 弁護士の支援 : 現地の登記簿の解釈、納税証明の検証 |
本社・工場・営業現場の実査 | 現場訪問を通じて、帳簿上の数値と実物の状態との乖離の有無を確認 > 専門家の支援 : 実査チェックリストの提供、法律違反の有無の事前点検 |
法人の契約関係及びリスクの検討 | 主要な契約、株主構造、担保・持分構造などを点検し、契約の承継と紛争の危険を管理 > 専門家の支援 : IP 及び資産の法的効力の分析 |
事前の価値評価の支援 | 被買収企業の財務・法律要因を反映した価値評価により、高値買収の防止及び交渉資料の確保 > 専門家の支援 : ローファーム所属の会計士との協働による法的リスク要素の反映助言 |
実査の助言及び買収金融の交渉 | 実査結果を反映した買収金融契約の交渉により、資金の安定性を確保 > 弁護士の支援 : 実査結果の要約及び金融機関提供文書の法的検討 |
買収後統合(PMI) の助言 | 組織・契約・ブランドの統合戦略の策定により、混乱の防止及びシナジーの実現 > 専門家の支援 : 雇用法、移転価格税制、契約承継など手続の助言 |










