CONTENTS
- 1. 医療過誤の疑いをかけられた依頼者

- - 業務上過失致死事件の経緯
- 2. 医療過誤事件の争点

- - 弁護士による方針の策定
- 3. 医療過誤の否定に向けたサポート内容

- - DNR同意書の効力と分業体制上の信頼の原則を強調
- - 注意義務違反がないことについての論理的説明
- - 心肺蘇生以外のすべての応急措置を実施した事実の疎明
- - 因果関係の断絶を主張
- 4. 医療過誤の否定に成功、「不送致」

- - 医療事件への対応方法
1. 医療過誤の疑いをかけられた依頼者

医療過誤の疑いをかけられた療養病院の看護師である依頼者が、医療専門弁護士のサポートにより、警察段階で「嫌疑なし(不送致)」の決定を受け、事件が終結した事例です。
業務上過失致死事件の経緯
依頼者は療養病院に勤務していた看護師で、患者の死亡後、遺族から業務上過失致死の疑いで告訴されました。
事件当日、依頼者は痰で苦しむ患者を確認しましたが、食事直後で症状も重くなかったため、サクション(吸引処置)は行いませんでした。
約20分後、患者は意識も呼吸もない状態で発見され、依頼者は直ちに酸素供給やサクションなどの応急措置を行いましたが、患者は死亡に至りました。
問題となったのは、被害患者が延命医療拒否(DNR)同意書を作成していたため、依頼者は応急処置のみを行い、心肺蘇生を行わなかった点です。
これに対し、遺族はDNRの効力に疑問を呈し、看護師の対応に過失があったと主張して依頼者を告訴しました。
最終的に業務上過失致死の疑いをかけられた依頼者は、医療専門弁護士に法的サポートを求めました。
2. 医療過誤事件の争点
医療過誤の疑いをかけられた直接の理由は、患者に痰の症状があったにもかかわらず依頼者がサクションを行わず、死亡時にも心肺蘇生を行わなかった点にありました。
遺族は、こうした措置の不実施が死亡の原因になったとして、依頼者に業務上過失致死の疑いを提起しました。
業務上過失致死の法定刑
韓国刑法第268条 | 法定刑 |
業務上の過失または重大な過失により、人を死亡または傷害に至らせた者 | 5年以下の禁錮または2,000万ウォン以下の罰金 |
しかし、業務上過失致死の容疑が成立するには、次の要件を満たす必要があります。
② 当該注意義務に違反したこと
③ その違反と被害者の死亡との間に因果関係があること
弁護士による方針の策定
これを受け、医療専門弁護士は3つの要件すべてを否定する方針を立てました。
まず、依頼者がDNR同意書の作成に関与しておらず、引き継いだ医療記録に従って心肺蘇生を行わなかったことは、医療現場における通常の分業体制の範囲内で正当な措置であると判断しました。
また、患者の状態を確認した直後に酸素供給やサクションなどの応急措置を行っており、サクションを控えた判断も臨床的に妥当な決定であった点に着目しました。
最終的に弁護士は、依頼者の判断が注意義務の範囲内にあり、患者の死亡との直接的な因果関係を断定することは困難である点を中心に防御方針を立てました。
3. 医療過誤の否定に向けたサポート内容

医療過誤を否定し、依頼者の処罰を回避するため、医療専門弁護士は次のようなサポートを行いました。
DNR同意書の効力と分業体制上の信頼の原則を強調
被疑者は患者がDNR同意書を作成していた事実を認識し、心肺蘇生を除く応急処置を行いました。
また、DNR同意書の作成には一切関与しておらず、仮にDNR同意書の作成時に手続上の瑕疵や形式上の問題があったとしても、依頼者がそれを知ることは困難な状況でした。
そこで医療専門弁護士は韓国大法院の判例を挙げ、医療現場における通常の分業体制と信頼の原則に照らし、被疑者の判断は正当であったと主張しました。
韓国大法院2003年1月10日宣告2001ド3292判決
注意義務違反がないことについての論理的説明
医療専門弁護士は当時の状況に照らし、依頼者がサクションを行わなかったことは臨床的に合理的な判断であったと立証しました。
▷ 痰の量は軽微であり、新型コロナウイルスの流行下で過度に接触することには感染の危険があった
▷ 患者は意識があり意思疎通も可能で、バイタルサインにも特段の異常はなかった
このような判断は単に消極的な措置ではなく、医学的判断と経験に基づく慎重な対応であり、結果として、注意義務違反とは断定できない点を明確にしました。
心肺蘇生以外のすべての応急措置を実施した事実の疎明
DNR同意書に従い心肺蘇生は行いませんでしたが、被疑者は現場で可能なすべての応急処置を行いました。
したがって、被疑者の対応は状況に即した十分な措置であり、心肺蘇生以外の措置も含め、過失とみることは困難であるとの主張を説得力をもって展開しました。
因果関係の断絶を主張
最終的に医療専門弁護士は、依頼者の判断と患者の死亡との間に明確な因果関係を認めることは困難であると強調しました。
すなわち、依頼者の措置が死亡に直接的な影響を及ぼしたとは断定できず、刑事処罰の要件である因果関係が成立しないと強く主張しました。
4. 医療過誤の否定に成功、「不送致」

医療過誤事件を担当した医療専門弁護士の迅速かつ緻密な対応により、警察は依頼者について「嫌疑なし(不送致)」の決定を下し、事件を終結させました。
これは、医療現場の特殊性と処置の判断範囲について十分に疎明し、分業体制における看護師の責任の限界を明確に説明した結果です。
医療事件への対応方法
本件は、医療過誤により被害者を死亡させたとして業務上過失致死の疑いをかけられた依頼者が、医療専門弁護士のサポートにより、嫌疑なし(不送致)の決定を得た事例です。
法務法人大倫には、実際に医療従事者として勤務した経歴を持つ弁護士をはじめ、医療訴訟の経験が豊富な専門弁護士が多数所属しています。
また、分野別の専門弁護士との連携により、医療関連の刑事・行政・民事訴訟までワンストップで対応できます。
医療過誤事件などに関するサポートが必要な場合は、いつでも🔗法律相談予約を通じて事件をご依頼くださいますようお願いいたします。

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