CONTENTS
- 1. 家事事件のご相談をされた依頼者

- - 成年後見開始の申立てを検討することになった経緯
- 2. 家事事件への対応戦略およびサポート内容

- - 家事弁護士の主張① | 精神状態の変化の様相の立証
- - 家事弁護士の主張② | 職権による精神鑑定の要請
- - 家事弁護士の主張③ | 第三者による財産侵害の危険性の疎明
- 3. 家事事件の対応結果、「成年後見開始の決定」

- - 成年後見と限定後見の違い
- - 家事事件のサポートが必要であれば?
1. 家事事件のご相談をされた依頼者
家事事件のご相談をされた依頼者は、海外に居住中に父親の認知症の悪化と財産侵害の状況を確認し、迅速な法的保護措置を講じようとご相談を依頼された状況でした。
成年後見開始の申立てを検討することになった経緯
成年後見開始の申立てのために家事専門弁護士にご相談いただいた依頼者は、海外に居住していた際、一人で暮らしていた父親の認知症の症状が急激に悪化したという知らせを聞き、急いで帰国されました。
帰国後に確認した結果、父親の介護のために雇っていた介護人が、父親の認知能力の低下した状態を利用して私的に金銭をだまし取った状況があったことが分かりました。
そこで依頼者は、父親の財産と身上に対するさらなる侵害を防ぎ、介護人の不当な接近を遮断するための法的措置が急務であると判断されました。
最終的に、父親を保護するための制度的な仕組みとして成年後見開始を申し立てるため、家事事件に関する相談を受けようと家事弁護士にご相談いただきました。

2. 家事事件への対応戦略およびサポート内容
家事事件の成年後見開始の手続きを進める中で、裁判所は父親のK-MMSEのスコアが比較的高いという点を根拠に、限定後見へ請求の趣旨を変更するよう補正命令を出しました。
しかし家事専門弁護士は、父親の認知機能が急激に低下しているという点に注目し、本件の家事事件について次のような戦略を展開しました。
K-MMSEとは?
家事弁護士の主張① | 精神状態の変化の様相の立証
家事専門弁護士は、父親の過去の診療記録と、数回にわたり実施された認知機能検査の結果を総合的に分析しました。
これにより、一時的な低下ではなく、進行性アルツハイマーによる認知機能の持続的な悪化の過程にあるという点を強調しました。
特に、最近の追加検査で中等度の認知症との診断が下された事実を確認し、従来の初期段階の評価と比較して認知能力が漸進的に低下してきたことを客観的な資料として整理しました。
そこで家事専門弁護士は、当該診断書および検査結果を証拠として提出しながら、依頼者の父親が軽度認知障害の状態を超え、持続的な保護と法的な管理が必要な状態であることを積極的に疎明しました。
家事弁護士の主張② | 職権による精神鑑定の要請
裁判所が限定後見を勧告した状況で、家事専門弁護士は、現在の依頼者の父親の状態が事務を処理する能力を持続的に欠いた状態であることを確認するため、裁判部に職権による精神鑑定を要請しました。
また、事件本人が裁判所に直接出席し、裁判官との面談を通じて判断力の低下した状態を直接確認できるよう手続きを案内しました。
家事弁護士の主張③ | 第三者による財産侵害の危険性の疎明
家事専門弁護士は、介護人が父親の口座から繰り返し金員を引き出した履歴と、使途が不明な資金の流れを整理して資料として提出しました。
また、婚姻届の提出を試みた状況を併せて疎明し、今後、法律上の配偶者の地位を取得した場合、財産の処分や相続関係に重大な影響を及ぼしうるという点を裁判部に明確に示しました。
家事専門弁護士は、依頼者の父親が日常的な意思表現は可能であっても、財産の処分のような重要な法律行為を独自に判断するには困難がある状態であることを強調しました。
そこで、第三者の介入を制度的に遮断し、安定的な財産管理を図るために成年後見開始が必要であるという点を、具体的な資料に基づいて疎明しました
3. 家事事件の対応結果、「成年後見開始の決定」

家事事件の成年後見開始の審判の序盤、裁判部は認知機能検査の結果などを根拠に限定後見への変更を勧告しました。
しかし家事専門弁護士は、追加資料の提出と積極的な疎明を続けながら成年後見の必要性を具体的に主張し、職権による精神鑑定および本人尋問の手続きを経た末に 最終的に成年後見開始の決定が下されました。
成年後見と限定後見の違い
家事事件において成年後見は、事務処理能力が持続的に欠如している場合に全般的な保護を提供する制度であり、限定後見は、能力が一部不足している場合に特定の範囲内で制限的に支援する制度であるという点で違いがあります。
区分 | 成年後見 | 限定後見 |
法的根拠 | 「民法」第9条 | 「民法」第12条 |
対象要件 | 疾病・障害・老齢などにより事務を処理する能力が持続的に欠如している場合 | 疾病・障害・老齢などにより事務を処理する能力が不足している場合 |
判断能力の水準 | 全般的な意思決定能力がほとんどない、または喪失した状態 | 一部の判断能力はあるが、重要な事務処理に困難がある状態 |
後見の範囲 | 財産管理および身上に関する事務全般について包括的な保護・代理 | 裁判所が定めた範囲内での制限的・特定の事務に対する保護・同意 |
本人の行為の効力 | 原則として後見人が法律行為を代理 | 本人が原則として行為するが、裁判所が定めた範囲内で後見人の同意が必要 |
適用の必要性 | 全面的な保護が必要な場合 | 部分的・補充的な保護が必要な場合 |
家事事件のサポートが必要であれば?
家事事件は、家族関係、財産、身上保護など個人の生活全般に直接的な影響を及ぼす領域であり、事実関係の整理と法的要件の充足の有無についての綿密な検討が重要です。
法務法人大倫の家事専門弁護士は、相談の段階で事件の経過と現在の状態を綿密に把握したうえで、成年後見の要件の充足の有無を法理的に検討します。
また、補正命令への対応、追加資料の提出、精神鑑定の手続きの進行など、裁判の過程で求められる手続きを段階別に対応し、裁判部が必要性を十分に判断できるよう体系的にサポートします。
もし上記のような状況で家事事件のサポートが必要であれば、事案の特性と現在の状態を正確に診断したうえで、オーダーメイドの対応戦略を提示する🔗家事専門弁護士にご依頼ください。

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