CONTENTS
- 1. 遺言代用信託 | 定義とメリット

- - 生前から体系的に設計が可能
- - 信託財産は別個に保護される
- - 委託者の権限の維持
- - 家族間の対立の予防
- 2. 遺言代用信託 | 進め方と必要書類

- - 信託契約
- - 信託宣言(自己信託)
- - 信託が可能な資産
- 3. 遺言代用信託 | 信託終了の事由と方法

- - 法律による信託の終了事由
- - 委託者と受益者の合意による終了
- - 裁判所の命令による終了
- 4. 遺言代用信託 | 終了後の財産の帰属

- - 受益者に帰属する場合
- - 権利を放棄した場合
- - 不正な信託設定の場合
- - 帰属の移転までは信託が存続する
- 5. 遺言代用信託 | チェックリスト

- - 相続弁護士による助力体制
1. 遺言代用信託 | 定義とメリット

遺言代用信託は、文字どおり遺言と同じ機能を果たす生前信託である。
一般に遺言書を作成する代わりに 生きている間銀行や証券会社、信託会社など金融機関と契約を結び財産を預け相続手続を設計することをいう。
これに基づき委託者(財産を預けた者、被相続人)が死亡すると、手続に従い相続人に財産が相続される。
遺言の役割を代わりに果たすものとして「遺言代用信託」と呼ばれ、より強力な財産保護機能と柔軟な設定が可能であるというメリットがある。
委託者 | 被相続人 |
受託者 | 信託を担当する金融機関 |
受益者 | 相続人 |
生前から体系的に設計が可能
遺言は死亡時に効力を生じるが、遺言代用信託は生前から信託の構造を通じて資産の移転を設計することができる。
信託財産は別個に保護される
信託財産は受託者の固有財産と法的に分離して管理される。
また、受託者が死亡し、または破産しても、信託財産は安全に保護される。
このほか、信託財産は強制執行、滞納処分、担保権の実行などからも保護される(信託法第22条、第23条、第24条)。
委託者の権限の維持
委託者は次のような多様な権限を有し、信託を直接統制することができる。
▷ 受託者の解任および選任
▷ 信託の変更および終了
▷ 信託事務の閲覧および説明の要求
ただし、受益者変更の権利は次に該当する信託の場合にのみ可能である。
2. 受益者が委託者の死亡後に信託財産に基づく給付を受ける信託
家族間の対立の予防
遺言をめぐる相続人間の紛争を減らし、あらかじめ財産の分配を確定して家族間の対立を予防することができる。
2. 遺言代用信託 | 進め方と必要書類

遺言代用信託の手続は信託契約と信託宣言、二つの方式で進めることができる。
信託契約
金融機関と契約を結び資産を預け相続手続を設計する方式で遺言代用信託を進めることができる。
銀行および信託会社などは多様な信託商品を提示しており、これを比較して自身に適した商品を選べばよい。
その後、金融機関に必要書類を提出し、信託する財産を金融機関へ移転する。
また、受益者を指定し事後管理手続を設定すると、信託契約の効力が生じ契約に従い財産が管理され運用される。
契約時に必要な書類
必須 | 本人の実名確認証票(住民登録証、運転免許証) |
後見登記事項不存在証明書 | |
印鑑証明書、実印 | |
住民登録抄本 (過去の内訳を含む、住所変更事項の全体) | |
家族関係証明書 (委託者および連続受益者の関係確認の内容を含む) | |
不動産 | ① 登記済権利証 |
② 地方税納税証明書 | |
非上場株式 | ① 法人登記簿謄本 |
② 法人の事業者登録証 | |
③ 法人税の税務調整計算書(株主等の変動状況明細書の部分) | |
④ 株主名簿(直近のもの) | |
⑤ 株券未発行確認書 | |
金銭債権 (保険金請求権) | ① 保険証券の写し |
② 保険契約書の写し | |
③ 保険契約貸付が存在しないことを立証する書類 1部 | |
相続人とともに契約を望む場合 | 本人の実名確認証票 |
※ 上記の書類は金融機関の内部規定により多少の差異がある場合があり、関連する追加資料を求められる場合がある。
信託宣言(自己信託)
一方、信託宣言は金融機関なしに委託者自身が受託者となって手続を進めることができる。
これを行うには相続手続を設計しなければならず、信託を通じて財産をどのように管理し配分するのかについて具体的な計画を立てなければならない。
この際、法的効力を確保するために信託宣言書と公正証書を作成しなければならず、すべての手続が完了すると信託宣言の効力が生じる。
ただし、信託宣言は原則として受託者を別途置く必要なく、委託者自身が受託者となって宣言することができるが、登記実務や税務上の効力において制限を受ける場合があるため、専門家の助言が必要である。
信託が可能な資産
資本市場法上、金融機関と契約する金銭信託に預けることができる財産は、次の 7種類に制限される。(資本市場と金融投資業に関する法律第103条)
2. 証券
3. 金銭債権
4. 動産
5. 不動産
6. 地上権、傳貰権、不動産賃借権、不動産所有権移転登記請求権、その他の不動産関連の権利
7. 無体財産権
(知的財産権を含む)
この際、信託宣言の方式では信託業法上の制限を直接受けないが、実効性のある実行のために、実質的には上記の資産で構成されるのが一般的である。
3. 遺言代用信託 | 信託終了の事由と方法
遺言代用信託は一般に委託者の死亡後まで存続するよう設計されるが、特定の事由が生じ、または当事者間の合意もしくは裁判所の判断により終了する場合がある。
終了の事由と方法を正確に理解することが、事後の紛争を防止する鍵となる。
法律による信託の終了事由
信託は、次のいずれかに該当する場合、法的に終了する(信託法第98条)。
▷ 信託が合併された場合
▷ 「信託法」第138条により有限責任信託において信託財産に対する破産宣告があった場合
▷ 受託者の任務が終了した後、新受託者が就任しない状態が 1年間継続した場合
▷ 目的信託において信託管理人が就任しない状態が 1年間継続した場合
▷ 信託行為で定めた終了事由が生じた場合
委託者と受益者の合意による終了
委託者と受益者は、いつでも相互の合意により信託を終了することができる(信託法第99条)。
これに基づき一般に委託者と受益者がともに同意すれば信託を終了することができる。
ただし、委託者が存在しない場合は終了することができない。
委託者が信託利益の全部を受益する場合、委託者またはその相続人は単独で終了することができる。
ただし、信託契約書で別段の定めがある場合は、それに従う。
裁判所の命令による終了
信託行為の当時に予測できなかった特別の事情が生じた場合、裁判所に信託の終了を請求することができる(信託法第100条)。
請求が可能な主体 | 委託者、受託者または受益者 |
終了の要件 | 信託の存続がかえって受益者の利益に反する場合 |
4. 遺言代用信託 | 終了後の財産の帰属

遺言代用信託が終了すると、残っている信託財産は法律と信託契約に従い、受益者または定められた帰属権利者に移転される。
信託を設計する際に財産の帰属主体を明確に定めておくことが、事後の紛争を防止する要点となる。
受益者に帰属する場合
次の場合、信託財産は受益者に帰属する。
▷ 受託者の任務が終了した後、新受託者が就任しない状態が 1年間継続した場合
▷ 目的信託において信託管理人が就任しない状態が 1年間継続した場合
▷ 信託行為で定めた終了事由が生じた場合
▷ 合意により信託が終了した場合
▷ 裁判所の命令により信託が終了した場合
ただし、信託行為により信託財産の残余財産について帰属権利者を定めた場合には、その帰属権利者に帰属する(「信託法」第101条第1項)。
権利を放棄した場合
受益者と帰属権利者のいずれもが残余財産に対する権利を放棄した場合、その財産は委託者または委託者の相続人に帰属する(信託法第101条第2項)。
不正な信託設定の場合
委託者が債権者の回避や執行の免脱など不正な目的で信託を設定し、これにより信託が裁判所によって終了した場合には、信託財産は委託者に帰属する(信託法第101条第3項)。
帰属の移転までは信託が存続する
信託は終了した後であっても、残余財産が帰属権利者に実際に移転されるまでは、信託財産として存続し管理される。
この場合、帰属権利者は一時的に受益者の地位にあるものとみなされる(信託法第101条第4項)。
これは、税務・登記の実務において帰属権利者名義への移転が完了するまでは受託者の名義で存続することを意味し、残余財産の受益者は従前の受益者と同一の権利行使の地位を有する。
5. 遺言代用信託 | チェックリスト
遺言代用信託を準備する場合、信託の目的と資産の状況、受益者の指定などを事前に整理しておくことが重要である。
信託の方式に応じて準備書類と手続が異なるため、綿密な計画が必要である。
区分 | 準備項目 |
信託目的の設定 | 財産移転の目的、相続計画、紛争防止の目的などを明確に設定 |
信託財産の確認 | 金銭、不動産、証券など信託が可能な資産の種類および規模の把握 |
受益者の指定 | 死亡後に財産を受け取る者(相続人など)を具体的に指定 |
契約方式の選択 | 金融機関との契約(信託契約) または自己信託方式(信託宣言) のうちから選択 |
書類の準備 | 本人確認書類、印鑑証明書、不動産の登記済権利証、家族関係証明書など |
相続弁護士による助力体制
当法務法人には、大韓弁護士協会に登録された相続専門弁護士および平均 10年以上の経歴を有する専門弁護士が多数在籍している。
信託の設計から契約の助言、資産の移転、事後の帰属まで全過程を網羅する個別対応型の法律サービスを通じて、安定的な相続の設計および支援が可能である。
もし一人で手続を準備することが難しい場合には、相続弁護士の助力を通じて、より正確かつ安全に手続を進めることが望ましい。










